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領主と女中の夏のバカンス(急)3
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* * *
(……顔が熱い)
ロアがかき氷を注文しに行っている間、マリアはテラス席のテーブルでひとり、顔を手で覆っていた。
今日の自分は一味違う。
普段の可愛げのない自分は捨てるのだ。
そういう意気込みで、今朝、マリアはとあるドリンクを服用した。
以前、ライア・ロビンソンにもらった栄養ドリンクだ。
もともとロアに血を提供するのにすぐに貧血を起こしてしまう自身に負い目を感じ、そのことを彼女に相談したところ、厚意で作ってもらったものだ。
香り付けとして配合している薬草の成分から、
『リラックスできて、素直になれる』
という副次的効果があるらしい。
(……おかげでなんだかいつもよりストレートに感情を表現できている気がしますが、精神的負荷も大きい……)
思っていることをすんなり行動や言動に移せたとしても、恥ずかしいものは恥ずかしいのである。
(……なんだか今日はロアの様子もおかしいですし)
常にそわそわしている気がするし、無理に視線を逸らそうとするし。
もしかしたら、お互いに少し浮かれているのかもしれない。
今日はこの施設に宿泊もする予定だ。
日帰りでボルドウまで帰れないわけではないが、せっかくだからとロアが予約をとってくれた。
ふたりが外泊するのは、春のロンディヌス以来だ。
あの時は仕事だった上にゆっくりする時間もほとんどなく、もっと言えば一生もののトラウマを残した旅だったので、完全な行楽は今回が初めてになる。
屋敷での生活だって、ずっとふたり一緒であることには変わりない。
屋敷が雨漏りして以降はごくたまに、一緒のベッドで就寝したりもするようになった。
けれど特別、ふたりの間に何があるわけでもなく。
――加えて最近は、ロアが仕事に専念していたためゆっくりとふたりで過ごす時間は勿論、接触自体もほとんどなかった。
……それはスキンシップ禁止にしたマリアのせいでもあるのだが。
けれど、まあ。この施設には温泉もあるし。
夕食も豪華だというし。
部屋から見える夜景も綺麗だというし。
少しは、いつもよりロマンチックな雰囲気になったりもするかもしれない。
(……って、私は一体何を期待して……)
「おまたせマリア」
「!?」
かき氷をトレイに乗せたロアが突然戻って来たので、マリアはぎくりと身体を強張らせた。
「どうかした?」
「いえ。美味しそうですね」
マリアはロアの顔を直視できず、運ばれてきたかき氷を見た。
練乳をたっぷり染み込ませた真っ白な氷に、凍らせたイチゴがふんだんに飾られ、さらに色鮮やかなベリーソースがかかっている。
かき氷はひとつ。スプーンはふたつ用意されている。
「水の中にいると意外と冷えるし、お腹を壊すといけないから、半分こしようね」
「なるほど、そうですね」
そうしてふたりが、特に会話もなく両側からさくさくとかき氷をつついていると。
「はいローラ、あーん」
「もう、そんな子供っぽいこと私はしません」
「えー、せっかくふたりで大きなパフェ頼んだんだからしようよー。こういうときじゃないとできないよ? いいの?」
「……じゃあ、私がレベッカに食べさせる役ね」
「やったぁ! ……ん~、最高。ローラに食べさせてもらったら、さっきより滅茶苦茶美味しく感じる~!」
「もう、声大きいし大袈裟すぎ! 恥ずかしいんだから」
「ローラは固いなあ。せっかく水着になって解放感溢れてるんだからそういうこと言わないの! ね?」
「っ、もう……やだ、こんなとこで……」
「恥じらうローラも可愛いよ……」
ちょうど斜め後方の席の二人組がそんなやり取りをしているのが聞こえてきて、ロアとマリアはさらに黙りこくった。
マリアからはちょうど背後になるので二人が何をしているのかまでは見えないが、どうやら友達以上の親密な関係なのだろうということは分かる。
しかしいつものロアなら、あそこまでいかなくとも「あーん」ぐらいはしてきそうなものなのに。
マリアがちらりとロアのほうを覗うと
「……」
ロアはいたたまれないといった表情で硬直していた。
顔色も少し優れない気がする。
「ロア、大丈夫ですか?」
具合でも悪いのではないか。
マリアが思わずそう尋ね、ロアの手に触れようとすると
「ぬわッ!?」
ロアは奇声を上げてばっと両手を上げた。
その拍子でロアの手からスプーンがすっぽ抜けて飛んでいき、音を立ててテラスの外側に落ちていった。
「わわっ、ごめん、拾ってくる!」
「あ、ちょ」
マリアが止める間もなくロアは逃げるように席を立つ。
「……なんなんですか、もう……?」
** *
「はぁ………」
茂みに落ちていたスプーンを拾い上げながら、ロアは「なにやってるんだろう」とため息をつく。
胸の動悸は朝よりひどくなっていた。
(あのバカップル……勘弁してよ……)
マリアを直視しないようにしてなんとか平静を保とうとしていたのに、視線を外した先であんなイチャイチャぶりを見せられてはたまったものではない。
大体、かき氷の上にかかっている赤いベリーソースを見ただけで吸血行為を思い出して興奮したのに、そこでキスシーンなんて見せられたら正直辛い。
自分だって、
あの白い肌に唇を落として。
自分のものだと見せつけて。
叶うなら、その唇を
(……いやいやいやいや、もう末期じゃない?)
平常時ならベリーソースを見たぐらいで興奮しないし、他人のキスシーンを見せられたくらいでここまで動揺しない。手だって、触れそうになっただけでスプーンを飛ばすなんて。
触れたら一体どうなるのか。
(触れないようにしなきゃ……!)
ロアは決死の覚悟でマリアの元に戻った。
** *
(信じられません)
マリアは大変不服だった。
スプーンを飛ばして以降、ロアの態度がさらによそよそしくなって、挙句避けられているような気にもなるほど、接触を拒むようになったのだ。
スライダーに挑戦しようと誘っても、
「下で見てるから、行っておいで」
と言うし、流れるプールで一緒にフロートに乗ろうと誘っても
「私はフロートの下で沈んでるよ」
などと意味不明なことを言うし。
さらには。
「……ごめん、ちょっと疲れちゃったから、先に部屋に戻るよ。マリアはもっといっぱい楽しんで」
そう言い残して、彼女は更衣室へと先に戻っていってしまったのだ。
信じられない出来事に、マリアはしばし呆然とプールサイドに立ちすくんでいた。が。
「……もう!」
冷静になろうとするほど煮えたぎるはらわたを抱えて、マリアも更衣室へと向かった。
更衣室に入ると、カーテンの引いてある個室はひとつもなかった。
脇で、シャワーの水音が聞こえる。
更衣室のすぐ隣がシャワールームになっているのだ。
マリアはシャワールームの扉を開く。
シャワールームの構造も更衣室と同じで、カーテンを引いて個室にするものだった。
まだ遊び終えるのには早い時間なせいか、カーテンが引かれているのは最奥の1つだけだ。
マリアは躊躇わず、カーテンを開けた。
「ロア‼」
「どぅわ!? マリア!?」
突然カーテンを開けられたことに驚いたのか、ロアは目を真ん丸にしてマリアを見た。
頭上から降り注ぐシャワーを気にも留めず、マリアは一歩踏み込みロアに迫る。
「具合でも悪いんですか?」
「えっ、いや、そういうわけじゃないんだけどっ」
そう言いながらも、マリアから距離をとろうとロアは壁際に寄っていく。
それを見たマリアは栗色の瞳を悲しげに曇らせた。
「……じゃあどうして自分だけ帰ってしまうんですか。『楽しみにしてた』って言ってたのに……」
そうこぼしたマリアの声は、随分か細いものになっていた。
「マリア……」
「『楽しんで』って言われても、ひとりで楽しめるわけないじゃないですか! 貴女と一緒だから楽しみにしてたのにっ、……ロアの馬鹿!」
そう叫んだ頃には、マリアの声は完全に裏返っていた。
こんなところで泣くなんて情けないと、マリアが踵を返そうとした、その時。
ロアの手が、マリアの手首を掴んで止めた。
(……顔が熱い)
ロアがかき氷を注文しに行っている間、マリアはテラス席のテーブルでひとり、顔を手で覆っていた。
今日の自分は一味違う。
普段の可愛げのない自分は捨てるのだ。
そういう意気込みで、今朝、マリアはとあるドリンクを服用した。
以前、ライア・ロビンソンにもらった栄養ドリンクだ。
もともとロアに血を提供するのにすぐに貧血を起こしてしまう自身に負い目を感じ、そのことを彼女に相談したところ、厚意で作ってもらったものだ。
香り付けとして配合している薬草の成分から、
『リラックスできて、素直になれる』
という副次的効果があるらしい。
(……おかげでなんだかいつもよりストレートに感情を表現できている気がしますが、精神的負荷も大きい……)
思っていることをすんなり行動や言動に移せたとしても、恥ずかしいものは恥ずかしいのである。
(……なんだか今日はロアの様子もおかしいですし)
常にそわそわしている気がするし、無理に視線を逸らそうとするし。
もしかしたら、お互いに少し浮かれているのかもしれない。
今日はこの施設に宿泊もする予定だ。
日帰りでボルドウまで帰れないわけではないが、せっかくだからとロアが予約をとってくれた。
ふたりが外泊するのは、春のロンディヌス以来だ。
あの時は仕事だった上にゆっくりする時間もほとんどなく、もっと言えば一生もののトラウマを残した旅だったので、完全な行楽は今回が初めてになる。
屋敷での生活だって、ずっとふたり一緒であることには変わりない。
屋敷が雨漏りして以降はごくたまに、一緒のベッドで就寝したりもするようになった。
けれど特別、ふたりの間に何があるわけでもなく。
――加えて最近は、ロアが仕事に専念していたためゆっくりとふたりで過ごす時間は勿論、接触自体もほとんどなかった。
……それはスキンシップ禁止にしたマリアのせいでもあるのだが。
けれど、まあ。この施設には温泉もあるし。
夕食も豪華だというし。
部屋から見える夜景も綺麗だというし。
少しは、いつもよりロマンチックな雰囲気になったりもするかもしれない。
(……って、私は一体何を期待して……)
「おまたせマリア」
「!?」
かき氷をトレイに乗せたロアが突然戻って来たので、マリアはぎくりと身体を強張らせた。
「どうかした?」
「いえ。美味しそうですね」
マリアはロアの顔を直視できず、運ばれてきたかき氷を見た。
練乳をたっぷり染み込ませた真っ白な氷に、凍らせたイチゴがふんだんに飾られ、さらに色鮮やかなベリーソースがかかっている。
かき氷はひとつ。スプーンはふたつ用意されている。
「水の中にいると意外と冷えるし、お腹を壊すといけないから、半分こしようね」
「なるほど、そうですね」
そうしてふたりが、特に会話もなく両側からさくさくとかき氷をつついていると。
「はいローラ、あーん」
「もう、そんな子供っぽいこと私はしません」
「えー、せっかくふたりで大きなパフェ頼んだんだからしようよー。こういうときじゃないとできないよ? いいの?」
「……じゃあ、私がレベッカに食べさせる役ね」
「やったぁ! ……ん~、最高。ローラに食べさせてもらったら、さっきより滅茶苦茶美味しく感じる~!」
「もう、声大きいし大袈裟すぎ! 恥ずかしいんだから」
「ローラは固いなあ。せっかく水着になって解放感溢れてるんだからそういうこと言わないの! ね?」
「っ、もう……やだ、こんなとこで……」
「恥じらうローラも可愛いよ……」
ちょうど斜め後方の席の二人組がそんなやり取りをしているのが聞こえてきて、ロアとマリアはさらに黙りこくった。
マリアからはちょうど背後になるので二人が何をしているのかまでは見えないが、どうやら友達以上の親密な関係なのだろうということは分かる。
しかしいつものロアなら、あそこまでいかなくとも「あーん」ぐらいはしてきそうなものなのに。
マリアがちらりとロアのほうを覗うと
「……」
ロアはいたたまれないといった表情で硬直していた。
顔色も少し優れない気がする。
「ロア、大丈夫ですか?」
具合でも悪いのではないか。
マリアが思わずそう尋ね、ロアの手に触れようとすると
「ぬわッ!?」
ロアは奇声を上げてばっと両手を上げた。
その拍子でロアの手からスプーンがすっぽ抜けて飛んでいき、音を立ててテラスの外側に落ちていった。
「わわっ、ごめん、拾ってくる!」
「あ、ちょ」
マリアが止める間もなくロアは逃げるように席を立つ。
「……なんなんですか、もう……?」
** *
「はぁ………」
茂みに落ちていたスプーンを拾い上げながら、ロアは「なにやってるんだろう」とため息をつく。
胸の動悸は朝よりひどくなっていた。
(あのバカップル……勘弁してよ……)
マリアを直視しないようにしてなんとか平静を保とうとしていたのに、視線を外した先であんなイチャイチャぶりを見せられてはたまったものではない。
大体、かき氷の上にかかっている赤いベリーソースを見ただけで吸血行為を思い出して興奮したのに、そこでキスシーンなんて見せられたら正直辛い。
自分だって、
あの白い肌に唇を落として。
自分のものだと見せつけて。
叶うなら、その唇を
(……いやいやいやいや、もう末期じゃない?)
平常時ならベリーソースを見たぐらいで興奮しないし、他人のキスシーンを見せられたくらいでここまで動揺しない。手だって、触れそうになっただけでスプーンを飛ばすなんて。
触れたら一体どうなるのか。
(触れないようにしなきゃ……!)
ロアは決死の覚悟でマリアの元に戻った。
** *
(信じられません)
マリアは大変不服だった。
スプーンを飛ばして以降、ロアの態度がさらによそよそしくなって、挙句避けられているような気にもなるほど、接触を拒むようになったのだ。
スライダーに挑戦しようと誘っても、
「下で見てるから、行っておいで」
と言うし、流れるプールで一緒にフロートに乗ろうと誘っても
「私はフロートの下で沈んでるよ」
などと意味不明なことを言うし。
さらには。
「……ごめん、ちょっと疲れちゃったから、先に部屋に戻るよ。マリアはもっといっぱい楽しんで」
そう言い残して、彼女は更衣室へと先に戻っていってしまったのだ。
信じられない出来事に、マリアはしばし呆然とプールサイドに立ちすくんでいた。が。
「……もう!」
冷静になろうとするほど煮えたぎるはらわたを抱えて、マリアも更衣室へと向かった。
更衣室に入ると、カーテンの引いてある個室はひとつもなかった。
脇で、シャワーの水音が聞こえる。
更衣室のすぐ隣がシャワールームになっているのだ。
マリアはシャワールームの扉を開く。
シャワールームの構造も更衣室と同じで、カーテンを引いて個室にするものだった。
まだ遊び終えるのには早い時間なせいか、カーテンが引かれているのは最奥の1つだけだ。
マリアは躊躇わず、カーテンを開けた。
「ロア‼」
「どぅわ!? マリア!?」
突然カーテンを開けられたことに驚いたのか、ロアは目を真ん丸にしてマリアを見た。
頭上から降り注ぐシャワーを気にも留めず、マリアは一歩踏み込みロアに迫る。
「具合でも悪いんですか?」
「えっ、いや、そういうわけじゃないんだけどっ」
そう言いながらも、マリアから距離をとろうとロアは壁際に寄っていく。
それを見たマリアは栗色の瞳を悲しげに曇らせた。
「……じゃあどうして自分だけ帰ってしまうんですか。『楽しみにしてた』って言ってたのに……」
そうこぼしたマリアの声は、随分か細いものになっていた。
「マリア……」
「『楽しんで』って言われても、ひとりで楽しめるわけないじゃないですか! 貴女と一緒だから楽しみにしてたのにっ、……ロアの馬鹿!」
そう叫んだ頃には、マリアの声は完全に裏返っていた。
こんなところで泣くなんて情けないと、マリアが踵を返そうとした、その時。
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