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「もしもし? 父さん?」
『聖! 美聖の目が覚めた……これから病院に来られるか? 聖に会いたがっている』
(美聖の目が覚めた……? 時也さんが不幸になったから? 時也さんの代わりに美聖が目覚めた? じゃあ、時也さんは――)
「……わかった。すぐ行く」
電話を切ると、真夜くんが「どうしたの?」と潤んだ瞳を向けてきて、宇大さんも神妙な顔で俺を見つめた。
「姉の意識が戻ったみたいで……すみません、これから病院に行ってきます」
「時也さんが不幸になったから、お姉さんは目覚めたの?」
真夜くんがつぶやいた言葉に、俺は心臓を鷲掴みにされたように胸がギュッと絞りあげられた。
(美聖の代わりに時也さんが連れていかれる……?)
「お姉さんが目覚めたからって時也さんがどうこうなるわけじゃない。むしろ、お姉さんが目覚めたのはいい兆候じゃないか。聖くんはお姉さんを殺さなかった。時也さんだってきっと目覚めるはずだ。だから真夜も聖くんのせいにするのはやめろ。少しは聖くんの気持ちを考えろ」
宇大さんの言葉に、真夜くんは瞳を潤ませながら「ごめん……聖くん。八つ当たりして。お姉さんが目覚めたってことはきっと時也さんも目覚めるよね。俺も信じる」と呟いた。
***
個室の病室を開けるとベッドに半身を起こした美聖と、傍らに父さんが座っていたから、ベッドに近付いてか「……美聖」と声を掛けた。
すると、美聖がどこまでも昏く冷たい視線を俺に投げ掛けて「ねぇ……私の目が覚めたってことは、時也に不幸でも起こったの? 時也の心は聖から私が連れ去って私だけのものにするつもりだった。なのにどうして私が目覚めるの? 時也は? 時也はどうしてるの?」と、淡々とした声を出した。
「時也さんは……『ネロック』が火事になって意識不明なんだ……」
と、発した瞬間――。
美聖がベッドから乗り出して俺の首に手を掛けた。
「この疫病神! 絶対に許さないんだから! 死になさいよ!」
ぎりぎりと首を絞められて、慌てて父さんが「美聖っ!」と美聖の腕を放そうとするけれど、どこにそんな力があるのかと思うくらいの力強さだった。
「……ご、め……ごめ、ん……み、さ……と」
(このまま美聖に殺されるのが俺の罪滅ぼしかな……)
意識が急速に白み始める――。
『聖! 美聖の目が覚めた……これから病院に来られるか? 聖に会いたがっている』
(美聖の目が覚めた……? 時也さんが不幸になったから? 時也さんの代わりに美聖が目覚めた? じゃあ、時也さんは――)
「……わかった。すぐ行く」
電話を切ると、真夜くんが「どうしたの?」と潤んだ瞳を向けてきて、宇大さんも神妙な顔で俺を見つめた。
「姉の意識が戻ったみたいで……すみません、これから病院に行ってきます」
「時也さんが不幸になったから、お姉さんは目覚めたの?」
真夜くんがつぶやいた言葉に、俺は心臓を鷲掴みにされたように胸がギュッと絞りあげられた。
(美聖の代わりに時也さんが連れていかれる……?)
「お姉さんが目覚めたからって時也さんがどうこうなるわけじゃない。むしろ、お姉さんが目覚めたのはいい兆候じゃないか。聖くんはお姉さんを殺さなかった。時也さんだってきっと目覚めるはずだ。だから真夜も聖くんのせいにするのはやめろ。少しは聖くんの気持ちを考えろ」
宇大さんの言葉に、真夜くんは瞳を潤ませながら「ごめん……聖くん。八つ当たりして。お姉さんが目覚めたってことはきっと時也さんも目覚めるよね。俺も信じる」と呟いた。
***
個室の病室を開けるとベッドに半身を起こした美聖と、傍らに父さんが座っていたから、ベッドに近付いてか「……美聖」と声を掛けた。
すると、美聖がどこまでも昏く冷たい視線を俺に投げ掛けて「ねぇ……私の目が覚めたってことは、時也に不幸でも起こったの? 時也の心は聖から私が連れ去って私だけのものにするつもりだった。なのにどうして私が目覚めるの? 時也は? 時也はどうしてるの?」と、淡々とした声を出した。
「時也さんは……『ネロック』が火事になって意識不明なんだ……」
と、発した瞬間――。
美聖がベッドから乗り出して俺の首に手を掛けた。
「この疫病神! 絶対に許さないんだから! 死になさいよ!」
ぎりぎりと首を絞められて、慌てて父さんが「美聖っ!」と美聖の腕を放そうとするけれど、どこにそんな力があるのかと思うくらいの力強さだった。
「……ご、め……ごめ、ん……み、さ……と」
(このまま美聖に殺されるのが俺の罪滅ぼしかな……)
意識が急速に白み始める――。
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