その火遊び危険につき~ガチで惚れたら火傷した模様~

ちろる

文字の大きさ
25 / 85

25

しおりを挟む
 荒い呼吸を整え合って、ぬめりを帯びた真夜まやの中から萎えた自身を引き抜くと、ぼうっとかすみがかっていた頭が次第にクリアになってきて――。

「悪い、真夜……大丈夫だったか?」

 まだ快楽の熾火おきびを残しているのかほうけた瞳をとろんと潤ませている真夜は何も返事をしなかった。

 ただ、俺のニットの胸元をギュッと掴んで静かに肩を震わせ始めるから、泣いているんだろうことがわかって焦って背を撫でる。

(やばい……本気で最後までヤッてしまうとは思わなかった……。真夜もそう思っているのだろうか……)

「泣くな、真夜。俺が悪かった……。気持ちも定かじゃないまま勢いで抱いて……悪い……」

「ねぇ……。同情だった? 宇大うたくんを居場所にすればいいって――本心だった?」

 あれだけ誘惑しておいて、いざ抱いたら同情とはどういう意味だ?と瞠目どうもくしていると、そっと真夜が身体を離した。

「真夜……? どういう意味だ?」

「そのままの意味だよ。本気で俺のために言ってくれた?」

 その言葉に俺は何も言えなくなってしまった。

 真夜の性依存や、毎日違う人でもいいからそばにいて欲しいと言ったあの言葉に俺は庇護欲をそそられて、守ってやれたら、理解者になれたら……と思った。

 でも九条くじょうさんに嫉妬した気持ちも本当だったから、これは真夜にほだされて俺も好きになったのかもしれないとも思った。

 けれど、抱いてしまった。

 あまりにも真夜に対して失礼だ。

 居場所が無いと泣いた真夜に、俺を居場所にすればいいと言ったのは本心からで、決して同情ではない。

 同情ではないが――。

 男を受け入れる覚悟が、真夜の辛さを受け入れる覚悟が、真夜を最後まで責任を取る覚悟が出来ていたのかと問われれば、己の考えは明らかに浅慮せんりょだった、と思う。

 ゆっくり立ち上がった真夜が「シャワー借りるね」と力無く微笑んで振り返った臀部でんぶを見て目を見開いた。

 無数の煙草を押し付けられたであろう痕があったのだ――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜

たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

処理中です...