その火遊び危険につき~ガチで惚れたら火傷した模様~

ちろる

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――こんなことをするつもりじゃなかった。

 そう言い訳しても誰が信じられるかといううずくま真夜まやの冷たい身体と、床で跳ねまわった挙句に我に返った己のようにただ静かに冷水を噴き出し続けるシャワーの音にたちまち青褪あおざめて。

「……真夜……」

 真夜が蹲ったまま顔だけをこちらに向けて来て、その瞳からは胸が締め付けられそうなおびただしい涙と、キスで嚙み切った唇に血液が滲み、吐しゃ物が付着していた。

「……ごめんね、宇大うたくん」

「――何でお前が……」

 何で真夜が先に謝るんだ。
 今すぐ抱きしめて、その涙を拭って、その赤く腫れた唇を優しく包み込まなきゃいけない俺より先に謝られてしまったら俺はどうすればいいんだ。

「騙したことは謝るよ。でも……これで気が済んだでしょ? 俺が負わせた火傷……もう治った? まだ治んないならいくらでも突っ込んでいいよ。俺も宇大くんに最低なことしたって思ってるから」

 それだけこぼして打ち震えていた真夜を抱きしめてやろうと思ったら不意にバスルームの扉が開いて――。

「真夜? 宇大? ここか?」

 時也ときやさんの声が聴こえてシャワーブースがノックされる音に、俺は冷や汗がしたたりそうになったが、身なりを整えて潔く解錠した。

 扉を開いた時也さんが絶句していた。

 蹲って白濁に汚れた背中と血液が伝う太腿を晒している真夜と、呆けたように立ち尽くす俺の姿に、どちらに非があったかなど一目瞭然で。

「真夜……身体流してこい」

 時也さんがそれだけ呟いて俺の腕を引いてブースの扉を閉めるなり、容赦ない力で思い切り頬を殴られた。
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