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「前に居たセフレって……?」
俺が怖々と尋ねると理生がちょっとだけ戸惑った顔をした。
その表情に何だか胸がざわざわと騒ぎ立てて。
「馨……怒りません?」
怒る? 怒るって何?
どういう意味?
俺が怒る相手って──。
「怒るって……どういう意味? 俺も知っている人なの?」
理生が何かを言い出しにくそうに俺から視線を逸らすから。
ますます胸が波立って。
一寸、間を開けて理生が諦めたような顔でポツリと呟いた。
「……計良先輩です」
頭を何か鈍器で殴られたかのように思考が裁ち切られた。
──計良くんが理生の元セフレ?
生徒会室で、あんなに自然にやり取りしていたのに? 理生は、計良くんを抱きながら俺のことも手を出していたの?
理生が事故に遭ったと言った日の計良くんのあの挑発的な目は、そういう意味があったの? 事故に遭ったことを知っていたのも? 二人で俺を揶揄っていたの?
「俺は……理生と計良くんに揶揄われていたの?」
すると理生が珍しく狼狽えて。
俺の頬に両手を当ててブンブンと必死な様態で首を横に振った。
「違っ……! 僕は本当に馨のことが好きなんです! 計良先輩はたまたま……」
「たまたま、何?」
自分でも驚く程、冷淡な声が出た。
理生がぎゅっと俺を抱きしめてくる。
「計良先輩には誘われたから応じていただけです。僕が本当に抱きたいと思ったのは……好きなのは、馨だけだから。馨を初めて抱けたあの日、関係を解消してもらいました」
俺の双眸から、知らず知らず涙の粒が頬を濡らした。
何の涙だろう。
何の感情だろう。
わからなかった。
俺は理生の腕を無理やり振り払うと身なりを整えて部屋を出て廊下に出た。
後ろから追いかけて来る気配を感じて、そっと振り返った。水気を含んだ瞳で理生を真っ直ぐ見つめる。
「理生。俺は本気だったのに、理生は違ったの?」
「本気ですよっ!」
じゃあ、何で、計良くんに使った道具を俺に使うような真似が出来る?
俺が怖々と尋ねると理生がちょっとだけ戸惑った顔をした。
その表情に何だか胸がざわざわと騒ぎ立てて。
「馨……怒りません?」
怒る? 怒るって何?
どういう意味?
俺が怒る相手って──。
「怒るって……どういう意味? 俺も知っている人なの?」
理生が何かを言い出しにくそうに俺から視線を逸らすから。
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「……計良先輩です」
頭を何か鈍器で殴られたかのように思考が裁ち切られた。
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すると理生が珍しく狼狽えて。
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「違っ……! 僕は本当に馨のことが好きなんです! 計良先輩はたまたま……」
「たまたま、何?」
自分でも驚く程、冷淡な声が出た。
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何の涙だろう。
何の感情だろう。
わからなかった。
俺は理生の腕を無理やり振り払うと身なりを整えて部屋を出て廊下に出た。
後ろから追いかけて来る気配を感じて、そっと振り返った。水気を含んだ瞳で理生を真っ直ぐ見つめる。
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