神様になれる学校【神技神術学校】第1SEASON

名探偵プリンス

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第1章 失われた命

2 ゼギウス府全滅

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カチン!(止まっていた時が再び動き出す音)



ナギサ「お許しください!どうかあの子だけは・・・あの子だけは殺さないで!」

マモル「お願いいたします!どうかお願いいたします!」


止まっていた時間が再び動き出した! 神が時間を再会させたのだ!


ナギサとマモルは、泣き叫んで懇願しながら、天刑台にのせられていく・・・・


タカト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


タカトは、もう涙も枯れていた・・・・

ただただ無表情だった・・・・

果たして、彼は先程の神との話で、どちらを選択したのか?


カホ「タカト・・・」

カホは、絶望で呆然とするタカトを見て涙が出そうになる・・・・


カホ「タカト、心配しないで・・・一緒に死のう・・・・あなたを1人で死なせないから・・・」


カホはこれが最後だと思い、優しくタカトに寄り添おうとする・・・


だが、タカトは暗い表情のまま・・・周りを見る・・・・警備の兵士は両親の死刑執行に気をとられている・・・・


そして、タカトもカホも両手を縄で縛られている・・・・


タカト「カホ・・・・・・逃げるぞ!」


そう言った瞬間、タカトは、警備の騎士の隙をつき、カホに体当たりして一緒に階段から転げ落ちる!

カホ「きゃ!!」


ドスン!

2人は地に転がった!!

だが、痛がってる暇などない!


タカト「走れ!」

階段から転げ終わると、カホに走るように必死で促すタカト・・・・


騎士「あ、ガキどもが逃げたぞ!追え!追えー!」

騎士「何をしてる!庶民共!あのガキどもを捕まえたら報奨金を与えるから、ぼさっとせず早く捕まえろ!」

騎士「子供たちを逃がしたら、神様から天罰が下るんだぞ!」



政府軍の騎士だけではなく、街の庶民たちも、逃げる2人を追いかける! 


その姿を、涙を流して見守るナギサとマモル・・・・

マモル「それでいい・・・それでいい・・・・・・タカト、カホ・・・・」

ナギサ「2人とも・・・・必ず生き残るんだよ・・・」


それが、両親の最後の言葉だった!

怒りに任せた騎士たちが槍を、マモルとナギサに振り下ろす!


ドス!ドス!



タカト「はあ!はあ!」 カホ「はあ!はあ!」


必死に追手から逃げるタカトとカホ・・・・

タカトは、頭の中で『神と話した時間』を思い出していた・・・


神「両親を犠牲にしたら、お前は天刑台から飛び降りろ!そうすれば逃げられる!必死に走るがいい・・・・そうすれば、お前が助かる運命へと転がる・・・・」


タカト「ごめん・・・・父さん、母さん・・・・・」


走っているからではない・・・・

タカトは、胸が苦しく締め付けられるような罪悪感と、己の無力さに、血がにじむほど握り拳を作った・・・・




その時だった!

ドオオオオオオ!


突然、ゼギウス府が恐ろしい爆発に見舞われた!


天刑台がある方向からだ!


「な、なんだ・・・・何が起こった・・・・」


2人を追っていた庶民も騎士たちも、大爆発に思わず足が止まる・・・・・



その爆発は、この世の終わりを示していた・・・・・

爆発地点に現れたのは、無数の巨大な【神獣】たちだった・・・・・


ドラゴン・・・・バジリスク・・・・不死鳥・・・・神虎・・・・巨大カブト・・・・三面怪獣・・・・などの様々な神獣たち・・・・


これらの【神獣】は、神々が化け物に姿を変えた形である・・・


登場した爆風だけで、その一帯の家屋は崩れ去っていた・・・・



民衆たち「お、おい!あれは・・・」



空の上には、巨大なUFOのような円盤が・・・・

その円盤の中から、背中に巨大な羽根を持ち、顔が彫刻のように美しい半裸の美青年たちが槍と剣を持って、無数に地上へと降りてくる・・・・


天使だ!天使軍だ・・・・



そうだ!400年前の終末戦争の時もそうだった・・・


数多くの巨大な神獣たちが、人類文明を粉々に破壊し

逃げ惑う人類を、天使軍が殺戮する・・・


そう歴史書に書かれていた・・・・



世界終末時計の針を遅くする方法は・・・・子供をイケニエとして差し出すこと・・・


だが、その子供を逃がせば、人類は、神に対してそれ相応の代償を払わなくてはならない・・・それが【3022年 生贄の約束】条約での決まりだった!


今、条約が破られ、その時がやってきたのだ!



自分たちのせいで、みんなが死んでいくことになり、恐ろしい罪悪感と絶望に襲われるタカトとカホ・・・・


だが果たして、タカトは本当に両親を売ることを選んでしまったのか?


そして、なぜカホも一緒に助かったのだろうか? 助かるのはタカトだけだったのでは?






場面は変わって、ここはゼギウス府から離れた人類政府国、第2の都市アキロスである。


そこでは、政府高官による緊急会議が行なわれていた・・・


「な、何!子供2人が逃げたことにより、ゼギウス府が全滅しただと!」

「勝手なことを・・・自分たちが逃げることで一体どれだけの人類が犠牲になると思っているのだ!」

「と、とにかく、まずは【神話部】に行き、神々に必死に謝罪をするのだ!そして、すぐにその子供2人を捕らえろ!地球に住む全人類に指名手配をしろ!」

「は!」



タカトとカホは、全人類に狙われる指名手配犯となってしまったのだ!





全滅のゼギウス府からなんとか逃げ延びたタカトとカホは・・・・


ゼギウス府とアキロス市の、ちょうどど真ん中にある山の密林を彷徨っていた・・・


あの惨劇から、かなりの時間が経った・・・・


もう一週間も、まともに風呂も食事もしていない・・・


日頃から親の手伝いで、木の実や山菜を取っていたから、それを取って飢えを凌いでいたが、所詮は街の子・・・・


何週間も山での生活に耐えられるわけがなかった・・・



酷く泣きじゃくるタカト・・・・

そんなタカトの背中をさすりながら、カホは冷静に状況を分析していた・・・


もう、私たちの手配書は、地球上全てに回っている頃だろう・・・例え、この山から逃げ延びたとしても、一体どこへ行けばいい?

多くの人の命を犠牲にして、それでも生き延びたというのに・・・

もしかして、このまま一生・・・・・


カホは冷静な顔をしつつも、幾ら考えても絶望しかないこの状況に、心の中は混乱していた・・・



タカト「カホ・・・・・」

おもむろにタカトが、話し出す。

カホ「うん?」

タカト「もし、俺が父さんと母さんを死に追いやった犯人だったらどうする?」

カホ「え?」

タカト「もし、俺が父さんと母さんを見捨てて、自分の命を選んだとしたら・・・」

カホ「タカト、それは私も同じ・・・・あなたと一緒にナギサ叔母さんとマモルおじさんを見捨てて逃げた・・・・あなたも私も、みんなの敵・・・・人類の敵なの・・・」

タカト「そうじゃない!そうじゃないんだ!」

カホ「あの状況なら、誰だってみんな自分のことを第一に考えて逃げようとする・・・・だって自分が死ぬのは怖いもの・・・仕方ない・・・私は自分もタカトも責める気にはなれない・・・」

タカト「そうじゃないんだ!」


タカトは、そこら一帯の緑に響き渡るような悲痛な声で叫ぶ!


カホ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黙るカホ・・・・

タカト「俺は、俺以外の人類はみんな心が弱いから、神なんてくだらない偶像にすがりつくと思っていた・・・・
でも一番心が弱いのは俺だったよ・・・・そうさ、俺は自分が可愛いだけだったんだ・・・口だけの・・・
どうしようもない、生意気なクソガキさ・・・・」


カホは、泣きじゃくり目を真っ赤に充血させ、狂ったように言うタカトを慰めるように、自分の考えを言った・・・・


カホ「みんながみんな・・・誰かのためとか、社会のため、人類のためとかを・・・考えられるわけじゃない。 
みんなその日の自分の命を守るだけで精一杯・・・ 

どれだけ美しい大儀や理念を掲げても、人の【生きたい】という本能を簡単に押し曲げることはできないはず・・・・ 

でも、子供を守りたいと迷わず犠牲になってくれた親がいるなら、私たちは【生きたい!】を貫き通さなきゃ・・・・・例え、誰かの命を踏み台にしてでも・・・・」


タカトは、カホのその言葉にハッ!っとする・・・・




その時だった!


ドン!


2人がいる森が大きく揺れたかと思うと、巨大な怪物の恐ろしい足音が聞こえてきた・・・・


タカト「うわあ!」



2人の目の前に現れたのは、アジダハーカと呼ばれる、3つの首を持つ巨大な毒竜だった・・・・いわゆる神獣の一種だ。





その毒を浴びた人間は、恐ろしい痛みに苦しみながら死んでしまうらしい・・・・


植物も一気に枯れ果てる猛毒だ・・・・


終末戦争時、人類軍も、神々が化けるこの神獣に随分苦しめられた・・・・



タカト「に、逃げろ!」 

2人は必死で、その場を逃げようとするが、アジダハーカの巨体とスピードに、人間ごときが叶うわけがない・・・・

しかも【神獣】とは神々が化け物に姿を変えたものだ・・・・

つまり2人は神に追いかけられているのだ!


一気にアジダハーカの長い首に距離を詰められ、2人が食われそうになるその時だった!


まるで、一陣の風のように、アジダハーカの首に通り過ぎた影があった!


!!


だが、その姿は一瞬も見えない!


な、なんだ・・・・・


代わりに、アジダハーカの腹には深くえぐれた斬り傷がついていた・・・・・首に攻撃されたと思ったアジダハーカは、どこに敵がいるかわからず戸惑う!



「おい、そこのガキ共、今からこいつの猛毒が飛び散るから、そこを離れろ!浴びたら死ぬぞ!」


そうタカトとカホに呼びかけるクールな声が聞こえる!


その声が聞こえたと、同時に円のように何かが回転して、アジダハーカの首が3つとも斬り落とされた!


バシュ!


たった一瞬の出来事だった・・・


ドオオオオオオ!


首を斬り落とされたアジダハーカの巨体が、地面を揺らして倒れ込む・・・・・タカトとカホは、地面から伝わるその振動に思わず身体が揺れる・・・



「てめえらか・・・・人類の敵ってのは・・・」


アジダハーカを倒し、今その巨大な遺体の上に立つのは、小柄で、ダイヤのような綺麗な瞳を持ったベビーフェイスの美青年だった・・・・

甲冑に身を包んだ騎士の姿をしている・・・・そして、右手には巨大な剣・・・・・赤いマントを着ている。

も、もしかして政府軍の人間だろうか?

政府軍の兵士が、いよいよ2人を捕まえに来たのか??

この美青年騎士の正体は一体??






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