異世界ひとり歩き～不思議な招待状～

＜試し読み＞ ０８ 魔法道具店

　店内に足を踏み入れたあなたは、目を見開いて不思議な商品の数々を眺めた。
　かなり専門性の高い、マニアックな品(しな)揃(ぞろ)えのようだ。商品だけではなく、店内にいる客たちがそれを物語っている。彼らは奇妙な形のアクセサリーや道具を身に着け、個性的なオーラを纏(まと)っていた。一見して、深く濃く真剣に、何かを追求する性質が窺(うかが)える。
　あなたはいたって普通の恰好をしている自分が場違いではないかと気にしたが、周囲の人たちの方は、まったくあなたを気にしていないようだ。
　あなたはホッとして、引き続き店内を見て回ることにした。

　あなたは店の一角で足を止めた。目の前に並んだ商品はまるで標本箱のようだ。いずれも珍しい素材が詰まっている。
　よく見ると、それらのアイテムの中で何かが動いている。生きているみたいだ。
　あなたは品物に添えられた説明書きを興味津々(きょうみしんしん)で読み始めた。
「なになに……『高濃度圧縮宇宙シリーズ・長期育成用、短気な人には不向き』って書いてある……」
　どうやらこれらは、宇宙を育てるための種のようなものらしい。

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試し読みはここまでです。
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