1 / 2
スノーホワイト
しおりを挟む
スノーホワイト
「あっくん、ミニマリストって知ってる?」
対面したファミレスの席で、彼女が目をキラキラさせて身を乗り出す。両手に掴むメロンクリームソーダが、彼女の起こした振動でシュワッといい音をさせた。
「ミニマリスト?もの少なく持つ奴?」
コーラのストローをくるくる回して聞き返すと、そうそう!と彼女ーあやのはにっと笑った。
「ネットで見つけてさ!すっごくあたしの好みなの!」
ね、ほら、みてみて!とスマホを掲げてくる。
そこであれ、と思った。
今まで剥き出しのスマホ派だったのに、いつの間にか純白の手帳型カバーを付けてら。
「ほーん、真っ白やね」
買ったのかなと疑問は抱きつつ、画像の方へ注視する。なんだか味気ない引っ越ししたてのような部屋が広がっている。
「ちょーキレイじゃない?!」
「かたづいてんな」
異常なくらいに、という文句はコーラで飲み込む。
「あたしの部屋も白くしたいなぁー」
俺の反応が薄いのに頬を膨らませてスマホを引っ込めたあやのは、うっとりしたように画像をスワイプしていく。
ひゃーやばー!と好みの部屋でも見てるのか、もだえる様が可愛い。
はやく入場制限解除されたらいいな、とファミレスの外のレジャー施設の入り口を見やった。
今日はあやのと遊園地デートなのだった。
二人は前売り券のチケットを買ったのに、出発時刻が問題だったのか、入場制限で足止めを食らっていた。
ヤバいなとあやのを見れば、ファミレスで時間潰そっか、と穏やかな対応をしてくれた。
激怒されなくて良かった、と胸をなで下ろしたものの、流石に1時間もファミレスにいると、もう少しはやくたどり着けるようにすれば良かったと思う他ない。
「ね、帰りにさ、ホームセンター寄ってこ?あたし、白いペンキ欲しい」
遊園地に滑り込めたのは、それから1時間も後だった。
フリーWi-Fiエリアのためあれからずっとスマホをいじっていたあやのは、しきりにスクリーンショットをしてお気に入りのミニマリストの画像を保存していた。
「いいけど、開いてるかな」
もう帰りの話しか、と思いつつ生返事する。俺達はまだ入場もしてない。
「あ、ごめんなさい」
チケットを握る俺と、ゲート前で慌ててチケットを取り出すあやの。
俺、この遊園地デート、楽しみにしてたのに。
「あっくん、ミニマリストって知ってる?」
対面したファミレスの席で、彼女が目をキラキラさせて身を乗り出す。両手に掴むメロンクリームソーダが、彼女の起こした振動でシュワッといい音をさせた。
「ミニマリスト?もの少なく持つ奴?」
コーラのストローをくるくる回して聞き返すと、そうそう!と彼女ーあやのはにっと笑った。
「ネットで見つけてさ!すっごくあたしの好みなの!」
ね、ほら、みてみて!とスマホを掲げてくる。
そこであれ、と思った。
今まで剥き出しのスマホ派だったのに、いつの間にか純白の手帳型カバーを付けてら。
「ほーん、真っ白やね」
買ったのかなと疑問は抱きつつ、画像の方へ注視する。なんだか味気ない引っ越ししたてのような部屋が広がっている。
「ちょーキレイじゃない?!」
「かたづいてんな」
異常なくらいに、という文句はコーラで飲み込む。
「あたしの部屋も白くしたいなぁー」
俺の反応が薄いのに頬を膨らませてスマホを引っ込めたあやのは、うっとりしたように画像をスワイプしていく。
ひゃーやばー!と好みの部屋でも見てるのか、もだえる様が可愛い。
はやく入場制限解除されたらいいな、とファミレスの外のレジャー施設の入り口を見やった。
今日はあやのと遊園地デートなのだった。
二人は前売り券のチケットを買ったのに、出発時刻が問題だったのか、入場制限で足止めを食らっていた。
ヤバいなとあやのを見れば、ファミレスで時間潰そっか、と穏やかな対応をしてくれた。
激怒されなくて良かった、と胸をなで下ろしたものの、流石に1時間もファミレスにいると、もう少しはやくたどり着けるようにすれば良かったと思う他ない。
「ね、帰りにさ、ホームセンター寄ってこ?あたし、白いペンキ欲しい」
遊園地に滑り込めたのは、それから1時間も後だった。
フリーWi-Fiエリアのためあれからずっとスマホをいじっていたあやのは、しきりにスクリーンショットをしてお気に入りのミニマリストの画像を保存していた。
「いいけど、開いてるかな」
もう帰りの話しか、と思いつつ生返事する。俺達はまだ入場もしてない。
「あ、ごめんなさい」
チケットを握る俺と、ゲート前で慌ててチケットを取り出すあやの。
俺、この遊園地デート、楽しみにしてたのに。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる