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第四十四話:我は魅力的な魔族のお姉さんだ
魔王との戦いを止めてしばらくの時間が経った。
「勇者はそろそろ起きたか?」
魔王がやきもきして聞いてくる。
「カイトの耐久力は並だからな。精神的にもやられてるし時間がかかるかもな」
そんなことを言っていると、カイトが動き始めた。
「う、う~ん。僕は魔王に歯が立たなくて……それからどうなったんだ?!」
ガバっと一気にカイトは起き上がった。
「勇者、今まで気を失っていたのだから急に動くのはよくない」
コメットがカイトを心配する。
「ああ、コメット大丈夫だよ、意識が戻れば聖気で傷は癒せるから」
なるほどカイトの獅子奮迅の活躍は自己治癒能力があったからなのかと俺は納得した。
「あ、テッペイさん無事だったんですね魔王はテッペイさんが倒したんですか?」
カイトが俺を視界に収めて聞いてくる。
「ん?魔王か、魔王を倒すわけないだろう俺は勇者じゃないんだから」
「え?それではあの好戦的だった魔王はどこへ……」
カイトは周囲を見渡し、そして一点を見ると固まった。
「ま、魔王!」
カイトは立ち上がり警戒した。
「勇者よ!我は魔王ではない!ちょっと強すぎただけの魅力的な魔族のお姉さんゼノヴィアだ!」
魔王、改めゼノヴィアは聞いている方の頭がおかしくなるような自称をし始めた。
《テッペイのカニに比べたらまともな自称ですよ!魔王としてはどうかと思いますが》
「えっと、そのあなたが魔王じゃなかったら、いったい誰が魔王なんですか!?」
カイトは戸惑いながらも目の前のゼノヴィアにはどう足掻いても敵わないので、とりあえず話を聞くことにしたようだ。
「では勇者よ聞こう、魔王とはなんだ!」
「え?人類の制圧をしようとする魔族の王様?」
「そうだな。だが我は人類の制圧など興味がない!ちょっと魔族の中で一番頑丈な家に住んでいて、一番強かっただけだ!」
「それを魔王って言うのでは……」
「いや、我は人類侵略計画も立ててないし、軍を作ったこともないぞ!ちょっと頑丈な家を話し合いの場所として貸していただけだ!」
「いやでも僕以外の転生勇者を返り討ちにしてますよね?」
「ワンパンで城外に追い出してただけだ!いきなり自分の家に武装した暴漢がきたら追い払うのは当たり前だな?」
「でも、この部屋の前に居た魔将軍のガイラスが魔王様は我らとは違うとか言ってたし」
「ガイラスそんなこと言ってたのか?」
ゼノヴィアはちらりとシオンの傍に居るガイラスを見た。
「え?あ、俺様ちょっと負け惜しみで自分より強い奴がいるってのを魔王って言っちゃっただけ!そうただの負け惜しみだから!」
ガイラスは体の炎の勢いが弱まるほど、ものすごく慌てて言い訳をしていた。
「勇者よお前も転生者なら裏ボスとか言う概念を知っているだろう。我はそれだ!そしてお前は魔王ザルコウを既に倒して世界に平和を取り戻しているのだ!」
ゼノヴィアはダメ押しとばかりに言い放った。
「それだと、コメットはどうなるんだ!魔王を倒すため人型にされてまで僕のところに来たのに、魔王がもう自力で倒せてたなんて……」
「勇者、私は魔王が結果的に倒せているのならば別に問題はない。それより絶望的な戦いをしなくてよかったと思っている。勇者、いやカイトあなたは良くやった。一緒に帰ろう」
「……コメット、君がそういうなら」
カイトは少し悔しそうだったが何とか飲み込んだようだった。
「うむ!聖剣の方は物分かりがいいな!勇者よザルコウの亡骸は魔王打倒の証としてきちんと持っていくのだぞ」
それを聞いた俺はすかさず提案する。
「運送は俺たちがやろう。メルティ防腐処理とかできるな?」
「バッチリよ~。生前より健康的に見せられるわよ~」
「そこまでする必要はないだろう。ちゃんと激戦で倒したままにしてやらないと説得力が下がる」
「それもそうね~」
「ああそうだ、カイト。帰りはお前もツーバイフォーに乗っていけ。そっちの方が帰還は早まるだろう」
「あの要塞ですねちょっと乗ってみたかったんですよね」
「中々乗り心地はいいぞ」
コメットがカイトに自身の経験を伝える。
「そうかコメットはテッペイさん達とアビスランドに来たんだったね」
「我も同乗するからな、勇者よ」
「え!?どうして……」
「何故って我は既にテッペイの下僕だからだ!」
「そんなのにした覚えはないぞ」
「いかがわしいのじゃ!」
「お色気担当になろうとしてるわね~」
「骨は凄い立派なのに……」
「ゼノヴィアさんは何か水とか出したりできるのかな……雑用仲間になると嬉しいんだけど」
仲間たちが各々の感想を述べる。
「我々骨になっていてよかったですね」
「組織のトップだと思ってたのがこうだもんな」
炭から蘇ったシグルド君たちにすら呆れられるゼノヴィアの華麗なる?転身であった。
《姉さん的にはこれでいいのかな……まあちゃんと確認しないだろうしいいのかな》
こうして俺たちの聖剣配達任務兼魔王討伐は幕を閉じた。
なんだかんだ勇者の名声を高められそうで俺は安心して帰路についた。
「勇者はそろそろ起きたか?」
魔王がやきもきして聞いてくる。
「カイトの耐久力は並だからな。精神的にもやられてるし時間がかかるかもな」
そんなことを言っていると、カイトが動き始めた。
「う、う~ん。僕は魔王に歯が立たなくて……それからどうなったんだ?!」
ガバっと一気にカイトは起き上がった。
「勇者、今まで気を失っていたのだから急に動くのはよくない」
コメットがカイトを心配する。
「ああ、コメット大丈夫だよ、意識が戻れば聖気で傷は癒せるから」
なるほどカイトの獅子奮迅の活躍は自己治癒能力があったからなのかと俺は納得した。
「あ、テッペイさん無事だったんですね魔王はテッペイさんが倒したんですか?」
カイトが俺を視界に収めて聞いてくる。
「ん?魔王か、魔王を倒すわけないだろう俺は勇者じゃないんだから」
「え?それではあの好戦的だった魔王はどこへ……」
カイトは周囲を見渡し、そして一点を見ると固まった。
「ま、魔王!」
カイトは立ち上がり警戒した。
「勇者よ!我は魔王ではない!ちょっと強すぎただけの魅力的な魔族のお姉さんゼノヴィアだ!」
魔王、改めゼノヴィアは聞いている方の頭がおかしくなるような自称をし始めた。
《テッペイのカニに比べたらまともな自称ですよ!魔王としてはどうかと思いますが》
「えっと、そのあなたが魔王じゃなかったら、いったい誰が魔王なんですか!?」
カイトは戸惑いながらも目の前のゼノヴィアにはどう足掻いても敵わないので、とりあえず話を聞くことにしたようだ。
「では勇者よ聞こう、魔王とはなんだ!」
「え?人類の制圧をしようとする魔族の王様?」
「そうだな。だが我は人類の制圧など興味がない!ちょっと魔族の中で一番頑丈な家に住んでいて、一番強かっただけだ!」
「それを魔王って言うのでは……」
「いや、我は人類侵略計画も立ててないし、軍を作ったこともないぞ!ちょっと頑丈な家を話し合いの場所として貸していただけだ!」
「いやでも僕以外の転生勇者を返り討ちにしてますよね?」
「ワンパンで城外に追い出してただけだ!いきなり自分の家に武装した暴漢がきたら追い払うのは当たり前だな?」
「でも、この部屋の前に居た魔将軍のガイラスが魔王様は我らとは違うとか言ってたし」
「ガイラスそんなこと言ってたのか?」
ゼノヴィアはちらりとシオンの傍に居るガイラスを見た。
「え?あ、俺様ちょっと負け惜しみで自分より強い奴がいるってのを魔王って言っちゃっただけ!そうただの負け惜しみだから!」
ガイラスは体の炎の勢いが弱まるほど、ものすごく慌てて言い訳をしていた。
「勇者よお前も転生者なら裏ボスとか言う概念を知っているだろう。我はそれだ!そしてお前は魔王ザルコウを既に倒して世界に平和を取り戻しているのだ!」
ゼノヴィアはダメ押しとばかりに言い放った。
「それだと、コメットはどうなるんだ!魔王を倒すため人型にされてまで僕のところに来たのに、魔王がもう自力で倒せてたなんて……」
「勇者、私は魔王が結果的に倒せているのならば別に問題はない。それより絶望的な戦いをしなくてよかったと思っている。勇者、いやカイトあなたは良くやった。一緒に帰ろう」
「……コメット、君がそういうなら」
カイトは少し悔しそうだったが何とか飲み込んだようだった。
「うむ!聖剣の方は物分かりがいいな!勇者よザルコウの亡骸は魔王打倒の証としてきちんと持っていくのだぞ」
それを聞いた俺はすかさず提案する。
「運送は俺たちがやろう。メルティ防腐処理とかできるな?」
「バッチリよ~。生前より健康的に見せられるわよ~」
「そこまでする必要はないだろう。ちゃんと激戦で倒したままにしてやらないと説得力が下がる」
「それもそうね~」
「ああそうだ、カイト。帰りはお前もツーバイフォーに乗っていけ。そっちの方が帰還は早まるだろう」
「あの要塞ですねちょっと乗ってみたかったんですよね」
「中々乗り心地はいいぞ」
コメットがカイトに自身の経験を伝える。
「そうかコメットはテッペイさん達とアビスランドに来たんだったね」
「我も同乗するからな、勇者よ」
「え!?どうして……」
「何故って我は既にテッペイの下僕だからだ!」
「そんなのにした覚えはないぞ」
「いかがわしいのじゃ!」
「お色気担当になろうとしてるわね~」
「骨は凄い立派なのに……」
「ゼノヴィアさんは何か水とか出したりできるのかな……雑用仲間になると嬉しいんだけど」
仲間たちが各々の感想を述べる。
「我々骨になっていてよかったですね」
「組織のトップだと思ってたのがこうだもんな」
炭から蘇ったシグルド君たちにすら呆れられるゼノヴィアの華麗なる?転身であった。
《姉さん的にはこれでいいのかな……まあちゃんと確認しないだろうしいいのかな》
こうして俺たちの聖剣配達任務兼魔王討伐は幕を閉じた。
なんだかんだ勇者の名声を高められそうで俺は安心して帰路についた。
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