浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

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60話:浜辺に流れ着いていた3

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異世界生活六十二日目(続々)



わたしと土座衛門さんはヤッシーについて木を伐採しに来た。



「ヤッシー伐採に来たけど何に使うようなの?」



「木炭用っすよ~。最近は補充してなかったっすからね~」



「じゃあ、土座衛門さん見てるっすよ~どっせーい!」



バキャッ!



ヤッシーがいつもの調子でハサミで木を殴り倒していく。



「すごいな、堅いハサミで殴って伐採してるのかこれはとても真似できそうにないな」



「そうですよね、ヤッシー。土座衛門さんは素手で殴り倒すのは無理だって……」



「いや俺にはわかるっす!土座衛門さんの目はやれると言ってるっす!」



「ええ!?」



土座衛門さんは折れた手ごろな長さの木の枝を拾って握りしめていた。



「これぐらいの大きさならやれるか……」



次の瞬間。土座衛門さんの瞳が緑の光を帯びたように見えた。



ズバァッ!



土座衛門さんが木の枝を振り切ると見事に木が切り倒されていた。



「ええええ!!?」



「土座衛門さん凄いっすねーコメちゃんズみたいな魔法なんですかね~」



「えっとこの世界ってこういうの普通なのかな……」



「なんかできる気がしたんで、やってみたんだけどいけるもんだね!」



「土座衛門さんもよくわかってないでやってたの!?」



「あはは!メグミ!土座衛門さんおもしろいっすねー。この調子でバシバシ切った木を整えるっすよ~」



ヤッシーはハサミで器用に、土座衛門さんは木の枝で木を綺麗に解体していった。



「土座衛門さんの方が木を削らなくていいから、解体の効率はいいかもしれないっすね~」



「土座衛門さんヤッシーが褒めてます」



「ありがとう、ヤッシー。俺でもできる事が一つ見つかってよかったよ」



「ナイトくんより切る作業は上手いかもしれないっすね~」



伐採を通じて土座衛門さんとヤッシーは仲良くなったようだ。良かった。



「木炭用の木も確保できたみたいだし、一休みしてお昼にしよっか!」



「了解っすー」



「わかった」



ホールに戻って簡単なお吸い物と塩むすび、鰺っぽい魚の干物を用意する。



「はい、どうぞー」



「今日は、おむすびっすねー」



「拙者は塩なしですぞ!」



ケイちゃんもなぜか昼食に合流していた。



「海の物か……」



「土座衛門さん苦手でしたか?」



「いや、とても好きだが。なんだろうか自分は山育ちな気がしてきて」



「ふむふむ、土座衛門さんは山育ちと」



「海の物は師匠が好きだったなあ」



「土座衛門さんにはお師匠さんがいるんですか!?」



「師匠……そうか俺には師匠がいたのか……」



「ご飯で何か一つ思い出せたみたいで良かったですね!」



「でもぼんやりしてるな……後、師匠はめちゃくちゃカニが苦手だったような」



「それだとお師匠さんはここだと大変そうですね……」



「反応が面白そうな気はする」



「フフフ、お師匠さんのことは思い出せるんですねそこから何かほかに思い出しましたか?」



「いや、全然自分のことは思い浮かばないな。ああ、でもさっき小さいカニが火をハサミから出してたけど俺も火とか出せる気がする」



「コメちゃんズの魔法ですね、ということは土座衛門さんは魔法使い?」



「うーん、どうなんだろう、魔法使いなのかなあ」



「土座衛門殿が火を使えるなら陶器制作やガラス制作もできるかもしれませんな!」



「あ、ケイちゃんが陶器づくりやガラス作りできるのではって言ってます」



「そういえばここは器とかも随分文明的だと思ってたけど、自作してるのか」



「あ、はいカニさんたちの凄い技でいろいろ作ってもらっています」



「俺の頭の中のカニと比べると大きさだけじゃなくてできる事も随分違う……」



「大きなカニ……大きな器用なカニ……そんな知り合いがいた気がする」



「カニの知り合いがいるんですか!?」



「いたような、違うような、戦ったような……」



「あ、無理に思い出さなくていいですからね。でもカニの知り合いがいるならみんなに情報を集めてもらえば土座衛門さんを知ってるカニさんに出会えるかも!」



こうして土座衛門さんの記憶探しが一歩進んだかもしれないのだった。
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