浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

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61話:浜辺に流れ着いていた4

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異世界生活六十三日目



今日は土座衛門さんを窯業エリアに案内する。



わたしたちの丘のふもとに作られた土座衛門さんハウスを訪れる。



「土座衛門さーん、おはようございます。よく寝れましたか?」



「ん?ああ、よく寝れた。何もないところに一日で家と家具まで用意してもらってとても感謝してる」



「一緒に暮らす仲間なんですから、気にしない、気にしない!」



「そうですぞ!伐採の達人の土座衛門殿はもう十分貢献してますぞ!」



「あ、ケイちゃんが土座衛門さんを褒めてます」



「ああ、彼はケイちゃんというのか、俺を見つけてくれたのも君なんだよねありがとう」



「照れますぞ!」



ケイちゃんはハサミを振って喜んでいた。



「ケイちゃんは土座衛門さんが気に入ってるみたいです!」



「そうか、その好意に頑張って応えれるように今日も頑張るよ」



「今日は陶器作りの手伝いをしてもらいます!火の魔法を使えばなにか記憶に刺激があるかもしれませんし」



「ああ、記憶のことも常に気にかけてくれてありがとう。いい陶器ができるよう頑張るよ」



朝食を済ませて、窯業エリアへ向かう今日はナイトくんとセンシくんが付いてきている。



「二匹が窯業エリアに行くの珍しいね。今日はガラス切ったりとかしないと思うけど」



「俺は土座衛門の魔法が気になるだけだ。ナイトくんは普通にメグミの警護だと思うぜ」



「昨日はヤッシーがいましたが今日はいませんからね。あそこ丘から距離がありますし何かあってから駆け付けるのでは遅いので」



「もっともらしいこと言ってるけど二匹とも土座衛門さんを怪しんでいますぞ!土座衛門さんはいい仲間ですぞ!」



「まあまあ、ケイちゃん。二匹は心配するのが仕事みたいなものだから」



「むう、拙者は土座衛門さんを全力擁護しますぞ!」



ほんとに土座衛門さんを気に入ってるんだなケイちゃん……



窯業エリアにはいつも通りヤマトくんとホリくんがいた。



「コメちゃんズに続く火力源があるかもしれないと聞いてわくわくしていたぞ」



「フフフ、色んなガラスも作りたいからねコメちゃんズの負担が減るのはいいことさ。フフフ」



「あ、土座衛門さん、ホールで見かけたことあると思いますけど、こっちの目が長いのがヤマトくんで、たまごみたいな形なのがホリくんです。二匹とも土座衛門さんの魔法に興味津々みたいです!でもその前に土座衛門さんには土座衛門さんようの食器を形作ってもらいますね」



「ああ、あまり器用な方ではないが、自分で使うなら不格好な出来でも迷惑にはならなさそうだ」



ヤマトくんが陶器用の粘土をドカンと土座衛門さんの前に置く。



土座衛門さんは集中して粘土をこね始める。目が鉄色の光を放っているように感じる。



手を動かしてないのに、粘土が盛り上がり、美しい茶碗が形作られていった。



「メグミここで使う食器はこういう形であってるだろうか?」



「あ、はいお茶碗の形にちゃんとなってます。粘土をこねる魔法も使えるんですね」



「うーん、集中したら粘土がこの形になっていたからそういう魔法も使えるのか?」



「無意識なんですね……それはそれで凄い」



「いい形だ!ハサミで捏ねなくても作れるなんて便利だな!」



「あ、ヤマトくんも褒めてます」



「ありがとう」



「スベスベにしなくていいのは少しつまらないね。フフフ」



「ホリくんも褒めてるっぽいです。たぶん」



「君もありがとう」



「彼、日陰者の僕にはまぶしいよメグミ。フフフ」



ホリくんは砂に潜ってしまった。照れてるのかな。



「さて、じゃあ、窯に火を入れてみてくれ土座衛門さん!」



「土座衛門さん窯に点火してください」



「ああ、やってみる」



土座衛門さんは手ごろな流木を拾い集中する。瞳に赤い光が灯る。



魔法使うときはいつも目が光るんだなあ。



流木が青い炎に包まれ、瞬く間に炎の柱になった。



「え、あれ、ちょっと土座衛門さん熱くないのかな」



「見る限り、平気そうだな。こっちに伝わる熱気からコメちゃんズの熱線より凄いかもしれん」



「土座衛門さんちょっとそれは火力が強すぎるので抑えてくださーい」



「ん?そうか、わかった」



炎の柱の色が赤に変わり、窯の木炭に着火する。



ゴォォッ!



「火力を落としても凄い威力だな過剰だ」



「彼はあんなものを何に使っていたんでしょうね……」



「正直あんなの喰らったら俺らなんて黒焦げだぞ」



「なにより異常なのは炎を付けても炎の柱のままなことだ」



ヤマトくん、ナイトくん、センシくんは圧倒されているようだった。



土座衛門さんは火をつけ終わると炎の柱を消した。握っていた流木は全く燃えていなかった。



「これでいい陶器できそうかな?」



「あ、はい問題ないと思います、何か思い出せました?」



「そうだな、火の扱いは一番最初に身につけた気がする」



「火の魔法が一番初歩ってことなのかな?」



「そうだったような、師匠が炎使いだったからなような」



「なるほど、また謎が深まったような」



「とにかく土座衛門さんは凄いということですぞ!」



ケイちゃんはシンプルに感動しているようだ。



「ほかに使えそうな魔法とかあります?」



「氷は出せる気がするけどコメちゃんズみたいに冷やす目的では使えない技な気がする」



「そうなんですねぇ……ん?氷は出せるんですよね?」



「たぶん」



「じゃあ明日は氷像作りをみんなでしましょう!浜辺に氷はきっと楽しいですよ!」



こうして土座衛門さんの陶器作りは終わり、明日は氷像づくりをすることになった。
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