浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

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69話:タカアシガニ

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異世界生活六十六日目(続々々)



「勝さん、これから会いに行くかにさんに、あてがあるんですか?」



「ああ、多分メグミちゃんも知ってるカニだと思うぞ。水族館とかによくいるからな」



「水族館はあんまり行ったことないんですけど、わかるかなあ」



「まあ、わからなくても見たら結構気にいると思うよ」



「楽しみだなあ」



海中はあまり自分の位置がよくわからないがどんどん深いところに沈んでいっている気がする。



勝さんの触覚ライトでも周囲の状態はよくわからなくなってきた。



ときおり大きなクラゲやイカに驚いたけど、特にトラブルもなく進んでいった。



「うーん。そろそろ見当たると思うんだけどな、いざ探すとなるとなかなか見つからないな、ハハハ」



「深海は広いですぞ……」



「周りもあまり見えんしのう」



「王の殻の中じゃなかったら絶対に行きたくないですねぇ」



「深海は水圧も高いしなあ、陸上のカニには辛いだろうねえ、お!」



勝さんが傾いてライトで照らす。



そこには長大な脚をもつカニさんが悠然と歩いていた。



【タカアシガニ】

・クモガニ科。脚を広げると3m以上になる、世界最大の現生節足動物。

・日本の太平洋岸、水深150~800mほどの深海に生息する巨大なカニ。

・食用可。淡白で上品な味わいで、産地である静岡県戸田へだなどでは名物料理になっている。



カニペディアが発動して、どんなカニさんか教えてくれる。なるほどタカアシガニさんというのか。



あんなに大きいのに食べる人がいるんだね……しかも美味しそう……



「ヤドカリの王様…なぜここに?」



「ああ、俺の殻に乗ってる子に君たちを見せてあげたくてね」



「殻の、中……小さなカニ…そして、カニじゃない生き物……」



「えーと、はじめまして。わたしメグミっていいます。タカアシガニさんよろしくお願いしますね」



「カニじゃない生き物…メグミ…なぜ、カニの言葉喋れる?」



「わたしもよくわからないけど、何故か喋れます!」



「おもしろい…メグミとても、気になる」



「ほう、メグミちゃんが気に入ったのかい?それはよかった」



「ヤドカリの王様…俺も付いていく」



「うーん、メグミちゃん。タカアシガニが、付いていきたいみたいだけどどうする?」



「え?わたしは別に構いませんけど、そのタカアシガニさんわたしたちは陸に住んでるんです。一応海水プールがあるんですけど、大丈夫ですか?」



「冷たい海水があれば平気……」



「うーん、コメちゃんズに冷やしてもらえるプールを帰ったら増築してもらえばなんとかなるかな?」



「俺もそれを手伝う…よろしく頼む」



「うん、じゃあ今日からあなたはアッシーくんね!」



「アッシーくん…いい響きだ…」



「これだけ大きな仲間ができるとこれまで出来なかった建築も出来そうですね!」



「ワタルくんが建築のこと言い出すと不安なんだけど……」



「え?なぜですか?私は誠心誠意、共同体の発展のことしか考えてませんよ!」



「どうせ、巨大なメグミ殿の像を作りたいだけですぞ……」



「いまのでも十分な大きさだと思うがのう……」



「ん?今の住処にはメグミちゃんの像が飾ってあるのかい?」



「はい!像の話はそこまで!!絶対大きい像は作らせないからね!今ので十分だからね!」



「ハハハ、メグミさんわかっていますよ、信用してください!」



「お前たち…とても賑やか…」



「あ、アッシーくんにはちょっとうるさかったかな?」



「そんなことはない…とても良い…」



「このノリが平気ならすぐに馴染めるだろうな、あ、外部の俺が言うのも変か!ハハハ」



「勝さんはほとんど身内ですよ!普段近くにいないだけです」



「そう言ってもらえると嬉しいね!じゃあそろそろ、地上に帰るか!」



「はい、運動会の準備もいりますしね!」



こうしてわたしたちは、アッシーくんを加えて地上に帰るのであった。
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