浜辺のスローライフ~カニさんたちとの異世界生活日誌~

かにすごくうまい

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77話:揚げ物をつくろう!

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異世界生活七十一日目



お昼時、わたしは大ホールにカニさんたちを集めていた。



「昨日、徹くんのおかげで金属鍋が手に入りました!今日は、これで揚げ物をして、みんなに振舞いたいと思います!」



「揚げ物というと、あの今まで一度も成功したことがない、あれかのう」



「そうです、土器でも陶器でもできなかったあれです!今までは妥協の石板揚げ焼きをしてたけど、今日こそは完全な揚げ物をつくるよ!」



「万が一のこともありますし外で作った方がいいと思いますぞ!」



「そうだね、ここで作ると、徹くんとアッシーくんが見れないし浜辺に行こうか!」



わたしは浜辺に鍋を設置すると、ヤッシー特性朝一番搾りのココナッツオイルを注ぐ。



昨日の内にワタルくんたちに漁をしてもらって取ってきたアジやサバの切り身に、米粉をまぶしていく。



ホリくん特性米粉は驚くほどきめ細やかで綺麗に切り身にまぶすことができた。



「フフフ、ではコメちゃんズお鍋を加熱して!」



「メグミさん今日はテンションが高いですね」



「揚げ物は何回も失敗してるからなあ、思うところがあるんだろ」



ブクブク、グツグツ。



米粉を水で溶かしたものを少し鍋に浮かべて温度をみる。



ジュワ。



「よし!切り身投入!」



シュワジュワワワ~



「この音が聞きたかったんだよね!」



「今の所鍋が割れる気配はありませんな」



「俺が作った鍋が壊れるわけないだろうが!!」



「ひい!徹さんいつの間にぃ」



「徹様は最初からいましたよ。大きすぎて逆に気づかなかったのかもしれませんね」



いい色に揚がってきたので、第一号を菜箸で鍋からあげてお皿に盛りつける。



「では!試食します!」



サクッ!



「あつつ、でもしっかり揚がってておいしい!塩もかけて食べてみよ」



サクサクッ!



「あ~これだよ~、やっぱ揚げ物は美味しいよねえ」



「メグミ!自分だけ食べてないで俺たちの分も揚げてくれ!」



「はいはい、徹くんは功労者だから2番目をあげるね!」



ジュワワ~。



次々と揚げていきみんなに配っていく。



沢山材料を用意していてよかったけど、一人で揚げるのはちょっと大変だ。



「おー、米粉の揚げ物でも結構いけるもんだな」



「私は料理を始めて食べますがこれは、獲物をそのまま食すより力が付きそうですね」



「ほ~、これがメグミが作りたがっていた揚げ物か、なんとも不思議な食感じゃわい」



「拙者はこの表面のサクサク好きですぞ」



「でも、これは全員に行き渡らせるにはメグミさんの労力と時間が大変ですね……」



「鍋が複数あったら俺らでも揚げることできそうっすけどね~」



「なるほど、てーことは徹の旦那に沢山電撃してもらわないといけねえな!」



「頼むのは怖いですぞ」



「メグミに言ってもらえば一発だろ!」



「たしかに」



「う~ん」



「メグミ様どうしました?」



「ああ、うん、ナイトくん今日の揚げ物も美味しかったんだけど本当は天ぷらが食べたいんだよね」



「天ぷら?」



「うん、小麦粉と鳥の卵を作った衣をつけて、揚げるものなんだけどね。今住んでるところには、小麦もなければ鶏もいないし、あとわたし、天ぷらにはだし醤油派なんだけど、醤油作るには大豆がいるんだよね……でもそれらしきものを、森でも、ダンジネスクラブさん達の住処の周りにも見当たらなかったんだよね」



「むう、とにかく天ぷらを作るには三つの素材が足りないのですね?」



「うん、でもこればっかりはしょうがないよね」



「困ってるようだなメグミ!鶏は見たことがないが大豆や小麦ならこの大陸の北部にそれらしきものがあるぞ!」



「あるんだ!大豆と小麦!」



「ああ、だが北はこの世界でも寒い!ここのカニどもでは即野垂れ死にするだろう」



「あ、そっか。カニさんたちは大体常夏で生活してるもんね」



「だが、俺のズワイガニたちは元々寒冷地仕様だ!」



「ズワイガニさん達は冷たい海底にいるもんね」



「お言葉ですが、徹様。我々だけでは数が足りないかと」



「なに!?」



「作物の発見に、そのあとは栽培が必要になるとすると、無理かと」



「コメちゃんズは温度変化の魔法使えるから何とかならないかな?」



「北の土地は険しいので、コメちゃんズ達だけでは少し力不足ですね」



「俺が行けば何とかなるんじゃないか?」



「徹様はダメです。大雑把すぎて作物どころか環境も破壊してしまいます。私としては勝様に援軍を要請するのが良いかと」



「勝!?ダメだダメだ!あいつに借りは作れん!」



「徹様のメンツよりも、今はメグミ様の、願いをかなえるための行動をとる方が大切かと」



「む、むむむ。仕方がない。じゃあ高速で東の海まで行ってくるか」



「徹くん、大丈夫!勝さんなら召喚できるから!」



「なに!?」



「あれは自由にできなかった気がするのじゃが?」



「わたしのなかの何かが今は勝さんが呼べるって感じるの!それ!」



ピカーーーッ!



ズモモモモモ。



「メグミちゃん。いきなり召喚はよくないよ~」



「なんでお前は呼ばれ慣れてる感じを出してるんだ!」



「あ、徹くんじゃん。なんだ結局居ついてるのか~」



「俺のことはいい、メグミが大陸北部に進出するからタラバガニの労働力を貸せ」



「それが人にものを頼む態度かよ~。まあメグミちゃんがやりたいことがあるなら全然協力するけど。タラちゃんたちをここに呼ばないといけないから一回帰らないとな」



「勝さん!タラちゃん達も呼べるから大丈夫!」



「え~メグミちゃんもうなんでもありになってない?」



「今日は調子がいいんです!そーれ!」



ピカーーーッ。



「いきなり光に包まれて大将が消えたと思ったら、今度は俺たちかい!ってメグミちゃんのとこかここ。あ、勝の大将もここに連れてこられたのか」



「メグミちゃんのカニ召喚能力だね、なんか今日は自在に操れるようなんだ」



「勝さんが海を行き来するよりこっちのが早いし楽だと思って、いきなり呼んでごめんねタラちゃん達」



「いやまあ俺たちも海底でうだうだしてるだけだから、用事があるのは楽しくていいんだけどよ」



こうして私は東から勝さん達を呼び大陸北部への遠征の計画を練るのであった。
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