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第一章 出会い、敗北、勝利
15.無垢なるイヴリーチ
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林の近くに停まっていた馬車の荷台には少女の証言通り、彼女よりもまだ幼い、妹と見られる子供が横たわっていた。衣服は乱れており、首には手形の青い痣が残っている。何があったのかは想像に難くなかった。
ベルトリウスは腕の中の少女を一旦マギソンに預けると一人で荷台に上がり込み、近くの荷に掛かっていた布を剥ぎ取って妹の肌が隠れるように包んでやった。ついでに乗っていたシャベルを片手に持つと、姉と同じように妹の体を横抱きにして荷台から下りた。
「埋めてやるのか」
先に死んだ姉の方を遺体を持ったマギソンが尋ねてくるので、ベルトリウスは一瞥して言った。
「こんな所に放置するのも忍びないだろ」
「……お前に哀れみの感情があるとはな」
「その言葉、そっくりそのままお返しするぜ」
素っ気なく答えて土の柔らかい場所を探していると、マギソンは自ら申し出て妹の遺体も一緒に持ってくれた。
傭兵なのだから女子供も無差別に殺す機会はあっただろうに、見ず知らずの姉妹の死を嘆くとは……もっと節操のない男だと期待していたベルトリウスは、偽善者らしい発言をするマギソンに少々がっかりしていた。
自分が妹の遺体を降ろしたのは、この馬車を拝借するのに余計な荷物を減らしておきたかったからだ。埋葬してやるのはただの気分だった。それをマギソンはいいように勘違いしている。
まぁ、向こうが勝手に幻滅しようが好意的に受け止めてくれようが何でも構わないと、ベルトリウスは穴を掘ることに集中した。
ポッカリと空いた穴に少女達をそっと寝かせ、上から土をかける。白い肌がどんどん埋まってゆく様はかなり痛ましいものだった。
くり抜いた分の土を全て被せ終えると、ベルトリウスはシャベルを地面に突き立てて座り込んだ。
「休憩しようぜ。お前も色々と疲れただろ」
酷く疲れた顔をしていたマギソンを見上げて言うと、彼は足元の膨らんだ地面を見つめながら顔をしかめた。
「……こんな所で、誰かに見つかったらどうする」
「見つからねぇよ。悪人が選ぶってこたぁ、どうせ人けのない道だ。それよか体調を気に掛けろ。夜明け前にこの馬車使って移動すっからな、少しでも寝て体力戻しとけ」
「……」
マギソンはそれ以上反論せず、自分も大人しく尻をつけた。
ミハでベルトリウスから受け取った袋から乾燥肉と水を取り出し、それぞれを口に含む。中身を用意してくれた当人は何を考えているのか、つまらなさそうに目を細めながら雲がかった夜空を眺めていた。
少食なマギソンはすぐに簡単な食事を終えると、懐からいつもの喫煙道具一式を取り出した。紙に葉を乗せて包んで……いつの間にか空から視線を落としていたベルトリウスは、その動作をじっと観察しながら口を開いた。
「それ……嗅いだことあるニオイだとは思ってたんだが……」
そう指摘されると、マギソンは露骨に機嫌を損ねた。
彼の持つ煙草から発せられる吐き気がするほどの強烈な甘ったるい香りは、ラトミスと呼ばれる植物の葉を乾燥させたものが原因だった。
ラトミスは動物が摂取すると一時的にだが恐怖心の抑制効果が得られる代物だった。しかし、効力が切れると反動で耐えがたい絶望感が襲い掛かる。加えて強い依存性を持ち、一度使用すると一生抜け出すことは不可能とまで言われている、所謂使用のはばかられる”薬物”だった。
ほとんどが廃人と化してしまうため、多くの国で流通すら禁止されている物だが……噂では原産国のユージャムルはこれを兵士に投与し、死の恐れを知らぬ無敵の軍団で勢力を拡大していったとかなんとか。
「……俺が何やってようが関係ねぇだろ」
「大ありだわ。せっかく戦力として当てにしてんのに、使いもんにならなくなったら困るだろうが」
ベルトリウスが溜息混じりに言うと、マギソンは苛立ったように眉間に深いシワを刻んで煙草に火をつけた。
「なぁ……悩みがあるなら聞いてやるけど……」
「黙れ。悩みなんかないし二度とこの話を口にするな」
珍しくカッとなった口調で断ち切られ、ベルトリウスはわざとらしく肩をすくめた。以降、二人の間に会話はなく、マギソンは煙草を吸い終わると拒絶するように背を向けて横になった。
ベルトリウスは眠れぬ夜の暇潰しを兼ねて荷台を牽引する馬の世話を始めた。後ろに積まれていた木箱を開けると生の野菜が詰まっていたのでそれを与え、同時に見つけた小さな樽に入っていた水も飲ませてやった。
ボトボトと落とすフンを足で蹴り散らかそうとするので、姉妹の墓標代わりになっていたシャベルを使って風下の道端に捨てに行ったりもして……そうして持て余す時間を費やしながら、マギソンから如何にラトミスを取り上げようか考えていた。
出会った時に一本、傭兵団を倒した後に一本、この晩に一本。まだ行動を共にして数日しか経っていないが、この頻度は充分注意して見なければいけない域だろう。
辺りが薄く明るくなってきた頃、くだんのマギソンはこちらが声を掛ける前に独りでに目を覚まし、水と少しの保存食をつまむと何も言わず近くの林の中に消えていった。
数日前は何て珍しい道具を発見したんだと興奮したものだが、気に掛けることが多すぎてこちらまで神経質になりそうだ。ベルトリウスは荒く息を立てる馬の首をひと撫ですると、馬車に不備がないか出発前の点検を行うことにした。
馬と車はちゃんと繋がってるか。
車輪が外れかけていないか。
……そこでふと何かの気配を感じたベルトリウスは、かがんで馬車の下を覗いてみた。
すると、馬車を挟んだ先で何か太くなめらかな物体が、ニョロリと横切った気がした。
ベルトリウスは反対側に回ったが、そこには何者の姿もなかった。だが確かに気配は残っていた。
道化が踊っているような光景にどこからか鈴を鳴らしたような笑い声が聞こえると、釣られたベルトリウスも含み笑いを返した。
「そこに隠れてるのは、どこの可愛いお嬢さんかな?」
「ふふっ! なーんだ、バレてるのね」
シュルッ、と地がこすれる音と共に現れたのは、昨晩ナイフで刺されて死んだはずの少女だった。しかし……その腰から下は蛇の体へと変わっていた。
人間部分の上半身と蛇部分の長い胴、合わせた全長は十二メートルに達していた。特に目立つ蛇の胴部分は幅一メートルほどはあり、上に繋がっている薄く儚い少女の肉体との組み合わせは、まさに”異形”の一言に尽きた。
他にも、瞳の色は青から赤に変色し、肌は顔も含め全身黒い鱗で覆われていた。健在なのは癖のない金色の髪だけだ。
少女はとぐろを巻いて中にベルトリウスを閉じ込めると、両手を広げ、満面の笑みで礼を言った。
「見て、こんなに素敵な体をもらえたの! これで自分で恨みを晴らせる! 二人が助けてくれたお陰よ、本当にありがとう!」
「君が覚悟を決めたんだ、君自身のお陰だよ。俺達は切っ掛けを与えただけだ」
「そんなことないっ、本当に二人のお陰っ! ……あと、私と妹の体……埋めてくれてありがとうね……」
ジワリと目に涙を浮かべ、少女は色の変わった地面を横目で見た。
「妹にお別れを言いたかったか?」
「ううん。顔を見たらつらくなっちゃうから……いいの」
涙がこぼれそうになるのを空を見上げて耐えると、少女は目頭に溜まった涙を指でピンッと弾いて飛ばし、気を取り直してにこやかに笑ってみせた。
「そういえば、おじさんの方は?」
「あー……もうすぐ来ると思うよ。一緒に待ってよう」
「うん!」
程なくしてマギソンが戻ってくると、彼は馬車の影に隠れていた少女に気付かず、荷台横に立っていたベルトリウスに不機嫌を全開にして話し掛けた。
「……行くか」
「私も連れてってね!」
「うおっ!?」
急に頭上から振り掛けられた声にマギソンが思わず飛び退くと、ベルトリウスと少女はいたずら成功とでも言わんばかりに腹を抱えて大笑いした。
からかわれたマギソンはそれよりも目の前の存在が信じられないようで、動揺する目で少女を見つめた。
「なんでお前……」
「あっはは……! 私ねぇ……死んだ後、地獄へ行ったの。そこでエカノダ様に会って……あいつらを殺せる体をもらったの。これでね、妹を酷い目に合わせた奴らを死ぬよりつらい目に合わせてやるんだ」
少女は瞳の奥で猛る炎を燃やしていた。そんな彼女の言葉にベルトリウスは実に満足そうに頷いている。
僅かに口を開けて置いてきぼりを食らっているマギソンを想い、ベルトリウスは穏やかな声で囁いた。
「言っただろ、この子の願いを叶えてやったんだって。自分で復讐できる体をあげたのさ」
「だが、これは……」
酷いことだ。
マギソンはその一言が口にできなかった。
普通の子供では、ましてや、か弱い少女では屈強な大人の集団にかなうわけがない。共に出掛けても一人としてその手で殺めること叶わず、いつの間にか無駄死にしているだろう。
だが、こんなにもか細い少女が自ら死を受け入れ、異形の姿となり復讐の道を選ぶなど……。
マギソンには分からなかった。果たしてどちらが少女にとって酷いことなのか。
「ところで、まだ名乗ってなかったよね? 私はイヴリーチ、よろしくね!」
イヴリーチは朝焼けに咲く花の如く、薄明かりの元で虚しいほど喜びのこもった笑みを向けた。
その後、人間離れした見た目の二人は荷台へ乗り込み、唯一対面で怪しまれない格好のマギソンは御者席へ座った。
目指すはジョイ商会……悪漢の隠れ家。
馬の尻に鞭を打ち、馬車はゆっくりと動き出した。
ベルトリウスは腕の中の少女を一旦マギソンに預けると一人で荷台に上がり込み、近くの荷に掛かっていた布を剥ぎ取って妹の肌が隠れるように包んでやった。ついでに乗っていたシャベルを片手に持つと、姉と同じように妹の体を横抱きにして荷台から下りた。
「埋めてやるのか」
先に死んだ姉の方を遺体を持ったマギソンが尋ねてくるので、ベルトリウスは一瞥して言った。
「こんな所に放置するのも忍びないだろ」
「……お前に哀れみの感情があるとはな」
「その言葉、そっくりそのままお返しするぜ」
素っ気なく答えて土の柔らかい場所を探していると、マギソンは自ら申し出て妹の遺体も一緒に持ってくれた。
傭兵なのだから女子供も無差別に殺す機会はあっただろうに、見ず知らずの姉妹の死を嘆くとは……もっと節操のない男だと期待していたベルトリウスは、偽善者らしい発言をするマギソンに少々がっかりしていた。
自分が妹の遺体を降ろしたのは、この馬車を拝借するのに余計な荷物を減らしておきたかったからだ。埋葬してやるのはただの気分だった。それをマギソンはいいように勘違いしている。
まぁ、向こうが勝手に幻滅しようが好意的に受け止めてくれようが何でも構わないと、ベルトリウスは穴を掘ることに集中した。
ポッカリと空いた穴に少女達をそっと寝かせ、上から土をかける。白い肌がどんどん埋まってゆく様はかなり痛ましいものだった。
くり抜いた分の土を全て被せ終えると、ベルトリウスはシャベルを地面に突き立てて座り込んだ。
「休憩しようぜ。お前も色々と疲れただろ」
酷く疲れた顔をしていたマギソンを見上げて言うと、彼は足元の膨らんだ地面を見つめながら顔をしかめた。
「……こんな所で、誰かに見つかったらどうする」
「見つからねぇよ。悪人が選ぶってこたぁ、どうせ人けのない道だ。それよか体調を気に掛けろ。夜明け前にこの馬車使って移動すっからな、少しでも寝て体力戻しとけ」
「……」
マギソンはそれ以上反論せず、自分も大人しく尻をつけた。
ミハでベルトリウスから受け取った袋から乾燥肉と水を取り出し、それぞれを口に含む。中身を用意してくれた当人は何を考えているのか、つまらなさそうに目を細めながら雲がかった夜空を眺めていた。
少食なマギソンはすぐに簡単な食事を終えると、懐からいつもの喫煙道具一式を取り出した。紙に葉を乗せて包んで……いつの間にか空から視線を落としていたベルトリウスは、その動作をじっと観察しながら口を開いた。
「それ……嗅いだことあるニオイだとは思ってたんだが……」
そう指摘されると、マギソンは露骨に機嫌を損ねた。
彼の持つ煙草から発せられる吐き気がするほどの強烈な甘ったるい香りは、ラトミスと呼ばれる植物の葉を乾燥させたものが原因だった。
ラトミスは動物が摂取すると一時的にだが恐怖心の抑制効果が得られる代物だった。しかし、効力が切れると反動で耐えがたい絶望感が襲い掛かる。加えて強い依存性を持ち、一度使用すると一生抜け出すことは不可能とまで言われている、所謂使用のはばかられる”薬物”だった。
ほとんどが廃人と化してしまうため、多くの国で流通すら禁止されている物だが……噂では原産国のユージャムルはこれを兵士に投与し、死の恐れを知らぬ無敵の軍団で勢力を拡大していったとかなんとか。
「……俺が何やってようが関係ねぇだろ」
「大ありだわ。せっかく戦力として当てにしてんのに、使いもんにならなくなったら困るだろうが」
ベルトリウスが溜息混じりに言うと、マギソンは苛立ったように眉間に深いシワを刻んで煙草に火をつけた。
「なぁ……悩みがあるなら聞いてやるけど……」
「黙れ。悩みなんかないし二度とこの話を口にするな」
珍しくカッとなった口調で断ち切られ、ベルトリウスはわざとらしく肩をすくめた。以降、二人の間に会話はなく、マギソンは煙草を吸い終わると拒絶するように背を向けて横になった。
ベルトリウスは眠れぬ夜の暇潰しを兼ねて荷台を牽引する馬の世話を始めた。後ろに積まれていた木箱を開けると生の野菜が詰まっていたのでそれを与え、同時に見つけた小さな樽に入っていた水も飲ませてやった。
ボトボトと落とすフンを足で蹴り散らかそうとするので、姉妹の墓標代わりになっていたシャベルを使って風下の道端に捨てに行ったりもして……そうして持て余す時間を費やしながら、マギソンから如何にラトミスを取り上げようか考えていた。
出会った時に一本、傭兵団を倒した後に一本、この晩に一本。まだ行動を共にして数日しか経っていないが、この頻度は充分注意して見なければいけない域だろう。
辺りが薄く明るくなってきた頃、くだんのマギソンはこちらが声を掛ける前に独りでに目を覚まし、水と少しの保存食をつまむと何も言わず近くの林の中に消えていった。
数日前は何て珍しい道具を発見したんだと興奮したものだが、気に掛けることが多すぎてこちらまで神経質になりそうだ。ベルトリウスは荒く息を立てる馬の首をひと撫ですると、馬車に不備がないか出発前の点検を行うことにした。
馬と車はちゃんと繋がってるか。
車輪が外れかけていないか。
……そこでふと何かの気配を感じたベルトリウスは、かがんで馬車の下を覗いてみた。
すると、馬車を挟んだ先で何か太くなめらかな物体が、ニョロリと横切った気がした。
ベルトリウスは反対側に回ったが、そこには何者の姿もなかった。だが確かに気配は残っていた。
道化が踊っているような光景にどこからか鈴を鳴らしたような笑い声が聞こえると、釣られたベルトリウスも含み笑いを返した。
「そこに隠れてるのは、どこの可愛いお嬢さんかな?」
「ふふっ! なーんだ、バレてるのね」
シュルッ、と地がこすれる音と共に現れたのは、昨晩ナイフで刺されて死んだはずの少女だった。しかし……その腰から下は蛇の体へと変わっていた。
人間部分の上半身と蛇部分の長い胴、合わせた全長は十二メートルに達していた。特に目立つ蛇の胴部分は幅一メートルほどはあり、上に繋がっている薄く儚い少女の肉体との組み合わせは、まさに”異形”の一言に尽きた。
他にも、瞳の色は青から赤に変色し、肌は顔も含め全身黒い鱗で覆われていた。健在なのは癖のない金色の髪だけだ。
少女はとぐろを巻いて中にベルトリウスを閉じ込めると、両手を広げ、満面の笑みで礼を言った。
「見て、こんなに素敵な体をもらえたの! これで自分で恨みを晴らせる! 二人が助けてくれたお陰よ、本当にありがとう!」
「君が覚悟を決めたんだ、君自身のお陰だよ。俺達は切っ掛けを与えただけだ」
「そんなことないっ、本当に二人のお陰っ! ……あと、私と妹の体……埋めてくれてありがとうね……」
ジワリと目に涙を浮かべ、少女は色の変わった地面を横目で見た。
「妹にお別れを言いたかったか?」
「ううん。顔を見たらつらくなっちゃうから……いいの」
涙がこぼれそうになるのを空を見上げて耐えると、少女は目頭に溜まった涙を指でピンッと弾いて飛ばし、気を取り直してにこやかに笑ってみせた。
「そういえば、おじさんの方は?」
「あー……もうすぐ来ると思うよ。一緒に待ってよう」
「うん!」
程なくしてマギソンが戻ってくると、彼は馬車の影に隠れていた少女に気付かず、荷台横に立っていたベルトリウスに不機嫌を全開にして話し掛けた。
「……行くか」
「私も連れてってね!」
「うおっ!?」
急に頭上から振り掛けられた声にマギソンが思わず飛び退くと、ベルトリウスと少女はいたずら成功とでも言わんばかりに腹を抱えて大笑いした。
からかわれたマギソンはそれよりも目の前の存在が信じられないようで、動揺する目で少女を見つめた。
「なんでお前……」
「あっはは……! 私ねぇ……死んだ後、地獄へ行ったの。そこでエカノダ様に会って……あいつらを殺せる体をもらったの。これでね、妹を酷い目に合わせた奴らを死ぬよりつらい目に合わせてやるんだ」
少女は瞳の奥で猛る炎を燃やしていた。そんな彼女の言葉にベルトリウスは実に満足そうに頷いている。
僅かに口を開けて置いてきぼりを食らっているマギソンを想い、ベルトリウスは穏やかな声で囁いた。
「言っただろ、この子の願いを叶えてやったんだって。自分で復讐できる体をあげたのさ」
「だが、これは……」
酷いことだ。
マギソンはその一言が口にできなかった。
普通の子供では、ましてや、か弱い少女では屈強な大人の集団にかなうわけがない。共に出掛けても一人としてその手で殺めること叶わず、いつの間にか無駄死にしているだろう。
だが、こんなにもか細い少女が自ら死を受け入れ、異形の姿となり復讐の道を選ぶなど……。
マギソンには分からなかった。果たしてどちらが少女にとって酷いことなのか。
「ところで、まだ名乗ってなかったよね? 私はイヴリーチ、よろしくね!」
イヴリーチは朝焼けに咲く花の如く、薄明かりの元で虚しいほど喜びのこもった笑みを向けた。
その後、人間離れした見た目の二人は荷台へ乗り込み、唯一対面で怪しまれない格好のマギソンは御者席へ座った。
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