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第五章 滅亡、または繁栄を祝う輪舞
87.祝福の微笑み
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ランカガは風を操って自身の体を浮上させ、塔の外壁に沿って頂部を目指した。イヴリーチが最上階で昇降機を停止させたまま飛び降りたせいで、他に上る手段がなかったからだ。
天井に小規模の火球を放って屋内に降り立つと、ランカガはわびしい部屋で一人横たわる少女を発見した。
少女の外見は酷く”崩れて”いた。顔の半分は旧友パジオ・アラスチカの娘、ミェンタージュ・アラスチカのもの。もう半分は見知らぬ美少女のものだった。
ちょうど中央の髪の分け目に沿って目鼻立ちや髪色が個々の特徴へと変化していた彼女は、驚くべきことに肉体が溶けだしていた。透き通った白い肌は蝋のようにドロリと床へ垂れ落ち、頬や手の甲などは徐々に窪みができ始めていた。
ランカガは醜悪な”何か”に眉をひそめた。あの半蛇の少女を醜いと罵ったが、これはその比ではない。文字通り人の皮を被った、人に成り済まそうとした魔の遣いだ。
少女のフリをした魔物が溶けて消えてしまう前に、ランカガは愛剣でその首を斬り落とした。
不思議なことに、胴体と切り離した瞬間に融解は止まった。ランカガは金と銀が入り乱れた髪を無造作に掴むと、再度風に乗って天井の穴から外へ出た。
城の敷地内には、ヤブラギィ率いる西部の騎士達が集まっていた。
ランカガは彼らの前に降り立つと、軽薄に口元を緩ませてこちらを見つめる息子へと近付いた。
「お疲れ様です。お怪我はありませんか?」
「見れば分かるだろう。無意味な質問をするな」
「そうピリピリなさらんでくださいよ、義務的な会話ではないですか? ……それで、その手に提げているのは……」
「騒動の発端となった魔物の首だ。領地へ持って帰る。保管しておけ」
ランカガはヤブラギィに向かって首を雑に放り投げた。
受け取ったヤブラギィは、ずっと後頭部側を見せていた首がどんな面をした者なのかと、好奇心から正面へ回し……衝撃を受けた。
「父上……これは何の冗談です……?」
それは、ローカンの生首だった。
毛先の長さがバラバラになった髪は父親譲りの赤銅色ではなかったが、目の形、鼻の形、眉の形、口の形……間違えようもない。全てがローカンと一致していた。護公会議へ赴く前日の会食で顔を合わせた、まさかその日を境に会話を交えることができなくなるとは思わなかった、あの弟の首が今、己の手の中にある……。
腹違いの兄弟とはいえ、片親を同じくした弟妹を可愛がっていたヤブラギィは長兄として弟の死を悼み、苦悶の表情を浮かべる首を力強く抱き締めた。そこには家庭を顧みない父への反抗心で不良息子を演じていたヤブラギィはいなかった。
涙さえ浮かべる彼に、ランカガは全身の毛を逆立てて先程の愛剣を引き抜いた。
ローカンの首がこの場にあるはずがないのだ。自分が塔で斬り落としたのは確かに少女を模した魔物だった。顔の形を変えたということは、あの魔物はまだ死してはいなかったのだ――。
「ヤブラギィ、今すぐそれを捨てろ」
「ハハッ……捨てろだって? 何をおっしゃるんですか、寄越したのは貴方でしょう……? 連れて帰りますよ、弟なんだから……こいつの母君に会わせてやらないと……」
「俺は”捨てろ”と命じている。いいから言う通りにしろ」
普段の通り他者を押さえ付けるようにして命令するランカガに、ヤブラギィは鼻をすすりながら冷めた目で父親を見つめた。
「貴方は……身内くらいには愛情を注いだらどうですか……? 首のない息子の遺体を目の当たりにした母親の気持ちが分かりますか? どうせ失った分はまた産ませればいいと思ってるんでしょう、貴方はそういう御人だ……でも、駄目なんですよ。人には越えてはいけない一線があって、そこを跨いでしまったら、誰も貴方の後を追っていけない……俺も臣下のみんなも貴方の非情さを理解して支えていますが、それは貴方が強いからだ。貴方を恐れているから……指導者には民衆を押さえ付ける”恐怖”が必要ですが、慕う者まで圧迫していては、残るは孤独の道ですよ……」
「貴様の言い分など聞いておらんわ!! その首を捨てろと言っている!!」
我が子に剣先を差し向ける西手に、周囲の騎士達は驚きの声を漏らして二人の元へ駆け寄った。
だが、割って入る者はいない。ランカガが恐ろしいからだ。自分が標的になるのを恐れていた。この周囲との距離感が、ランカガが歩んできた道だった。圧倒的な力で他者を遠ざけてきた、これがその報いだった。
ヤブラギィは馬鹿にするようにフッと小さく笑って、右手の裾で涙腺をぬぐって言った。
「今回ばかりは貴方の命には従いません……ローカンは西へ連れて帰ります。故郷の地で弔ってやるんです。貴方も次の葬式には参加してくださいね。いい加減祟られても知りませんよ」
「何度も言わせるなっ!! 今すぐ捨てろ!! そいつは魔物が姿を変えたものなのだぞっ!!」
「あんたこそ何度も言わせんなよっ!! これだけ言ってもまだ分からねぇか!? 自分の都合で手に掛けた家族にくらい頭を下げろってことだよクソ親父っ!!」
「このっ……愚か者がっ!!!! 貴様程度が俺に逆らうなど付け上がるなっ!!!! いいからそいつを捨てろっ!!!!」
ランカガはローカンの首を庇うようにして剣を抜いたヤブラギィに向かい、つかつかと大股で歩みを進めた。視界上の騎士達は前のめりになるも、やはり足を進めて止めに来ようとはしなかった。
あと数メートルで両者接触というところ、ランカガの耳に、かすかに”ヒュンッ”という音が届いた。
「ン”ブッ”―― !?」
ランカガは自身の喉元に走る激痛に顔を強張らせた。
ヤブラギィに向けていた視線を下にずらすと、一本の太い矢が見えた。
ある騎士が背後から弩を撃ったのだ。
不意の痛みに後ろを振り返ろうとする赤獅子に向け、さらに一斉射撃が始まる。一射目から続けざまに放たれた二十本余りの矢をランカガはかわすことができなかった。一本目の矢に毒が塗られていたせいで、体を上手く動かすことができなかった。街中を流れた、あの茶色い毒が……。
歴戦の大領主といえど、全身を貫かれてはひとたまりもなかった。受け身も取れずに倒れた大きな体はあちこちから出血していた。何より酷かったのは、喉頭を流れ落ちた血が肺に入ってしまったことだ。
常人と同じく異物を吐き出そうと咳き込んだランカガだったが、毒による痺れのせいでむせる力が弱く誤嚥してしまった。切り傷などの外傷とはまた違った、経験したことのない痛みにランカガは体中を掻きむしりたい衝動に駆られた。そばへ近寄る気配にも気付けないほどに。
「強大な力を持つ貴方が、こんな取るに足らない攻撃に敗れるなんて不甲斐ない」
頭上から降り注いだ声はヤブラギィのものだった。顔を上げることすらできない父の後頭部を楽しげに見下ろしている。
そして、ヤブラギィの肉体はぐにゃぐにゃと変形していった。
同時に、ドッと沸いたような騎士達の野太い笑い声が周囲から響いた。ヤブラギィも騎士達も、ここに集う者は皆乗っ取られていたのだ。
イヴリーチの声を聞き覚醒したエイレンは、彼とその部下が街の人形を刈り取っている最中に浴びた返り血を操作して、体内へと侵入した。その後はあっという間だった。
エイレンはヤブラギィらの記憶を探り、西部軍の身を守る保護魔術の正体を知った。あの手の甲に火傷を負った女には、一度きりの術がかけられていたのだ。エイレンが治療の際に意識を飛ばし、合わせて人形達が停止してしまったのは、保護魔術の”反射”の効果によるものだった。
エイレンはランカガが根を張る西部最大の都市、ベトゥシーに前々から潜伏させていた人形を動かし、道中で手駒を増やしながら彼の居城へと乗り込んだ。
人形達は二手に分かれて行動した。一組は正門で騒ぎを起こし、もう一組は手薄になった裏口の警備を”味方”に付けながら屋内へと忍び込んだ。
注意を引き付けていた人形達は当然の如く殺害された。彼ら、彼女らは気狂いを装って 無武装で突撃していき、城の警備達は驚きつつも魔術や槍で一掃していった。警備は返り血を浴びたり、倒れた気狂い達を処理しようと手足を掴んで接触したりし……その後の展開は想像に難くない。
殺せば増え、殺さずとも増える。
これがエイレンの強みだった。
裏口から侵入した一派も、接触する全ての人間を自身らの列に加えていった。目指すは地下室。悪巧みというのは薄暗い場所で行われるのがお決まりだ。
重い鉄扉を開けた先にいたのは、妙な紋様を描いた円陣を取り囲む集団と、その円陣の中心で積み重なって横たわる、骨と皮しか残っていないような痩せ細った全裸の人間達であった。
保護魔術というのは、本来長時間継続して行えるものではない。発動中は常に魔力を消費してしまうからだ。いくらランカガが優れた術師とはいえ、ここまで長い間保護魔術を身に着けていられるのはおかしかった。しかも、彼の域に達しない配下までもがだ。
西部軍が継続して保護魔術を発動できていたのは、生きた人間から魔力を抽出し、遠征者に送り続けていたからであった。
これは俗に言う、”世紀の大発見”だ。確かに魔術の基礎として、人間には誰にでも魔力が備わっていると教えられている。学べば誰でも術を発動できると……しかし、このように”外部から魔力を抽出する”という行為は、専門家の間でも取り上げられる機会はなかった。
魔力と生命力は直結しているので、魔力を放出し続けるということは、やがて死に至ると考えずとも分かるだからだ。
つまり人道的な観点から、今まで試す者がいなかったということである。試したとしても世間から猛烈な批判を受けるために、誰も公表しなかったのだろう。
出がらしとなった人間達は各地から誘拐してきた使い捨ての道具だった。古今東西、人攫いの話など珍しくはない。北部で起きた誘拐事件の中には、西部の間者が絡んだものもあった。
ランカガがパジオの裏競売を問題視しなかったのは、何も金の無心に不利になるからというだけではない。自分達の所業が明るみに出さないための、言わば身代わりであった。特に貴族出身者は魔術の訓練のお陰で魔力の容量が大きい。ミェンタージュが開催した裏競売の顧客の中には、ランカガから仕向けられた西部の貴族もいた。自領地の民を減らすより、他の地方の民を使い潰す方がいいからだ。
慌てふためく円陣を囲む魔術師達を、エイレンは無慈悲に殺していった。因果応報というべきか、彼らは抽出中は体を動かすことができなかった。
これでランカガが身に纏う保護魔術は消えた。あらゆる攻撃が通るようになった。残るは運の問題……彼がヤブラギィに気を取られて背後の射手達に気付かぬことを願うばかりであった。
「酷い人だわ、ランカガ・スタウツーデュ。でも僅かな親心は捨て切れなかったのね。普段のあなただったら部下の変化にも気付けたはずなのに、ああも息子の言葉に動揺するなんて……うふふ、あなたも最後くらいは身内に甘くできたじゃない。よかったわね?」
まさに妖精の如き可憐な美しさで銀の髪をたなびかせるエイレンに、ランカガは痛みに耐えながら力を振り絞り、顔を上げて強烈な睨みを利かせた。
「フッ”……ゴホッ”、ゴフッ……!!」
「まぁまぁ! そんなに目を細めてみても怖くないわよ、大きな猫ちゃん! ニャーニャーと喚くこともできないで残念だねぇ? 喉が潰れてるから、お得意の魔術も使えずに腹立たしいでしょう? 今ってどのくらい苦しいのかなぁ? ……あっ、ごめんねぇ、声が出せないから答えられないんだった! うっふふふ! どうせ一つになるんだから、あなたの人生をたっぷり味わってあげるね!」
「ン”ッ”……グゥ”ッ”――!?」
エイレンはカリッと自身の指先を噛むと、できた血豆をランカガの口内に差し入れた。
新たな痛みがランカガを襲う……体を、記憶を蹂躙する痛みが全身の感覚を乗っ取り始め――……。
『素晴らしい成績だ、ランカガ! 神童とはまさにお前のためにある言葉だな! この調子で鍛錬を怠るなよ! お前には成人後、兄らを支えるという大切な役目があるのだからな!』
―― はい、父上。今後とも精進して参ります。
『ランカガ、お前は本当にすごいな。お前が遅くに生まれてくれてよかったよ。次男、三男辺りだったなら父上は長男である俺にではなく、お前に家督を譲っていただろう。いやぁ、俺は運がいい! よかったよかった、お前が五男で本当によかった! お前さえいてくれればスタウツーデュ家は安泰だ!』
―― ええ、共に良き未来を目指しましょう。兄上。
『お母様は誇らしいわ、ラック。やはり正妻でなければ良き子は産めないのよねぇ。あの女狐共の子を見てごらん、どれも貧相な体に冴えない顔付き! 私だって病気をしていなければもっと早くにお前を産んでやれたのに……あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ”!!お前もお前よっ!! どうして側室が四人も男児を産んでしまうまで宿らなかったの!? お前がもっと早くにお母様を見つけていれば、長男となってお家を継げたというのにっ!! いくら優れていても五番目じゃ意味がないのよぉっ!!!!』
―― 申し訳ございません、母上。こればかりはどうにも……。
煩わしい。
この世に生を受ける前から道を定められ、手に入らぬものを望まれ、挙げ句自分より劣る者の世話を義務付けられている。屈辱だ。
貴様ら凡愚が俺に命令するな。生まれ順がなんだ。スタウツーデュは後に生まれた子供ほど優れているではないか。長兄が一番愚鈍だ。あんな愚か者にこれからの俺の人生を捧げなければならぬとは、こんな馬鹿げた話があるか。
憎い。憎い。
才や努力では覆せぬ決まり事が憎い。
運が良かっただと? そんな不確かなものを堂々と口にする人間がスタウツーデュを導けるものか。
運など……俺が……俺に運さえあれば……。
『お疲れですか、坊ちゃま?』
それは老婆の声だった。
一つに結った白髪に、全身に深く刻まれたシワ。俺の乳母だった。
―― ああ、聞き分けのいい弟を演じるのは疲れるよ。いっそ積み上げたもの全て壊して回りたいくらいだ。
『では、そうすればよろしい。成人前とはいえ、すでにあなた様は誰にも敗れぬ力をお持ちです。ご自身の雷鳴に打ち勝つ者など、この西部にはおりますまい』
―― わっはっはっ! まさか肯定されるとは思わんだぞ! ……こんな滅多なこと、人前では話すなよ。いくら長く勤めている身とはいえ、職を辞するだけでは済まされん。城を追い出されるどころか首まではねられてしまう。
『あぁ……おやさしく聡明な愛しの坊ちゃま……ばあやは悲しくてならないのです。優れた御人がなにゆえ日陰を歩まねばならぬのでしょう? あなた様こそ頂きに立つ御方……玉座にはあなた様がお座りになられるのです。あなた様こそ、天に選ばれし王の器……』
ばあやは俺の頭を抱いて撫でた。十代半ばにして兄弟の誰よりもたくましく成長した俺に、幼少期と変わらぬ接し方をするのは彼女だけだった。
ばあやの声はささくれ立つ心を抑えてくれる。彼女はおとぎ話の魔女のようだ。別段容姿が整っているわけでもない。歌姫のように美しい声色をしているわけでもない。それでも、俺にとっては特別な存在だった。
―― ……王か。なれるだろうか、俺が当主に……。
『おほほ、当主など……そんなちっぽけな器で満足なのですか? 坊ちゃまはずいぶんと控えめになられましたねぇ。ご心配なさらずとも、ばあやには見えますよ。スタウツーデュ家どころか、この世の全てを統べる坊ちゃまの御姿が。ばあやを信じなさい……ばあやの言う通りにするのです。わたしだけが、あなた様を導ける……』
ばあやの言葉は俺の心を曇らせ……いや、”目覚め”させた。
―― そうだな……目指してみるか。王というものを。
あの時の彼女のしわくちゃの笑顔が忘れられない。温かく、おぞましい老婆の笑みはさらに俺を奮い立たせた。
そうとも。生まれ順も運も関係ない。力を持つ者がどうして無能に配慮する必要があるんだ? 我慢することなど何もない。強者は己の思うがままに生きればよいのだ。
俺はばあやに説かれたその日に家族を拘束し、成人後に当主の座を譲るよう契りを結ばせた。事が落ち着き、俺は真っ先にばあやへ報告に向かった。だが、彼女は突として姿を消した。怯える使用人や兵士に聞いて回っても、彼女の行方は一向に知れないままだった。
悲しくはなかった。彼女とはいつか、再会できる気がしたからだ。
俺はただ上るだけだ。一番高い場所に立って、見上げる人々の顔を覗けばいい。そこにお前はいるだろう。ばあや、俺は王になるぞ。お前も呼んでやる。玉座の後ろで控えるのはお前だ。父でも母でも兄弟でもない、妻子でも……見ていろ、俺は必ず掴み取る。黄金に輝く椅子を我が物とし、いつかお前を迎え――。
「その椅子に座るのはエカノダよ」
エイレンは脳内に溢れる彼の追憶を踏みにじるかのように否定した。
同化は完了した。
這いつくばっていたランカガは体を起こし、エイレンを見上げて人形のような空っぽの笑みを向けた。
ガガラから立ち昇った煙は、地震によって引き起こされた建物の倒壊によるものとして片付けられた。地獄の領地より送られた”特別な作業員”のお陰で、街は一週間も経たないうちに元の生活を取り戻し、住民は何事もなかったかのように働きだした。
その一件以降、タハボートでは諸公の結び付きが急激に強まった。西手の次男坊……ローカン・スタウツーデュと、北手の一人娘……ミェンタージュ・アラスチカの婚約が発表されたのと同時期のことである。
式はすぐに執り行われ、両者の親である北西の護り手は勿論、東南の護り手や、多くの国民、周辺の友好国から呼んだ使者らも参加し、若き二人はたくさんの祝福の声の中、手と手を取って微笑み合った。
空に花が舞う良き日に、タハボートは”共和国”から”王国”へと名乗りを変えた。
王位を獲得したるはランカガ・スタウツーデュ。諸外国の使者らは爛々と歪む金瞳の奥に描かれた統治図に震えながら、帰国を急いだ。
新婦が暮らすガガラの住民は、夜通し繁栄を祝う輪舞を踊った。
手を繋ぎ、軽やかな伝統曲に合わせて弾む輪の中には、銀の髪を輝かせる少女と、半人半蛇の異形の少女の姿があった。
天井に小規模の火球を放って屋内に降り立つと、ランカガはわびしい部屋で一人横たわる少女を発見した。
少女の外見は酷く”崩れて”いた。顔の半分は旧友パジオ・アラスチカの娘、ミェンタージュ・アラスチカのもの。もう半分は見知らぬ美少女のものだった。
ちょうど中央の髪の分け目に沿って目鼻立ちや髪色が個々の特徴へと変化していた彼女は、驚くべきことに肉体が溶けだしていた。透き通った白い肌は蝋のようにドロリと床へ垂れ落ち、頬や手の甲などは徐々に窪みができ始めていた。
ランカガは醜悪な”何か”に眉をひそめた。あの半蛇の少女を醜いと罵ったが、これはその比ではない。文字通り人の皮を被った、人に成り済まそうとした魔の遣いだ。
少女のフリをした魔物が溶けて消えてしまう前に、ランカガは愛剣でその首を斬り落とした。
不思議なことに、胴体と切り離した瞬間に融解は止まった。ランカガは金と銀が入り乱れた髪を無造作に掴むと、再度風に乗って天井の穴から外へ出た。
城の敷地内には、ヤブラギィ率いる西部の騎士達が集まっていた。
ランカガは彼らの前に降り立つと、軽薄に口元を緩ませてこちらを見つめる息子へと近付いた。
「お疲れ様です。お怪我はありませんか?」
「見れば分かるだろう。無意味な質問をするな」
「そうピリピリなさらんでくださいよ、義務的な会話ではないですか? ……それで、その手に提げているのは……」
「騒動の発端となった魔物の首だ。領地へ持って帰る。保管しておけ」
ランカガはヤブラギィに向かって首を雑に放り投げた。
受け取ったヤブラギィは、ずっと後頭部側を見せていた首がどんな面をした者なのかと、好奇心から正面へ回し……衝撃を受けた。
「父上……これは何の冗談です……?」
それは、ローカンの生首だった。
毛先の長さがバラバラになった髪は父親譲りの赤銅色ではなかったが、目の形、鼻の形、眉の形、口の形……間違えようもない。全てがローカンと一致していた。護公会議へ赴く前日の会食で顔を合わせた、まさかその日を境に会話を交えることができなくなるとは思わなかった、あの弟の首が今、己の手の中にある……。
腹違いの兄弟とはいえ、片親を同じくした弟妹を可愛がっていたヤブラギィは長兄として弟の死を悼み、苦悶の表情を浮かべる首を力強く抱き締めた。そこには家庭を顧みない父への反抗心で不良息子を演じていたヤブラギィはいなかった。
涙さえ浮かべる彼に、ランカガは全身の毛を逆立てて先程の愛剣を引き抜いた。
ローカンの首がこの場にあるはずがないのだ。自分が塔で斬り落としたのは確かに少女を模した魔物だった。顔の形を変えたということは、あの魔物はまだ死してはいなかったのだ――。
「ヤブラギィ、今すぐそれを捨てろ」
「ハハッ……捨てろだって? 何をおっしゃるんですか、寄越したのは貴方でしょう……? 連れて帰りますよ、弟なんだから……こいつの母君に会わせてやらないと……」
「俺は”捨てろ”と命じている。いいから言う通りにしろ」
普段の通り他者を押さえ付けるようにして命令するランカガに、ヤブラギィは鼻をすすりながら冷めた目で父親を見つめた。
「貴方は……身内くらいには愛情を注いだらどうですか……? 首のない息子の遺体を目の当たりにした母親の気持ちが分かりますか? どうせ失った分はまた産ませればいいと思ってるんでしょう、貴方はそういう御人だ……でも、駄目なんですよ。人には越えてはいけない一線があって、そこを跨いでしまったら、誰も貴方の後を追っていけない……俺も臣下のみんなも貴方の非情さを理解して支えていますが、それは貴方が強いからだ。貴方を恐れているから……指導者には民衆を押さえ付ける”恐怖”が必要ですが、慕う者まで圧迫していては、残るは孤独の道ですよ……」
「貴様の言い分など聞いておらんわ!! その首を捨てろと言っている!!」
我が子に剣先を差し向ける西手に、周囲の騎士達は驚きの声を漏らして二人の元へ駆け寄った。
だが、割って入る者はいない。ランカガが恐ろしいからだ。自分が標的になるのを恐れていた。この周囲との距離感が、ランカガが歩んできた道だった。圧倒的な力で他者を遠ざけてきた、これがその報いだった。
ヤブラギィは馬鹿にするようにフッと小さく笑って、右手の裾で涙腺をぬぐって言った。
「今回ばかりは貴方の命には従いません……ローカンは西へ連れて帰ります。故郷の地で弔ってやるんです。貴方も次の葬式には参加してくださいね。いい加減祟られても知りませんよ」
「何度も言わせるなっ!! 今すぐ捨てろ!! そいつは魔物が姿を変えたものなのだぞっ!!」
「あんたこそ何度も言わせんなよっ!! これだけ言ってもまだ分からねぇか!? 自分の都合で手に掛けた家族にくらい頭を下げろってことだよクソ親父っ!!」
「このっ……愚か者がっ!!!! 貴様程度が俺に逆らうなど付け上がるなっ!!!! いいからそいつを捨てろっ!!!!」
ランカガはローカンの首を庇うようにして剣を抜いたヤブラギィに向かい、つかつかと大股で歩みを進めた。視界上の騎士達は前のめりになるも、やはり足を進めて止めに来ようとはしなかった。
あと数メートルで両者接触というところ、ランカガの耳に、かすかに”ヒュンッ”という音が届いた。
「ン”ブッ”―― !?」
ランカガは自身の喉元に走る激痛に顔を強張らせた。
ヤブラギィに向けていた視線を下にずらすと、一本の太い矢が見えた。
ある騎士が背後から弩を撃ったのだ。
不意の痛みに後ろを振り返ろうとする赤獅子に向け、さらに一斉射撃が始まる。一射目から続けざまに放たれた二十本余りの矢をランカガはかわすことができなかった。一本目の矢に毒が塗られていたせいで、体を上手く動かすことができなかった。街中を流れた、あの茶色い毒が……。
歴戦の大領主といえど、全身を貫かれてはひとたまりもなかった。受け身も取れずに倒れた大きな体はあちこちから出血していた。何より酷かったのは、喉頭を流れ落ちた血が肺に入ってしまったことだ。
常人と同じく異物を吐き出そうと咳き込んだランカガだったが、毒による痺れのせいでむせる力が弱く誤嚥してしまった。切り傷などの外傷とはまた違った、経験したことのない痛みにランカガは体中を掻きむしりたい衝動に駆られた。そばへ近寄る気配にも気付けないほどに。
「強大な力を持つ貴方が、こんな取るに足らない攻撃に敗れるなんて不甲斐ない」
頭上から降り注いだ声はヤブラギィのものだった。顔を上げることすらできない父の後頭部を楽しげに見下ろしている。
そして、ヤブラギィの肉体はぐにゃぐにゃと変形していった。
同時に、ドッと沸いたような騎士達の野太い笑い声が周囲から響いた。ヤブラギィも騎士達も、ここに集う者は皆乗っ取られていたのだ。
イヴリーチの声を聞き覚醒したエイレンは、彼とその部下が街の人形を刈り取っている最中に浴びた返り血を操作して、体内へと侵入した。その後はあっという間だった。
エイレンはヤブラギィらの記憶を探り、西部軍の身を守る保護魔術の正体を知った。あの手の甲に火傷を負った女には、一度きりの術がかけられていたのだ。エイレンが治療の際に意識を飛ばし、合わせて人形達が停止してしまったのは、保護魔術の”反射”の効果によるものだった。
エイレンはランカガが根を張る西部最大の都市、ベトゥシーに前々から潜伏させていた人形を動かし、道中で手駒を増やしながら彼の居城へと乗り込んだ。
人形達は二手に分かれて行動した。一組は正門で騒ぎを起こし、もう一組は手薄になった裏口の警備を”味方”に付けながら屋内へと忍び込んだ。
注意を引き付けていた人形達は当然の如く殺害された。彼ら、彼女らは気狂いを装って 無武装で突撃していき、城の警備達は驚きつつも魔術や槍で一掃していった。警備は返り血を浴びたり、倒れた気狂い達を処理しようと手足を掴んで接触したりし……その後の展開は想像に難くない。
殺せば増え、殺さずとも増える。
これがエイレンの強みだった。
裏口から侵入した一派も、接触する全ての人間を自身らの列に加えていった。目指すは地下室。悪巧みというのは薄暗い場所で行われるのがお決まりだ。
重い鉄扉を開けた先にいたのは、妙な紋様を描いた円陣を取り囲む集団と、その円陣の中心で積み重なって横たわる、骨と皮しか残っていないような痩せ細った全裸の人間達であった。
保護魔術というのは、本来長時間継続して行えるものではない。発動中は常に魔力を消費してしまうからだ。いくらランカガが優れた術師とはいえ、ここまで長い間保護魔術を身に着けていられるのはおかしかった。しかも、彼の域に達しない配下までもがだ。
西部軍が継続して保護魔術を発動できていたのは、生きた人間から魔力を抽出し、遠征者に送り続けていたからであった。
これは俗に言う、”世紀の大発見”だ。確かに魔術の基礎として、人間には誰にでも魔力が備わっていると教えられている。学べば誰でも術を発動できると……しかし、このように”外部から魔力を抽出する”という行為は、専門家の間でも取り上げられる機会はなかった。
魔力と生命力は直結しているので、魔力を放出し続けるということは、やがて死に至ると考えずとも分かるだからだ。
つまり人道的な観点から、今まで試す者がいなかったということである。試したとしても世間から猛烈な批判を受けるために、誰も公表しなかったのだろう。
出がらしとなった人間達は各地から誘拐してきた使い捨ての道具だった。古今東西、人攫いの話など珍しくはない。北部で起きた誘拐事件の中には、西部の間者が絡んだものもあった。
ランカガがパジオの裏競売を問題視しなかったのは、何も金の無心に不利になるからというだけではない。自分達の所業が明るみに出さないための、言わば身代わりであった。特に貴族出身者は魔術の訓練のお陰で魔力の容量が大きい。ミェンタージュが開催した裏競売の顧客の中には、ランカガから仕向けられた西部の貴族もいた。自領地の民を減らすより、他の地方の民を使い潰す方がいいからだ。
慌てふためく円陣を囲む魔術師達を、エイレンは無慈悲に殺していった。因果応報というべきか、彼らは抽出中は体を動かすことができなかった。
これでランカガが身に纏う保護魔術は消えた。あらゆる攻撃が通るようになった。残るは運の問題……彼がヤブラギィに気を取られて背後の射手達に気付かぬことを願うばかりであった。
「酷い人だわ、ランカガ・スタウツーデュ。でも僅かな親心は捨て切れなかったのね。普段のあなただったら部下の変化にも気付けたはずなのに、ああも息子の言葉に動揺するなんて……うふふ、あなたも最後くらいは身内に甘くできたじゃない。よかったわね?」
まさに妖精の如き可憐な美しさで銀の髪をたなびかせるエイレンに、ランカガは痛みに耐えながら力を振り絞り、顔を上げて強烈な睨みを利かせた。
「フッ”……ゴホッ”、ゴフッ……!!」
「まぁまぁ! そんなに目を細めてみても怖くないわよ、大きな猫ちゃん! ニャーニャーと喚くこともできないで残念だねぇ? 喉が潰れてるから、お得意の魔術も使えずに腹立たしいでしょう? 今ってどのくらい苦しいのかなぁ? ……あっ、ごめんねぇ、声が出せないから答えられないんだった! うっふふふ! どうせ一つになるんだから、あなたの人生をたっぷり味わってあげるね!」
「ン”ッ”……グゥ”ッ”――!?」
エイレンはカリッと自身の指先を噛むと、できた血豆をランカガの口内に差し入れた。
新たな痛みがランカガを襲う……体を、記憶を蹂躙する痛みが全身の感覚を乗っ取り始め――……。
『素晴らしい成績だ、ランカガ! 神童とはまさにお前のためにある言葉だな! この調子で鍛錬を怠るなよ! お前には成人後、兄らを支えるという大切な役目があるのだからな!』
―― はい、父上。今後とも精進して参ります。
『ランカガ、お前は本当にすごいな。お前が遅くに生まれてくれてよかったよ。次男、三男辺りだったなら父上は長男である俺にではなく、お前に家督を譲っていただろう。いやぁ、俺は運がいい! よかったよかった、お前が五男で本当によかった! お前さえいてくれればスタウツーデュ家は安泰だ!』
―― ええ、共に良き未来を目指しましょう。兄上。
『お母様は誇らしいわ、ラック。やはり正妻でなければ良き子は産めないのよねぇ。あの女狐共の子を見てごらん、どれも貧相な体に冴えない顔付き! 私だって病気をしていなければもっと早くにお前を産んでやれたのに……あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ”!!お前もお前よっ!! どうして側室が四人も男児を産んでしまうまで宿らなかったの!? お前がもっと早くにお母様を見つけていれば、長男となってお家を継げたというのにっ!! いくら優れていても五番目じゃ意味がないのよぉっ!!!!』
―― 申し訳ございません、母上。こればかりはどうにも……。
煩わしい。
この世に生を受ける前から道を定められ、手に入らぬものを望まれ、挙げ句自分より劣る者の世話を義務付けられている。屈辱だ。
貴様ら凡愚が俺に命令するな。生まれ順がなんだ。スタウツーデュは後に生まれた子供ほど優れているではないか。長兄が一番愚鈍だ。あんな愚か者にこれからの俺の人生を捧げなければならぬとは、こんな馬鹿げた話があるか。
憎い。憎い。
才や努力では覆せぬ決まり事が憎い。
運が良かっただと? そんな不確かなものを堂々と口にする人間がスタウツーデュを導けるものか。
運など……俺が……俺に運さえあれば……。
『お疲れですか、坊ちゃま?』
それは老婆の声だった。
一つに結った白髪に、全身に深く刻まれたシワ。俺の乳母だった。
―― ああ、聞き分けのいい弟を演じるのは疲れるよ。いっそ積み上げたもの全て壊して回りたいくらいだ。
『では、そうすればよろしい。成人前とはいえ、すでにあなた様は誰にも敗れぬ力をお持ちです。ご自身の雷鳴に打ち勝つ者など、この西部にはおりますまい』
―― わっはっはっ! まさか肯定されるとは思わんだぞ! ……こんな滅多なこと、人前では話すなよ。いくら長く勤めている身とはいえ、職を辞するだけでは済まされん。城を追い出されるどころか首まではねられてしまう。
『あぁ……おやさしく聡明な愛しの坊ちゃま……ばあやは悲しくてならないのです。優れた御人がなにゆえ日陰を歩まねばならぬのでしょう? あなた様こそ頂きに立つ御方……玉座にはあなた様がお座りになられるのです。あなた様こそ、天に選ばれし王の器……』
ばあやは俺の頭を抱いて撫でた。十代半ばにして兄弟の誰よりもたくましく成長した俺に、幼少期と変わらぬ接し方をするのは彼女だけだった。
ばあやの声はささくれ立つ心を抑えてくれる。彼女はおとぎ話の魔女のようだ。別段容姿が整っているわけでもない。歌姫のように美しい声色をしているわけでもない。それでも、俺にとっては特別な存在だった。
―― ……王か。なれるだろうか、俺が当主に……。
『おほほ、当主など……そんなちっぽけな器で満足なのですか? 坊ちゃまはずいぶんと控えめになられましたねぇ。ご心配なさらずとも、ばあやには見えますよ。スタウツーデュ家どころか、この世の全てを統べる坊ちゃまの御姿が。ばあやを信じなさい……ばあやの言う通りにするのです。わたしだけが、あなた様を導ける……』
ばあやの言葉は俺の心を曇らせ……いや、”目覚め”させた。
―― そうだな……目指してみるか。王というものを。
あの時の彼女のしわくちゃの笑顔が忘れられない。温かく、おぞましい老婆の笑みはさらに俺を奮い立たせた。
そうとも。生まれ順も運も関係ない。力を持つ者がどうして無能に配慮する必要があるんだ? 我慢することなど何もない。強者は己の思うがままに生きればよいのだ。
俺はばあやに説かれたその日に家族を拘束し、成人後に当主の座を譲るよう契りを結ばせた。事が落ち着き、俺は真っ先にばあやへ報告に向かった。だが、彼女は突として姿を消した。怯える使用人や兵士に聞いて回っても、彼女の行方は一向に知れないままだった。
悲しくはなかった。彼女とはいつか、再会できる気がしたからだ。
俺はただ上るだけだ。一番高い場所に立って、見上げる人々の顔を覗けばいい。そこにお前はいるだろう。ばあや、俺は王になるぞ。お前も呼んでやる。玉座の後ろで控えるのはお前だ。父でも母でも兄弟でもない、妻子でも……見ていろ、俺は必ず掴み取る。黄金に輝く椅子を我が物とし、いつかお前を迎え――。
「その椅子に座るのはエカノダよ」
エイレンは脳内に溢れる彼の追憶を踏みにじるかのように否定した。
同化は完了した。
這いつくばっていたランカガは体を起こし、エイレンを見上げて人形のような空っぽの笑みを向けた。
ガガラから立ち昇った煙は、地震によって引き起こされた建物の倒壊によるものとして片付けられた。地獄の領地より送られた”特別な作業員”のお陰で、街は一週間も経たないうちに元の生活を取り戻し、住民は何事もなかったかのように働きだした。
その一件以降、タハボートでは諸公の結び付きが急激に強まった。西手の次男坊……ローカン・スタウツーデュと、北手の一人娘……ミェンタージュ・アラスチカの婚約が発表されたのと同時期のことである。
式はすぐに執り行われ、両者の親である北西の護り手は勿論、東南の護り手や、多くの国民、周辺の友好国から呼んだ使者らも参加し、若き二人はたくさんの祝福の声の中、手と手を取って微笑み合った。
空に花が舞う良き日に、タハボートは”共和国”から”王国”へと名乗りを変えた。
王位を獲得したるはランカガ・スタウツーデュ。諸外国の使者らは爛々と歪む金瞳の奥に描かれた統治図に震えながら、帰国を急いだ。
新婦が暮らすガガラの住民は、夜通し繁栄を祝う輪舞を踊った。
手を繋ぎ、軽やかな伝統曲に合わせて弾む輪の中には、銀の髪を輝かせる少女と、半人半蛇の異形の少女の姿があった。
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