なぜか軟禁されてました〜脇役はどうしたらいいですか〜

涙乃(るの)

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第一部

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『暑い…』

ずっと横になっていたので、体調は回復してきたけれど、寝苦しいのは変わらない。


せめて、半袖の服が欲しいな。

汗ばんだ体が、妙に気持ち悪い。

はぁ、お風呂入りたい。

もちろん、この家にお風呂などはない。



大きな桶に水を溜めて体を洗うのだ。

私は、重い身体を起こして、井戸に水を汲みに行った。バケツに水を汲んで、部屋に用意してある大きな桶に水を移すのだ。
ゆっくりと、何往復かこの作業を繰り返した。

『これくらいの量で大丈夫かな』

ある程度桶に水が溜まると、今度はもう一つの桶にも同様に水を入れる。一つの桶で身体を洗い、もう一つの桶には、体を洗った後に入るのだ。
 この作業は体力がいる。
何とか二つの桶に水を貯めると、私は衣服を脱いで水に浸かった。


『気持ちいい』

久々の入浴だった。石鹸で洗い、一通り流し終えると、もう一つの桶に入った。

そうだ、ついでに服も洗おう。
先程着ていた服を洗うことにした。

服を洗い終えると、身体を拭いて、もう1着の服に着替えた。




この天気ならすぐに乾くだろう。

庭に出て、洗濯物を干すことにした。

ふと、門の方向に視線を向けた。昨日お会いしたカイン様の事が頭をよぎった。
 カイン様には、罠は作動しなかったな。

それなら、マリア嬢にも作動しないのかもしれない。

そうかな…
そうだよね、きっとそんな気がする。

『そっかぁ…』

私はもしかしたら、無意味なことをしてたのかもしれない。

あんなに毎日立ってたのに。

『これからどうしよう。』

そもそも本当にマリア嬢は、来るのだろうか。

私は解放されて、自由に。

自由?

その後は?

誰も脇役のその後なんて気にしない。

解放されたって、
どうしろっていうのよ。

今まではたとえ少しでも、パンが届けられていた。でも、解放されたら?

唯一の食料もなくなるの?

無一文で、どうしたらいいの。

この森を取り敢えず出て行くとして、それからは。

この森を抜けたら街があるの?

街へ行けばなんとかなるの?

身元不明、年齢不詳、の私

『…』

脇役なんて、役割を果たしたら退場して、その後の事なんて、誰も気にも留めない。

私、最悪の場合、死ぬのかな。

どうしようもない不安が、押し寄せてきた。
たまらなく怖くなっていく。

一度芽生えた怖さは、どんどん大きくなり、不安と共に涙となって溢れてきた。

『うぅっ…うっ』

我慢することが出来ずに、私はいつの間にか号泣していた。













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