31 / 37
第一部
ある男視点 6
しおりを挟む
いつの間にかリィーンの家の近くまで来ていた。
いい歳して自分の行動が情けない。
リィーンと他の男が一緒にいるところなど見たくない。
リィーンの幸せを願っているのに。
どうしたら良いのか…
心が葛藤する。
虚無感を抱きながら、リィーンのいない家をただ見つめていた。
リィーン
キースが助けたのか
出来るなら私がこの手で連れ出したかった。
「ぱーい…せんぱーい」
いつの間にかキースが追いついてきたようだ。
「はぁ…もう先輩なんなんすか、急に駆け出して。こっちはずっと捜してたのに。
はい。これ。」
キースから書簡を渡される。
『これは?』
「必要な書類ですよ。会議の結果分かりましたよ」
『お前も聞いたのか?』
「は? もってことは先輩知ってたんですか?ーーのこと。どうやって知ったんですか?」
『団長からだ』
「団長って…は?まさか先輩、騎士団来てたんですか?
俺全然気づかなかったですけど。どこにいたんですか?」
『宿舎だ。気づく訳ないだろう。お前はあの小屋にいたんだから。』
「え?小屋に来たのは昨日ですけど」
『は、何を冗談を言っている。
私の代わりにリィ…対象者のこと頼んだだろう』
「…何のことです?」
『おい、キースふざけてるのか?
伝言を頼んだはずだが』
「何も聞いてないですけど」
『…』
『今…この任務に関わってるのは私とお前以外に誰がいる?』
私は高ぶる感情を抑えキースに詰め寄る
「ちょ…先輩…」
『ふざけず真面目に答えろキース!』
「担当は…先輩と俺くらいっすよ。団長には報告はしますけどこっちには来ませんし」
何ということだ。
1ヶ月近くだ。1ヶ月近くも放置されていたなんて!
私は一体何をしている。
怒りで拳を木に叩きつけていた。
「先輩……?
どうしたんですか…」
キースが不安気に問いかけてくる。
『キース!私は、会議の報せを待つ間、ずっと宿舎にいたんだ!その間対象者には…』
「!」
「そ、それって、
何も食べてないってことじゃないですか。
大変だ、助けないと」
青ざめたキースが駆け出そうとしていた。
駆け出すキースの腕を咄嗟に掴んだ。
『おい、どこに行く?』
「どこって、何言ってるんですか。対象者の家ですよ」
『?』
『キース…
どういうことだ…?
キースが助けたのではないのか…?』
「助けてないですよ!だから早く」
『落ち着けキース!
リィーンだ』
「え、なんで今リィーンこことを…
先輩リィーンのこと知ってるんですか?」
『対象者はリィーンだ!』
「は?そんな、リィーンが?
俺、知らずに…」
『リィーンとお前はどうして一緒にいた?』
私はキースからリィーンを保護した経緯を聞いた。
『そうか、自力で脱出したのだな。
よく、助けてくれたキース。』
「すみません先輩!
俺、対象者と知らずに…」
『いや、キースは、リィーンにとって命の恩人だ。私からも礼を言う』
「え、そんな…」
『それで、リィーンの具合は?』
「解毒剤を飲んでもらったので、だいぶ良さそうでした。
あ、先輩、じゃあさっきの書類はリィーンに渡さないと。」
『あぁ、そうだな。
急いで小屋に戻ろう』
いい歳して自分の行動が情けない。
リィーンと他の男が一緒にいるところなど見たくない。
リィーンの幸せを願っているのに。
どうしたら良いのか…
心が葛藤する。
虚無感を抱きながら、リィーンのいない家をただ見つめていた。
リィーン
キースが助けたのか
出来るなら私がこの手で連れ出したかった。
「ぱーい…せんぱーい」
いつの間にかキースが追いついてきたようだ。
「はぁ…もう先輩なんなんすか、急に駆け出して。こっちはずっと捜してたのに。
はい。これ。」
キースから書簡を渡される。
『これは?』
「必要な書類ですよ。会議の結果分かりましたよ」
『お前も聞いたのか?』
「は? もってことは先輩知ってたんですか?ーーのこと。どうやって知ったんですか?」
『団長からだ』
「団長って…は?まさか先輩、騎士団来てたんですか?
俺全然気づかなかったですけど。どこにいたんですか?」
『宿舎だ。気づく訳ないだろう。お前はあの小屋にいたんだから。』
「え?小屋に来たのは昨日ですけど」
『は、何を冗談を言っている。
私の代わりにリィ…対象者のこと頼んだだろう』
「…何のことです?」
『おい、キースふざけてるのか?
伝言を頼んだはずだが』
「何も聞いてないですけど」
『…』
『今…この任務に関わってるのは私とお前以外に誰がいる?』
私は高ぶる感情を抑えキースに詰め寄る
「ちょ…先輩…」
『ふざけず真面目に答えろキース!』
「担当は…先輩と俺くらいっすよ。団長には報告はしますけどこっちには来ませんし」
何ということだ。
1ヶ月近くだ。1ヶ月近くも放置されていたなんて!
私は一体何をしている。
怒りで拳を木に叩きつけていた。
「先輩……?
どうしたんですか…」
キースが不安気に問いかけてくる。
『キース!私は、会議の報せを待つ間、ずっと宿舎にいたんだ!その間対象者には…』
「!」
「そ、それって、
何も食べてないってことじゃないですか。
大変だ、助けないと」
青ざめたキースが駆け出そうとしていた。
駆け出すキースの腕を咄嗟に掴んだ。
『おい、どこに行く?』
「どこって、何言ってるんですか。対象者の家ですよ」
『?』
『キース…
どういうことだ…?
キースが助けたのではないのか…?』
「助けてないですよ!だから早く」
『落ち着けキース!
リィーンだ』
「え、なんで今リィーンこことを…
先輩リィーンのこと知ってるんですか?」
『対象者はリィーンだ!』
「は?そんな、リィーンが?
俺、知らずに…」
『リィーンとお前はどうして一緒にいた?』
私はキースからリィーンを保護した経緯を聞いた。
『そうか、自力で脱出したのだな。
よく、助けてくれたキース。』
「すみません先輩!
俺、対象者と知らずに…」
『いや、キースは、リィーンにとって命の恩人だ。私からも礼を言う』
「え、そんな…」
『それで、リィーンの具合は?』
「解毒剤を飲んでもらったので、だいぶ良さそうでした。
あ、先輩、じゃあさっきの書類はリィーンに渡さないと。」
『あぁ、そうだな。
急いで小屋に戻ろう』
0
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう
ムラサメ
恋愛
漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。
死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。
しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。
向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。
一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?
愛されないはずの契約花嫁は、なぜか今宵も溺愛されています!
香取鞠里
恋愛
マリアは子爵家の長女。
ある日、父親から
「すまないが、二人のどちらかにウインド公爵家に嫁いでもらう必要がある」
と告げられる。
伯爵家でありながら家は貧しく、父親が事業に失敗してしまった。
その借金返済をウインド公爵家に伯爵家の借金返済を肩代わりしてもらったことから、
伯爵家の姉妹のうちどちらかを公爵家の一人息子、ライアンの嫁にほしいと要求されたのだそうだ。
親に溺愛されるワガママな妹、デイジーが心底嫌がったことから、姉のマリアは必然的に自分が嫁ぐことに決まってしまう。
ライアンは、冷酷と噂されている。
さらには、借金返済の肩代わりをしてもらったことから決まった契約結婚だ。
決して愛されることはないと思っていたのに、なぜか溺愛されて──!?
そして、ライアンのマリアへの待遇が羨ましくなった妹のデイジーがライアンに突如アプローチをはじめて──!?
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
目が覚めると私は昔読んでいた本の中の登場人物、公爵家の後妻となった元王女ビオラに転生していた。
人嫌いの公爵は、王家によって組まれた前妻もビオラのことも毛嫌いしており、何をするのも全て別。二人の結婚には愛情の欠片もなく、ビオラは使用人たちにすら相手にされぬ生活を送っていた。
それでもめげずにこの家にしがみついていたのは、ビオラが公爵のことが本当に好きだったから。しかしその想いは報われることなどなく彼女は消え、私がこの体に入ってしまったらしい。
嫌われ者のビオラに転生し、この先どうしようかと考えあぐねていると、この物語の主人公であるルカが声をかけてきた。物語の中で悲惨な幼少期を過ごし、闇落ち予定のルカは純粋なまなざしで自分を見ている。天使のような可愛らしさと優しさに、気づけば彼を救って本物の家族になりたいと考える様に。
二人一緒ならばもう孤独ではないと、私はルカとの絆を深めていく。
するといつしか私を取り巻く周りの人々の目も、変わり始めるのだったーー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる