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【別れ】10歳
第11話
しおりを挟む【まずは第一次世界戦争から説明しないとな。
長くなるけど大丈夫?】
「気になって寝れない。」
それにすぐに立ち去ったガロンの様子も気がかりだった。
【それもそうか】
シャルは一拍置いて話し始めた
【詳しい話始めるとホントに2,3日かかるから掻い摘んで話すけれど
この世界が作られてから今日までに、世界を巻き込んだ争いが3回あったんだ。
1つ目は、ユウトも知っているであろう精霊戦争。
2つ目は、微弱な魔力しか持たない人間達と膨大な魔力を持った純血魔族との第一次世界戦争。
3つ目は種族と領土の争いが起きた第二次世界戦争。
何回も言うけど詳しい話はまた今度ね?
2つ目の第一次世界戦争の際、微弱な魔力しか持たない人間が純血魔族との争いに勝つ為の手段の一つに先程の武装石が使われたんだ。
ここまでは大丈夫?】
長いがこんな授業はここに来てから幾度となくあったから
話にはついていける。
【この武装石は使用者の極僅かな魔力しか使わず、魔力を何十倍にも増大にして
放出出来たり、好きな形状に変形させることが出来るんだ。
ただその武装石の作成方法が問題があってね、
作成過程はいくつかあるんだけど、
最終工程に武装石の元となる魔石に作成者の魔力を繋ぎとして、
使用者に契約してもらうんだ。】
「なんか嫌な予感してきた。」
【・・・そうだね。
繋ぎとして必要とする魔力は魔石によって変わるけれど、
純度が高ければ高いほど、必要量は大きくなる。】
驚きもそうだが、それよりも悲痛な思いと冷や汗が止まらない。
【ガロンとは君が知らないところで何度か話したことはあるけれど、
言葉では聞いたことが無いけどたぶん、ユウトの事が余程大事だったんだろうね。
実の息子ぐらいに。】
今すぐ叫びたくて、聞いていられなくて、
すぐに顔を見たくて、予想している結果が現実になってほしくなくて
ガロンの自室目指して走り出した。
「そんなのってずるいよ。
僕、なんにもしてあげれてないじゃないか。」
【あの魔石を渡したのは私だ。
普通に加工する方法もあるから勝手にそちらだと失念していた。
正直もう、失われてるとばかり思っていた。】
もうシャルの声は届かなかった。
【・・・丁重に埋葬してあげよう。
族長には私から伝えておくよ。】
シャルの言葉に返す気力すらなく、
ただ、もう冷たくなった満面の笑みのガロンさんを前に泣くしか無かった。
明け方まで泣いていた僕はようやく落ち着き、
そのまま戻ってきたシャルとともに、ガロンさんを家の裏庭に埋葬した。
【さみしいのかい?】
「そりゃさみしいけどさ、
こんな僕の為に命を張ってまで作ってくれた武装石と
大事な思いをもらったから大丈夫だよ。」
胸に手を当て、僕は元気に答えた。
【強くなったね。】
「でも・・・これでシャルまでいなくなったら僕は嫌だからね!」
【肝に銘じておくよ。】
笑顔で返してくれたが、
そこは素直に頷くところじゃないのかな?
何かはぐらかされたような気もするが、
あまり考えても仕方ないから、気分転換にそのまま準備するか。
と行動に移したが、
思ったよりも僕の荷物が無く、すぐに終わってしまった。
ガロンさんの道具はシャルが自分の空間に持って行ってくれる事になったが、
果たしていつ使うのだろうか。
【いつか分かるよ。】
聞いてもそれだけしか教えてくれなかったシャルに
僕はすぐにそっぽを向き、その足でそのままガロンさんの墓標に向かった。
「僕にとっては本当の父さんだったよ。
今までお世話になりました。」
親代わりだったあの人にそれだけ伝えて、僕は生まれ育った故郷を出て行った。
貰った手向けを心と身に抱きながら。
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