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数学の基本−4 幾何と代数

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「それではレッツエンジョイ!数学を楽しみましょう。初めに一つ問題です。数学を分類分けすると何と何に分けられるでしょう。」
「それぐらい知ってるよ。幾何と代数だろ。」
「大正解!素晴らしいですね。今回は特に幾何について説明していきましょう。中島様は幾何と聞くと、どのようなイメージ想像しますか?」
「図形のことだろ。平面図形とか空間とか。」
「その通り。では幾何は英語でなんというか分かりますか?」
「幾何…、わからないな。」
「幾何は英語でgeometryといいます。『土地』を表す『geo』と『測量』を表す『metry』合わさって生まれた言葉です。元々は土地を測量するときに使われていた技術を組み合わせた物なんですよ。」
「ちょっと待ってよ。全く数学と関係ない言葉じゃん。」
「そうなんです。元来数学とは、あんな公式とかを覚えるだけのものなんかじゃなくてもっと現実に結びついたものなんですよ。」
これまでの考えが覆される気がしてきた。

「それではここで、数学のない世界を見てみましょう。」
「数学のない世界?」
「はい、この世界の人たちの頭の中から数学的概念を取り除いてみましょう。えいっ!」
マス・ガイドの掛け声とともに世界がぐるっと回った。

「いてて。いきなり何するんだよ。」
「ご覧ください中島様。これが数学のない世界です。」
「何これ…!?」
そこにはぐちゃぐちゃな農地と、そこで争う男たちの姿があった。
「数学がないだけでどうしてこんなことになるんだよ?」
「説明しましょう。今回は極端な例を見せるために測量技術まで消してしまいましたが、見て分かる通り数学はとても大事な物なのです。具体的に説明しましょう。あの大きな川が見えますか。」
「ああ。」
「あれは、ナイル川のコピーです。ナイル川と同様の特質を持つように設定されています。」
「特質?」
「はい。ナイル川がよく氾濫していたことをご存知ですか?」
「そうなの?」
「はい。ナイル川の周辺は氾濫によって肥沃な大地が生まれ、そこでは農業が盛んに行われていました。」
「え?でも氾濫が起こるんじゃ…?」
「その通り。だからその度に農地を組み直さなければならなかったのです。農地を適切に組みなおすには何が必要ですか?そう、測量です。きちんとした測量ができないと農民同士で争いが起きてしまいます。だからこそ、測量は必要なんです。他にはどんな問題があると思いますか?」
「なんか線が全体的に歪んでいるような。」
「その通り!次はこれを直す方法を考えましょう。というわけで、次は現地実習です。あの農地に行ってみましょう。」
また景色が切り替わり、俺は畑の上に立っていた。
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