3 / 6
3 津軽編
しおりを挟む「えー、3回目を迎えました、【お笑い!!quiz王】。1回、2回と、まだ、正解が出てませんので、本日全問正解しますと、なんと賞金が30万円。正解が1問でも、3万円ですから、おいしいですね。
えー、予選なしのぶっつけ本番ですので、どんなハプニングやアクシデントが起こるか、予測不可能です。
と言うことで、今回もどんな珍解答が出るか、楽しみですね。
わたくし、司会進行を務めさせて頂きます、渡辺です。よろしくお願いします」
パチパチ……(見物人の拍手)
「本日は、新幹線に乗って、青森にやって参りました。
チャレンジしてくれるのは、電車賃が勿体ないと言うことで、隣の町から、わざわざチャリで朝市に買い物にやって来たと言う、主婦歴ん10年の、生手根恵さん、70歳です。
70歳には見えませんね。どこから見ても、69歳ぐらいにしか見えませんよ」
「そったごとねって。 ばって、一歳でも若ぐ見られるど嬉すいもんだね。ガハッ」
「かわいい70歳ですね」
「 おめ、この歳で、めごいなんて言わぃだっきゃ恥ずがすいわ。ガハッ」
「……では、生手さんへの問題です。
第1問。りっしんべんの漢字を1つ答えてください」
「りっしんべんてなんだ? 東北弁だば分がるげど。ガハッ」
「ブー!残念。例えば、女性の性とか憤怒の憤などがそうです」
「フンヌって、なんだ?カンヌは聞いたことあっけど。カハッ」
「……えー、
第2問です。『叫び』で知られる画家と言えば?」
「叫びてぇのは、おらのほうだ。年金で毎日やりくりしながら、はるばる隣り町から買い出しに――」
「ブー!タイムオーバーです。答えはムンクでした。いろいろ事情がおありのようです。
第3問。息子はサン。では、娘は?」
「娘は一人おるだぁ。嫁に行って、もう何年になるべぇ。亭主と喧嘩しては、しょっちゅう里帰りさしとっただども、最近はちっとも顔見せねぇだ。孫も大きくなって――」
「ブー!時間切れです、残念。答えは、ドーダァ」
「どうだぁ、って言われても、どうもこうも、年金でほそぼそと暮らしながら――」
「おっしゃりたいことも多々あるでしょうが、時間の関係で次いきます。
第4問。またとない絶好の機会のことを、せんざい何?」
「洗剤は、お徳用さ買うだ。でっけぇのは重い分、安上がりだべぇ。毎日の生活費もバカになんねぇ。年金で――」
「ブー!残念。千載一遇でした。
第5問です。フランスの小説家ジュール・ルナールの作品のタイトルにある野菜は?」
「野菜ったって、いっぺぇあっぺ。ヒントさくれ」
「英語でキャロットと言います」
「英語なんて、なおさら分かんねぇべ。日本語もろくすっぽ分かんねぇのに。ガハッ」
ハハハ……(見物人の笑い)
「ブー!残念。『にんじん』でした」
「へぇー?ニンジンて、カラットて言うだべか?」
「いえ、カラットじゃなくて、キャロットです。カラットはダイヤなどの質量を表す単位です」
「へぇー?タイヤはキャロットって言うだべか?」
「いいえ。タイヤじゃなくてダイヤです。キャロットじゃなくてカラットです」
「カラッとしてんのは、タイヤだけじゃねぇべぇ。ほれ、見ろ。空もカラッとして、気持ちいいべ。ガハッ」
アハハハ……(見物人の笑い)
「……ここで中間発表です。うむ、まだ正解はありませんが、生手さん、ぜひ正解して、生活費の足しにしてくださいね」
「んだな。がんばんべ」
「それでは、
第6問です。 悪いもの、不必要なものを捨てて、よいもの、必要なものを選び取ることを、何せんたく?」
「洗濯は、全自動洗濯機さ使ってるだぁ。ありゃあ、便利だべぇ」
「ブー!残念。取捨選択でした。
第7問です。駅などの、車両に乗り降りする所は何ホーム?」
「老人ホームだっぺ?娘が、一人暮らしは心配だから、老人ホームに入れ、入れって。……おらぁ、絶対にイヤだ」
「ブー!プラットホームでした。
……生手さん、一人暮らしですか?じゃあ、寂しいですね」
「……んだ」
「頑張ってくださいね」
「んだな。がんばんべ」
「日本が抱える高齢化問題は、非常に深刻ですね。生手さん、元気出して、さっきまでの明るい生手さんに戻ってくださいね」
「んだな。心配かけて、すまなかったな」
「そったらことねぇって。……つられて訛ってしまいましたが。ねぇ、皆さん、ガハッっと笑う生手さんのほうがチャーミングですよね?」
パチパチ……(見物人の拍手)
「ほらね。生手さん、笑って笑って!」
「ガハッ」
パチパチ……(見物人の拍手)
「みんなが応援してますよ!」
「ありがとさん。がんばっかな!」
「では、
第8問です。天気雨のことを何の嫁入り?」
「娘の嫁入り。嫁に行って、もう何年になるべぇ。嫁いだ頃はしょっちゅう里帰り――」
「ブー!残念。狐。では、
第9問です。サザン(3×3)は9。では、ゴゴ(5×5)は?」
「午後は、ワイドショー聴きながら、昼寝するのが唯一の楽しみだぁ」
「ブー!残念。25でした。さて、いよいよ、最終問題です。生手さん、最後の1問だけでも正解してくださいね」
「んだな。がんばんべ」
「めっちゃ簡単な、
第10問です。亭主元気で何がいい?」
「亭主が元気な頃はしょっちゅうケンカさしたけんど、それなりに楽しかったなぁや。天国から見てっかぁ?」(空を見上げて手をふる)
「ブー!残念。留守でした」
♪δ~ζ~ξ~φ~ψ~(ロックの着メロ)
「あ、どなたか、ケータイが鳴ってますよ!」
「あっ、おらだ」
「ゲッ」
カチャッ(ケータイを開く音)
「もすもす。――あんれまぁ、モコミチさん。――今かぁ?クイズ番組さ、出演中だ。――えー?デートはいつにすっかって?……んだな、土曜か日曜がいいべ。――んだ。――場所か?いつものM∀Cにすっぺ。ガハッ。――いやんだぁ。そったらこと、恥ずかすい。ガハッ」
「えー、話が長くなりそうなので、今回はこの辺で。次回をお楽しみに。さようなら~」
パチパチ……(見物人の拍手)
―OK!―
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる