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コトリ祭 -8-
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祭当日、僕は日の出前に神社に到着した。神社は人形山の麓に鎮座しているが、小高くなっていて、まずは石段を上る。その先に鳥居があり、広い境内がある。まだ祭の屋台は組み立っていなかったが、参道沿いに資材やブルーシートが設置されていて、日中から今夜にかけてこの場所が賑わう予感をさせるに充分だった。
丁度、参道のところで、ウミと一緒になった。
「早起きだね」ウミが言った。「ちゃんと起きて、えらいじゃん」
「そりゃあ、あれだけ練習したからね。寝坊できないでしょ」
僕の言葉に、ウミは、えへへ、と笑うと、急に反対側…今、歩いて来た、鳥居の方角…を振り向いた。僕もつられて、踵を返した。
ああ、そうか、この神社は小高いから、景色がいいんだ。鳥居を透かして、町の建物が小さく見え、その向こうには水平線。上り始めた陽光に海面のさざ波が照らされて、キラキラと幻想的だった。藁人形を運んだり、そのほかの用事で何回かこの神社を訪れていたのに、ウミに促されるまで気づかなかったなんて…。
「毎年、夏の終わり頃に花火大会をやるんだけれどね、今年はできないかなあ…」ウミが言った。花火大会とは初耳だ。島の事だから、境内に大勢が集まって手持ち花火でもやるんだろうか? 「あ、ユウくん、今、どうせ小さな花火大会だ、って思ったでしょ」
僕の口許が緩んでいるのを見てか、ウミが言った。僕は慌てて否定した。
「神社の境内でやる花火大会とは違う…んだよね?」
ウミは微笑むと、頷いた。
「この鳥居からまっすぐ見える、あの船着き場のあたりから打ち上げるんだよ。といっても、数百発もないけれどね。町からもよく見えるし、船着き場あたりには屋台も出て賑わうんだよ。でも、この神社の、ここから見るのが一番きれいかなあ…。穴場なんだよ?」
この島の総人口を考えれば、こんないい場所が穴場となっている事も説得力がある。ただ、ウミの言う通り、住民の半数が島外退避してしまえば、花火どころではないだろう。
参道を抜け、社に至ると、既に中には明かりがついていた。僕らは古びた社の階段を軋ませながら、狭い社の中に入った。
中にはアメリと委員長、保健教師が来ていて、暇を持て余して何やら雑談をしているようだった。みんな早起きだ。
「おはよう、ウミ、圷くん」
アメリが声をかけてくれた。
「いよいよだね」
ウミが言った。
それから、委員長が今日の段取りについて説明をしてくれた。まず、僕らは巫女装束に着替え、化粧をする。それから神主…つまりアメリの母親…の祈祷を受け、藁人形を境内の広場に運び出す。この段階で時間があれば、一回だけ本番の環境でリハーサルを行う。舞踊が終る頃は、恐らく昼過ぎだろう、との事だった。終わった後は解放なので、好きに祭の屋台でも見て回ればよい、と。折角なので、最後に石を投げ入れて火を消すところまで見てみたいところだが。
程なくして、僕の祖母とウミの祖父含めた老人たち何人かが手伝いにやってきた。そう言えば、夜に何度か家を空けて祭の準備をしていたけれど、進行の段取りや篝火の薪の世話などをしていたのだろう。案の定、祖母は僕らの着替えの手伝い、ウミの祖父その他の男性老人は倉庫の薪を広場に運ぶ仕事を請け負っていた。
保健教師と委員長から渡された巫女の衣装は、僕が想像していたよりもずっと…本格的だった。初詣なんかでバイトの少女が着ている、形恰好だけの巫女服とは質や仕立てが全然違って見えた。これを燃やしてしまうのは、相当勿体ないぞ…。
僕らは社の、これまた狭い控室に入ると、それぞれ、委員長、保健教師、祖母に手伝って貰い、巫女服を着た。まず、白襦袢を羽織り、白帯で固定した。その次に、赤い長い布…掛襟というらしい…を肩から下げ、白衣という厚い生地の着物を羽織った。それから、よく目にする、あの緋袴を履いた。袴の腰の部分からは長い帯が出ており、それを幾重か腰に巻き付けた後、腹部のあたりで大きなリボン状にして留めた。袴は、大腿部に大きく切り込みが入っているので、なんだかその部分だけ涼しかった。生地はしっかりしており、ずっしりと重みを感じる…。
「投ぐるべからず、置くべからず、跨ぐべからず…」
僕の袴の帯をきつく締めながら、委員長が言った。
「なんですかそれ? この神社のしきたりか何かですか?」
「巫女装束を扱う上での注意。脱ぎ捨てるな、脱いだら捨て置かずにすぐに畳め、巫女装束の上を跨いで歩くな」
「なるほど…それは霊験あらたかですね」
「終わってから脱ぐとき、気を付けるのよ…といっても、圷くんは火に投げ入れるから、いいのか」
袴が終わり、足袋を履き終えると、最後に、千早という前の開いた上着のような物を羽織った。ふうわりとした生地に見えて、そこそこの重量がある。胸元に緋色の紐が下がっており、それを緩く留めるだけだった。
「巫女舞をする時は、これを着なきゃね」
委員長が言った。
「この千早というやつも、最後は火に入れてしまうんですか?」
「もちろん。圷くんの最終形態は、草履、足袋、それから襦袢だけ」
素っ裸と言われなくて安心した。まあ当然、襦袢の下には肌着を着用している訳だが…。
巫女服が終わると、今度は化粧を施された。何か巫女専用の…というか、儀式用の特別な化粧法があるのかと思ったが、普通の化粧だった。当然、以前にセーラー服で女装させられた時よりは、薄化粧だが。
僕は、隣で保健教師に化粧をされているウミの方を横目で見た。まだ、まじまじとは観察できないが、すっかり巫女然としているのが、視界の端っこでも解った。ウミは、僕がつけていない、ある装飾品をつけていた。
「そうか、ウミとアメリは髪の毛の長さがあるから…」
「あ、これ? いいでしょう」ウミが、自分の髪の毛を束ねる紅白の水引紐を揺らして、言った。「巫女さん、って感じだよね」
「だいぶ雰囲気が変わるよなあ…」
僕の呟きに、ウミは、一瞬だけ顔を僕の方にむけると
「ユウくん、綺麗だよ」
と、囁き声で囃してきた。僕は苦笑いをして、委員長に、じっとしていなさい、と叱られた。
一通り化粧を終えると、委員長はワセリンを両手に塗り広げ、僕の色々な箇所に刷り込んだ。
「保湿と、化粧崩れ防止ね」
最後に金装飾のカンザシを頭に挿し、三人の巫女が完成した。
僕らは、お互いに姿恰好を確認しあった。アメリとウミはなんだかはしゃいでいたが、僕はそんな気分でもなかった。でも…ウミの巫女姿は、とても美しく、なんだか、ドキっとしてしまった。なんというか、普段、彼女の化粧姿を見ることはないので、そのギャップが余計そう思わせているのかもしれないけれど、いつものあどけなさ、いたいけな感じよりも、ちょっぴり大人びて見えた。それは、アメリも、もちろん、そうなのだが。
「アメリはまるで別人だよね」ウミが言った。「今日はメガネじゃないもんね。ねえ、ユウくん、アメリをみて、ドキっとするんじゃない?」
そうやって、メガネを地味キャラのアイテム前提に話すのは良くないと思うぞ…。
「わたしなんかより、圷くんの方がよっぽど傑作じゃない? 髪の長さはないけれど、ボーイッシュな年ごろの女の子の巫女さん、って感じ」
巫女はまあ、全員女の子な訳だが…。ん? 違うか、僕は男だから。
ウミは、にひひ、と笑うと
「そうだ、今度、普通に女装して、クラスの男の子を誘惑してもらおうよ」
と言った。そろそろいい加減にしないと、怒るぞ。
「姉さん、写真撮ってもらってもいいかしら?」
アメリが委員長に言った。委員長は、神前で撮ると母さんに怒られるかもしれないけれど…などと呟きながら、僕ら三人を横に並べると、神楽鈴を構えるポーズをさせ、写真に収めた。
丁度、参道のところで、ウミと一緒になった。
「早起きだね」ウミが言った。「ちゃんと起きて、えらいじゃん」
「そりゃあ、あれだけ練習したからね。寝坊できないでしょ」
僕の言葉に、ウミは、えへへ、と笑うと、急に反対側…今、歩いて来た、鳥居の方角…を振り向いた。僕もつられて、踵を返した。
ああ、そうか、この神社は小高いから、景色がいいんだ。鳥居を透かして、町の建物が小さく見え、その向こうには水平線。上り始めた陽光に海面のさざ波が照らされて、キラキラと幻想的だった。藁人形を運んだり、そのほかの用事で何回かこの神社を訪れていたのに、ウミに促されるまで気づかなかったなんて…。
「毎年、夏の終わり頃に花火大会をやるんだけれどね、今年はできないかなあ…」ウミが言った。花火大会とは初耳だ。島の事だから、境内に大勢が集まって手持ち花火でもやるんだろうか? 「あ、ユウくん、今、どうせ小さな花火大会だ、って思ったでしょ」
僕の口許が緩んでいるのを見てか、ウミが言った。僕は慌てて否定した。
「神社の境内でやる花火大会とは違う…んだよね?」
ウミは微笑むと、頷いた。
「この鳥居からまっすぐ見える、あの船着き場のあたりから打ち上げるんだよ。といっても、数百発もないけれどね。町からもよく見えるし、船着き場あたりには屋台も出て賑わうんだよ。でも、この神社の、ここから見るのが一番きれいかなあ…。穴場なんだよ?」
この島の総人口を考えれば、こんないい場所が穴場となっている事も説得力がある。ただ、ウミの言う通り、住民の半数が島外退避してしまえば、花火どころではないだろう。
参道を抜け、社に至ると、既に中には明かりがついていた。僕らは古びた社の階段を軋ませながら、狭い社の中に入った。
中にはアメリと委員長、保健教師が来ていて、暇を持て余して何やら雑談をしているようだった。みんな早起きだ。
「おはよう、ウミ、圷くん」
アメリが声をかけてくれた。
「いよいよだね」
ウミが言った。
それから、委員長が今日の段取りについて説明をしてくれた。まず、僕らは巫女装束に着替え、化粧をする。それから神主…つまりアメリの母親…の祈祷を受け、藁人形を境内の広場に運び出す。この段階で時間があれば、一回だけ本番の環境でリハーサルを行う。舞踊が終る頃は、恐らく昼過ぎだろう、との事だった。終わった後は解放なので、好きに祭の屋台でも見て回ればよい、と。折角なので、最後に石を投げ入れて火を消すところまで見てみたいところだが。
程なくして、僕の祖母とウミの祖父含めた老人たち何人かが手伝いにやってきた。そう言えば、夜に何度か家を空けて祭の準備をしていたけれど、進行の段取りや篝火の薪の世話などをしていたのだろう。案の定、祖母は僕らの着替えの手伝い、ウミの祖父その他の男性老人は倉庫の薪を広場に運ぶ仕事を請け負っていた。
保健教師と委員長から渡された巫女の衣装は、僕が想像していたよりもずっと…本格的だった。初詣なんかでバイトの少女が着ている、形恰好だけの巫女服とは質や仕立てが全然違って見えた。これを燃やしてしまうのは、相当勿体ないぞ…。
僕らは社の、これまた狭い控室に入ると、それぞれ、委員長、保健教師、祖母に手伝って貰い、巫女服を着た。まず、白襦袢を羽織り、白帯で固定した。その次に、赤い長い布…掛襟というらしい…を肩から下げ、白衣という厚い生地の着物を羽織った。それから、よく目にする、あの緋袴を履いた。袴の腰の部分からは長い帯が出ており、それを幾重か腰に巻き付けた後、腹部のあたりで大きなリボン状にして留めた。袴は、大腿部に大きく切り込みが入っているので、なんだかその部分だけ涼しかった。生地はしっかりしており、ずっしりと重みを感じる…。
「投ぐるべからず、置くべからず、跨ぐべからず…」
僕の袴の帯をきつく締めながら、委員長が言った。
「なんですかそれ? この神社のしきたりか何かですか?」
「巫女装束を扱う上での注意。脱ぎ捨てるな、脱いだら捨て置かずにすぐに畳め、巫女装束の上を跨いで歩くな」
「なるほど…それは霊験あらたかですね」
「終わってから脱ぐとき、気を付けるのよ…といっても、圷くんは火に投げ入れるから、いいのか」
袴が終わり、足袋を履き終えると、最後に、千早という前の開いた上着のような物を羽織った。ふうわりとした生地に見えて、そこそこの重量がある。胸元に緋色の紐が下がっており、それを緩く留めるだけだった。
「巫女舞をする時は、これを着なきゃね」
委員長が言った。
「この千早というやつも、最後は火に入れてしまうんですか?」
「もちろん。圷くんの最終形態は、草履、足袋、それから襦袢だけ」
素っ裸と言われなくて安心した。まあ当然、襦袢の下には肌着を着用している訳だが…。
巫女服が終わると、今度は化粧を施された。何か巫女専用の…というか、儀式用の特別な化粧法があるのかと思ったが、普通の化粧だった。当然、以前にセーラー服で女装させられた時よりは、薄化粧だが。
僕は、隣で保健教師に化粧をされているウミの方を横目で見た。まだ、まじまじとは観察できないが、すっかり巫女然としているのが、視界の端っこでも解った。ウミは、僕がつけていない、ある装飾品をつけていた。
「そうか、ウミとアメリは髪の毛の長さがあるから…」
「あ、これ? いいでしょう」ウミが、自分の髪の毛を束ねる紅白の水引紐を揺らして、言った。「巫女さん、って感じだよね」
「だいぶ雰囲気が変わるよなあ…」
僕の呟きに、ウミは、一瞬だけ顔を僕の方にむけると
「ユウくん、綺麗だよ」
と、囁き声で囃してきた。僕は苦笑いをして、委員長に、じっとしていなさい、と叱られた。
一通り化粧を終えると、委員長はワセリンを両手に塗り広げ、僕の色々な箇所に刷り込んだ。
「保湿と、化粧崩れ防止ね」
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僕らは、お互いに姿恰好を確認しあった。アメリとウミはなんだかはしゃいでいたが、僕はそんな気分でもなかった。でも…ウミの巫女姿は、とても美しく、なんだか、ドキっとしてしまった。なんというか、普段、彼女の化粧姿を見ることはないので、そのギャップが余計そう思わせているのかもしれないけれど、いつものあどけなさ、いたいけな感じよりも、ちょっぴり大人びて見えた。それは、アメリも、もちろん、そうなのだが。
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そうやって、メガネを地味キャラのアイテム前提に話すのは良くないと思うぞ…。
「わたしなんかより、圷くんの方がよっぽど傑作じゃない? 髪の長さはないけれど、ボーイッシュな年ごろの女の子の巫女さん、って感じ」
巫女はまあ、全員女の子な訳だが…。ん? 違うか、僕は男だから。
ウミは、にひひ、と笑うと
「そうだ、今度、普通に女装して、クラスの男の子を誘惑してもらおうよ」
と言った。そろそろいい加減にしないと、怒るぞ。
「姉さん、写真撮ってもらってもいいかしら?」
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