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最終部
第1章:ささやかな動揺
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学術院の中庭。
婚約発表の噂は、もう学友たちの間でも広がっていた。
「おい、聞いたか? 殿下とローゼンベルク嬢の発表が近いそうだ」
「へえ、華やかだろうなあ。きっと“愛の言葉”で盛り上がるぞ」
「殿下、壇上で大声で『愛してる!』くらい言うんじゃないのか?」
笑い混じりの軽口が、なぜかエドガーの耳にひっかかった。
(……愛の言葉、か)
確かに、婚約発表は華やかで人目を引く。
人々は、二人の未来を夢見るように見守るだろう。
その場で「愛している」と告げることは、誰にとっても納得の証になる。
(だが、俺は……)
想いはある。けれど、声にできない。
手を握ることはできても、言葉にはできない。
クラリッサのことを愛おしいと思うほどに、口に出せなくなってしまう。
「殿下、顔色が悪いぞ?」
ユリウスが心配そうに覗き込んだ。
「……問題ない」
「またその口調だ。どうせ“問題しかない”顔をしているくせに」
「……黙れ」
従者の冗談を一蹴しながら、エドガーは視線を落とした。
(俺は……彼女に、ちゃんとできているだろうか)
未来を宣言するはずの日が迫るほど、心の奥のざわめきは強くなっていく。
婚約発表の噂は、もう学友たちの間でも広がっていた。
「おい、聞いたか? 殿下とローゼンベルク嬢の発表が近いそうだ」
「へえ、華やかだろうなあ。きっと“愛の言葉”で盛り上がるぞ」
「殿下、壇上で大声で『愛してる!』くらい言うんじゃないのか?」
笑い混じりの軽口が、なぜかエドガーの耳にひっかかった。
(……愛の言葉、か)
確かに、婚約発表は華やかで人目を引く。
人々は、二人の未来を夢見るように見守るだろう。
その場で「愛している」と告げることは、誰にとっても納得の証になる。
(だが、俺は……)
想いはある。けれど、声にできない。
手を握ることはできても、言葉にはできない。
クラリッサのことを愛おしいと思うほどに、口に出せなくなってしまう。
「殿下、顔色が悪いぞ?」
ユリウスが心配そうに覗き込んだ。
「……問題ない」
「またその口調だ。どうせ“問題しかない”顔をしているくせに」
「……黙れ」
従者の冗談を一蹴しながら、エドガーは視線を落とした。
(俺は……彼女に、ちゃんとできているだろうか)
未来を宣言するはずの日が迫るほど、心の奥のざわめきは強くなっていく。
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