『まあ!偶然ですわ!』 ―鈍感殿下と恋する令嬢―

だって、これも愛なの。

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最終部

第8章:本当の答え

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婚約発表を終え、華やかな大広間をあとにした二人。
回廊には静かな夜風が流れ、窓の外には満天の星が広がっていた。

クラリッサは胸元を押さえながら、弾むような声を漏らした。
「まあ……夢のようでしたわ」
「……そうか」

エドガーは少し息を吐き、彼女を見下ろした。
その瞳には、まだ言い足りないものが滲んでいた。



「クラリッサ」
「はい?」
「……俺は、言葉が足りなかったかもしれない」
「そんなこと……」
「本当は、誰よりも君を大切に思っている。
 だが、それを“素直に言えない“自分が、情けなくて」

吐き出すように告げる彼に、クラリッサは目を丸くした。
そしてすぐに、ふわりと笑った。



「殿下。わたくしには、ちゃんと届いておりますわ」
「……届いている?」
「ええ。殿下がくださる手の温もりも、視線も、言葉も……
 全部が、わたくしにとって“愛されています”という証なのです」

クラリッサは小さな声で付け加えた。
「それでも……どうしても言葉にしたいときが来たら、その時は必ず聞かせてくださいまし」

エドガーは目を伏せ、そして微笑んだ。
「……ああ。その時は、きっと。
 君は笑うのだろうか、泣くのだろうか」
「ふふ、どちらもかもしれませんわ」



彼は彼女の手を取り、強く握りしめた。
クラリッサは涙をきらめかせながらも、幸せそうに笑った。

二人の影が重なり、星明かりに溶けていく。
未来はもう始まっている。
不器用で、けれど真っ直ぐな二人の歩みは、これからも続いていくのだった。
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