『まあ!偶然ですわ!』 ―鈍感殿下と恋する令嬢―

だって、これも愛なの。

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エピローグ

第2話:手紙の書き直し

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ある日の午後。
執務室の机に向かい、エドガーは静かにペンを走らせていた。

「……昔、言えなかった言葉を、今度は書いてみるか」

かつてクラリッサに渡した手紙。
そこには大切な想いがあったはずなのに、肝心な言葉は書けなかった。
彼女はそれでも感激してくれたが――エドガーの胸にはずっと小さな棘が残っていた。



数日後、クラリッサの部屋。
窓辺で花冠を編んでいた彼女のもとに、エドガーが現れる。

「クラリッサ」
「まあ! 殿下、偶然ですわ!」
「……いや、今日は必然だ」

彼は照れくさそうに小さな封筒を差し出した。
「……これを、受け取ってくれ」



クラリッサは瞳を輝かせて封を切る。
中の便箋には、いつもの真面目な筆跡で綴られた言葉が並んでいた。

『君と共に過ごした偶然の時間が、
 必然となり、未来へ続いていく。
 ……クラリッサ。愛している』



「まあ……っ!」

クラリッサの目に、ぽろぽろと涙がこぼれた。
「殿下……殿下……!」

彼女は便箋を胸に抱きしめながら、嬉しそうに泣き笑った。
「わたくし、嬉し泣きの準備はずっとできておりましたのに……
 実際にこうしてしまうなんて……」

エドガーは耳まで赤くし、彼女の涙を指先で拭った。
「……泣かせるつもりはなかった」
「いいえ。幸せすぎて、泣いてしまったのですわ」



その瞬間、二人の間に流れる空気は、どんな贈り物よりも甘く温かかった。
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