『まあ!偶然ですわ!』 ―鈍感殿下と恋する令嬢―

だって、これも愛なの。

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エピローグ

最終話:偶然に見せかけた必然

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ある日の午前、学術院の廊下。
クラリッサは窓辺でそわそわしながら、足音を待っていた。

(今日は……殿下に「まあ!偶然ですわ!」と申し上げようかしら)

そう心に決め、角を曲がった――その瞬間。

「……偶然だな」

目の前に立っていたのは、先に待ち構えていたエドガーだった。
彼は珍しく、わざとらしく口元を緩めてみせる。

「まあっ!? 殿下のほうから……!」



クラリッサは一瞬きょとんとし、それからぱあっと顔を輝かせた。
「まあ! なんて素敵な偶然なのでしょう!」
「……偶然ではない」
「?」

エドガーは彼女の手を取り、真っ直ぐに見つめる。
「君と出会うことも、こうして歩むことも――必然だった」

クラリッサは目を潤ませ、すぐに笑みをこぼした。
「まあ……必然」
「そうだ。君と未来を共にすることは、必然だ」



クラリッサは幸せそうに頷き、彼の手をぎゅっと握った。
「偶然を重ねて、奇跡になって、そして必然になったのですわね」
「……ああ」

廊下の窓から差し込む光が二人を照らす。
初めて「偶然ですわ」と言った日から積み重ねてきた時間が、今や確かな未来へと繋がっていた。



―完―
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