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第二部
第3話 小さなすれ違い
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式典を終えた数日後。
イザベラは薔薇園を歩きながら、扇子をひらひらとあおいでいた。
その横には、いつものようにラウレンスが控えている。
「どうです? 参謀殿。わたくし、もう立派に“あなたに相応しい令嬢”になったでしょう?」
胸を張るイザベラの顔は、得意げに輝いていた。
ラウレンスは歩みを止め、しばし彼女を見つめる。
やがて、冷静な声が落ちた。
「……まだ無茶ばかりだ」
「っ……!」
イザベラの頬にぱっと赤が差す。
「そんなこと……わたくし、これほど努力をしてきたのに!」
薔薇の影に隠れるように、彼女の瞳が潤む。
けれど、必死に背筋を伸ばした。
「泣いたら、一番じゃなくなってしまいますわ……だから泣きません」
声は震えているのに、扇子を握る手は強かった。
ラウレンスの胸が締めつけられる。
(なぜ、こんなにも健気で……不器用なのだ)
堪えきれず、彼は歩み寄り、そっと彼女の肩を抱いた。
「……泣いても、君は一番だ」
イザベラは大きく目を見開き、やがて小さく笑った。
「……参謀殿、責任を取ってくださいませね」
ラウレンスは返す言葉を見つけられず、ただその笑顔を胸に焼きつけた。
イザベラは薔薇園を歩きながら、扇子をひらひらとあおいでいた。
その横には、いつものようにラウレンスが控えている。
「どうです? 参謀殿。わたくし、もう立派に“あなたに相応しい令嬢”になったでしょう?」
胸を張るイザベラの顔は、得意げに輝いていた。
ラウレンスは歩みを止め、しばし彼女を見つめる。
やがて、冷静な声が落ちた。
「……まだ無茶ばかりだ」
「っ……!」
イザベラの頬にぱっと赤が差す。
「そんなこと……わたくし、これほど努力をしてきたのに!」
薔薇の影に隠れるように、彼女の瞳が潤む。
けれど、必死に背筋を伸ばした。
「泣いたら、一番じゃなくなってしまいますわ……だから泣きません」
声は震えているのに、扇子を握る手は強かった。
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堪えきれず、彼は歩み寄り、そっと彼女の肩を抱いた。
「……泣いても、君は一番だ」
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「……参謀殿、責任を取ってくださいませね」
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