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第二部
番外編 夫婦の日常
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王宮の一角にある居室。
窓辺には薔薇の花瓶、机の上には山のような書類──そして。
「参謀殿、もう一度申しますわ。
この居室にはもっと華やかなカーテンが必要ですの!」
イザベラは腰に手を当て、布地見本を広げていた。
深紅に薔薇柄、金糸の刺繍……どれも目が眩むように派手。
ラウレンスは椅子に座り、こめかみを押さえた。
「私は政務に集中したいだけだ。装飾は最小限で構わん」
「最小限では、わたくしが寂しいのです!」
胸を張って言い切る妻に、ラウレンスは思わず口元を緩める。
「……君は変わらないな」
「当たり前ですわ! 高飛車で、負けず嫌いで、でも──」
イザベラはふっと頬を染め、声を落とした。
「……参謀殿の隣で一番でいたい乙女ですの」
ラウレンスは書類を置き、立ち上がった。
「そんな君を、ずっと隣で見ていられるなら、多少派手なカーテンも悪くない」
「まあ……! では、この薔薇刺繍のものを!」
「……せめて一番落ち着いた柄にしろ」
「ふふ、参謀殿も結局、折れてくださるのですわね」
イザベラは扇子を閉じ、腕を絡めて寄り添った。
ラウレンスは深い息をつきながらも、その頭を優しく撫でる。
──政務に追われる日々も、派手な注文に振り回される日々も。
この夫婦にとっては、何よりも愛おしい日常だった。
窓辺には薔薇の花瓶、机の上には山のような書類──そして。
「参謀殿、もう一度申しますわ。
この居室にはもっと華やかなカーテンが必要ですの!」
イザベラは腰に手を当て、布地見本を広げていた。
深紅に薔薇柄、金糸の刺繍……どれも目が眩むように派手。
ラウレンスは椅子に座り、こめかみを押さえた。
「私は政務に集中したいだけだ。装飾は最小限で構わん」
「最小限では、わたくしが寂しいのです!」
胸を張って言い切る妻に、ラウレンスは思わず口元を緩める。
「……君は変わらないな」
「当たり前ですわ! 高飛車で、負けず嫌いで、でも──」
イザベラはふっと頬を染め、声を落とした。
「……参謀殿の隣で一番でいたい乙女ですの」
ラウレンスは書類を置き、立ち上がった。
「そんな君を、ずっと隣で見ていられるなら、多少派手なカーテンも悪くない」
「まあ……! では、この薔薇刺繍のものを!」
「……せめて一番落ち着いた柄にしろ」
「ふふ、参謀殿も結局、折れてくださるのですわね」
イザベラは扇子を閉じ、腕を絡めて寄り添った。
ラウレンスは深い息をつきながらも、その頭を優しく撫でる。
──政務に追われる日々も、派手な注文に振り回される日々も。
この夫婦にとっては、何よりも愛おしい日常だった。
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