『ずっと一緒、って幼馴染だから当然でしょ?』 ― 無自覚令嬢と耐える青年の両片想いコメディ ―

だって、これも愛なの。

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第11話「庭園のお茶会」

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 領地に戻って数日。
 午後の庭園では、薔薇の香りに包まれて小さなお茶会が開かれていた。
 白いクロスのかかった丸テーブルの上には、クラリッサの好物のケーキと紅茶が並ぶ。

「やっぱりお屋敷のお菓子は格別ね。学園のカフェも楽しいけど、ここは落ち着くわ」

 クラリッサはご機嫌でフォークを動かし、頬をゆるませている。
 その向かいでは、ジュリアンが静かに紅茶を口にしていた。

 少し離れたところで、使用人たちが庭の手入れをするふりをしながら二人を見ている。
 目が合えばにやにやと笑い、「あの二人は相変わらずね」とひそひそ声が飛ぶ。

「ねえジュリアン、あーんしてあげる」
「……クラリッサ」
「だって、ここのケーキを一緒に食べるのが昔から好きだったでしょう?」

 クラリッサは無邪気にフォークを差し出す。
 ジュリアンは一瞬言葉を失ったが、背後の使用人たちの「ほらほら!」という視線に押され、観念して口を開けた。

「……うまい」
「でしょう? やっぱり一緒に食べると美味しいのよ」

 クラリッサは嬉しそうに笑う。その姿を見て、使用人たちは目を細めた。
「本当にご夫婦のよう」「早く正式に婚約してくださればいいのに」

 ジュリアンは紅茶を飲み干しながら、必死に赤くなった耳を隠す。

「……おまえは無自覚すぎる」
「え? 何か言った?」
「……いや。ケーキが甘すぎると言った」

 そうごまかす彼の横顔を、クラリッサは不思議そうに見つめていた。
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