『ずっと一緒、って幼馴染だから当然でしょ?』 ― 無自覚令嬢と耐える青年の両片想いコメディ ―

だって、これも愛なの。

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第13話「収穫祭にて」

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 秋の収穫祭は、領民たちが一年の恵みを感謝する大切な行事。
 広場には屋台が並び、音楽が鳴り響き、子どもたちの笑い声があふれていた。

 クラリッサは花飾りを抱えながら、ジュリアンと並んで歩いていた。
「見て、この花冠! 似合うと思わない?」
「……どうせ俺にかぶせるつもりだろう」
「ふふ、ばれちゃった」

 クラリッサが笑顔で花冠をジュリアンの頭にのせると、周囲から「まあ素敵!」と歓声があがった。
 ジュリアンは眉をひそめながらも、嫌がるそぶりは見せなかった。

 そのとき、小さな子どもがクラリッサのスカートをくいっと引っ張った。
「ねえねえ、お姉さま。お兄さまと結婚するの?」

 広場が一瞬、しんと静まり返る。
 クラリッサは目を丸くして――そして迷いなく答えた。

「え? 違うわよ。ジュリアンは幼馴染なの。ただの、大好きな幼馴染!」

 まただ、とジュリアンは頭を抱えた。
 しかし子どもは首をかしげ、無邪気に笑う。
「でも“大好き”なら結婚するんじゃないの?」

 その場にいた大人たちからも、どっと笑い声があがった。
「お二人は昔から仲良しですものね」「いずれそうなるのでしょう?」

 クラリッサは頬をふくらませ、ぶんぶんと首を振る。
「ち、違うの! 本当に幼馴染で……でも大好きなの!」

 その真剣な声に、ジュリアンの胸はまたもや強く締めつけられた。

(……その“大好き”が、もし恋に変わる日が来たら――俺は、きっと)

 ざわめく広場の中、ジュリアンは誰にも気づかれないように、そっと息を吐いた。
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