『ずっと一緒、って幼馴染だから当然でしょ?』 ― 無自覚令嬢と耐える青年の両片想いコメディ ―

だって、これも愛なの。

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第60話「放課後の余韻」

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 放課後。
 賑やかだった教室が静まり返り、夕陽が差し込む中、クラリッサとジュリアンだけが残っていた。

 机に片肘をつきながら、ジュリアンは低く息を吐く。
「……おまえは、よくもあんなことを堂々と言えるな」
「だって、本当のことだもの」
「……“特別”なんて言葉、簡単に使うな」
「え? 簡単じゃないわ。ジュリアンだから“特別”なのよ」

 無邪気に言い切るその笑顔に、胸がきゅっと締めつけられる。
 彼は視線を逸らし、拳を握りしめた。

(……俺にとっても、おまえは唯一無二の特別だ。
 けど、その言葉を口にした瞬間、幼馴染ではいられなくなる)

 沈黙を破ったのは、クラリッサの柔らかな声だった。
「ねえ、ジュリアン。特別って言われて……嬉しくなかった?」
「……っ」

 心臓を撃ち抜かれたような衝撃に、ジュリアンは言葉を失う。
 それでも、ほんの少しだけ本音をにじませた。

「……嬉しくないわけがない」

 赤く染まった夕陽が、二人の影を長く伸ばす。
 クラリッサはその答えに目を輝かせ、ふんわり笑った。
「よかった。じゃあ、これからも“特別”って言い続けるわね」

「……好きにしろ」

 耳まで赤くしながらそう答える彼を見て、クラリッサは小さな笑みをこぼした。
 夕暮れの教室は、静かで甘い空気に包まれていた。
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