星灯の下で、ふたりの願いは重なる

だって、これも愛なの。

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第24話『手放したくない』

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閉店後、棚の布を掛け終えて振り返ると、悠真がまだ作業台に残っていた。
瓶を一つ、両手で包み込むように持っている。
「その瓶……?」
「今日の女の子の願い。外に返す前に、もう少しだけ見ていたくて」

彼の横顔は、星灯の光に照らされて穏やかだった。
その表情があまりに優しくて、胸が締めつけられる。

「……澪さん」
「はい」
「この店で、澪さんと一緒に過ごす時間が……俺は好きなんだ」
唐突な言葉に、息が詰まる。
「仕事だから、とかじゃなくて。
 隣にいると、もっとここにいたくなる。……手放したくない」

瓶の中の光が、まるで彼の言葉に応えるようにふわりと強く瞬いた。
返事をしようとしたけれど、声が喉に引っかかって出てこない。
代わりに、私は瓶をそっと彼の手と一緒に包み込んだ。

その瞬間、ふたりの手の中で桜色の光がまた小さく瞬いた。
——この光を、ずっと守りたい。
そう思う気持ちは、きっと彼と同じだ。
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