『君だから、恋を知った 』――冷徹殿下×天然令嬢のじれ甘ロマンス――

だって、これも愛なの。

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第7章 殿下視点の独白

――私は、冷徹と呼ばれてきた。
権力者の顔、鋼のような心。
誰からも恐れられ、誰にも寄りかからない。
そう思っていた。

だが、彼女は違う。

「殿下とご一緒できると……嬉しいです」

昨日、休日の庭で無邪気に笑ったリリアーナの姿が、どうしても頭から離れない。
花に囲まれて小鳥を膝に乗せていた彼女は、まるで絵本の中から抜け出したようで――。

(あれほど脆く、愛おしいものを前にして……私は)

拳をぎゅっと握る。
胸の奥が、どうしようもなく熱くなる。

私は冷徹ではなかった。
彼女の前では、ただ不器用にもだえる一人の男だ。

「……意味がない、などと……」
口にしてしまった言葉を思い出す。
自分でも驚くほど真実だった。

休日に、彼女がいなければ――空虚だ。
執務室に山積みの書類を抱えていても、ふと窓の外を見てしまう。
(今、君はどこで笑っているのか)
(誰にその笑顔を向けているのか)

嫉妬すら抑えられない。

それでも彼女は「殿下は優しい方です」と言う。
違う。優しくなどない。
ただ、彼女でなければならない。

「……どうして君なんだ」
独り言は夜の執務室に沈む。

答えはわかっている。
あの無防備な微笑みも、戸惑った瞳も、全部。
守りたいと思ってしまった時点で、私は彼女の虜なのだ。

冷徹と呼ばれた男は、今や一人の令嬢に心を奪われている。
――それをどう伝えるかもわからないまま、ただ不器用にも胸を焦がして。
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