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続編5 試練編
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ある日の午後。
アレクシスのもとに、重臣からの進言が届けられた。
「殿下――その令嬢では、政略の支えにはなりませぬ」
「……何を言っている」
「おっとりとしたご気性は愛らしくとも、政治の場には不向きでございます。
より有力な家から新たに縁談を――」
その言葉に、アレクシスの胸は怒りで煮えたぎった。
だが冷徹な顔を崩さず、ただ静かに告げる。
「その話は二度と口にするな。私が選んだのは、リリアーナだ」
――けれど、その噂は廊下の端から端へと広がっていった。
***
「……わたしは、殿下の重荷でしょうか」
噂を耳にしたリリアーナは、窓辺でうつむいた。
胸の奥に、不安が押し寄せる。
「そんなことはない」
アレクシスは即座に否定した。
けれど彼女の瞳は揺れている。
「だって……皆さま、わたしでは足りないと……」
「足りない?」
彼は思わず声を荒げた。
「足りないのは私だ」
「え……?」
「私は冷徹と呼ばれ、恐れられてきた。けれど君の前でだけは、人として息をしていると感じられる。
それが足りないというなら――私は、君なしでどうすればいい」
リリアーナは息を呑む。
強く握られた手の温もりが、胸の奥まで響いてくる。
「……殿下」
「君は私の重荷ではない。君は私の救いだ」
涙が滲み、リリアーナは小さく笑った。
「そんなふうに言っていただけるなんて……嬉しいです」
二人は手を重ねたまま、互いを見つめ合う。
試練は確かに訪れた。
けれど、それによって二人の心はむしろ固く結ばれていく。
アレクシスのもとに、重臣からの進言が届けられた。
「殿下――その令嬢では、政略の支えにはなりませぬ」
「……何を言っている」
「おっとりとしたご気性は愛らしくとも、政治の場には不向きでございます。
より有力な家から新たに縁談を――」
その言葉に、アレクシスの胸は怒りで煮えたぎった。
だが冷徹な顔を崩さず、ただ静かに告げる。
「その話は二度と口にするな。私が選んだのは、リリアーナだ」
――けれど、その噂は廊下の端から端へと広がっていった。
***
「……わたしは、殿下の重荷でしょうか」
噂を耳にしたリリアーナは、窓辺でうつむいた。
胸の奥に、不安が押し寄せる。
「そんなことはない」
アレクシスは即座に否定した。
けれど彼女の瞳は揺れている。
「だって……皆さま、わたしでは足りないと……」
「足りない?」
彼は思わず声を荒げた。
「足りないのは私だ」
「え……?」
「私は冷徹と呼ばれ、恐れられてきた。けれど君の前でだけは、人として息をしていると感じられる。
それが足りないというなら――私は、君なしでどうすればいい」
リリアーナは息を呑む。
強く握られた手の温もりが、胸の奥まで響いてくる。
「……殿下」
「君は私の重荷ではない。君は私の救いだ」
涙が滲み、リリアーナは小さく笑った。
「そんなふうに言っていただけるなんて……嬉しいです」
二人は手を重ねたまま、互いを見つめ合う。
試練は確かに訪れた。
けれど、それによって二人の心はむしろ固く結ばれていく。
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