教授と陶芸家によるペットの見つけ方

橘 薫

文字の大きさ
2 / 2
相性

大学教授 土屋哲彌の場合

しおりを挟む
 バタバタと慌ただしく廊下を走る音。そして勢いよく会議室のドアが開いた。
「夕夏さん、どうかされましたか」
「て、哲彌、先生っ」
 息急き切って真っ赤な顔して走ってきたのは、この図書館の司書でオレの講座をサポートしてくれる夕夏さん。
「落ち着いて。水飲みます?」
 持っていた未開封の水のペットボトル、蓋を開けて渡すと、彼女はゴクゴクと飲み始めた。仰け反る白い喉に、欲情する。
「すみません、慌ててしまって」
「大丈夫。それより落ち着きましたか」
「はい、大丈夫です」
「講座は二時からでしたよね」
「はい」
 時計を確認すると、ちょうど十二時だった。講座までは二時間。昼飯、どこで、何を「喰おう」かな。
「夕夏さん、ちょっとここ。座ってください」
「……はい」
 訝しげな彼女を一番前の席に座らせて、ホワイトボードの前に立った。ふふ……教師と生徒、みたいだな。

「なんで慌ててたんですか」
「あ……」
「答えて」
「あの、その」
「大丈夫、秘密は守ります。こんな状態で講座のサポート、できないでしょ」
「はい……そう、ですよね、申し訳ありません」

 彼女は話し始めた。講座に必要な資料を取りに書庫に行き、そこで見たものを。
「よくいらっしゃる方で立川さん、っておっしゃる方なんですけど、その方と司書の新菜さんが、その」
 恥ずかしそうにモジモジと内股をすり合わせている様子がそそられる。疼くよなぁ、そんなの見ちゃったら。
「で、夏さんはどう思ったんですか? 書庫でそんなことをしてる二人を見て。疼いちゃいました?」
 夕夏さんの体がぴく、っと動いた。
「せん、せ?」
 オレを見上げる目が不安げなのは、人の睦言を覗き見して疼いてるのを知られたくないから、かな。

「大丈夫、安心して」
「あ、あの」
「やっぱり少し、疼いてますね。熱っぽい」
「あ……」
「こんな状態じゃ午後からの講座に差し支えますねぇ」
「哲彌先生……」
「後二時間あるし、これは鎮めて落ち着かせたほうがいいな」
「て、つ、……んっ、んっ」

 目をそらさずに見つめて、彼女の欲に火を点けたら。優しく甘いキスで蕩かしていく。
「やっ……、やめっ……」
「うるさいよ」
 ネクタイを外して両手を縛り上げた。夕夏さんの目に怯えが走る。けど、快楽には抗えないね?

「…本当に嫌なら解いてあげるけど」
 指先で顎のラインをたどる。耳下腺のあたりを優しく撫で、ぺろりと舐めると夕夏さんの目が蕩けた。
「嫌、かな」
「い、……」
「ああ、嫌なのか、それは残念」
 彼女の両手を戒めているネクタイの結び目に指をかけ、ゆっくりと解く。全部ほどき終わらないうちにおねだりできたら、オレの躾はちゃんとできてるってこと。

「て、哲彌っ、せんせ」
「ん?」
「やじゃない、です」
「なに? 聞こえない」
「やじゃ、ないですっ」
「嫌じゃないの?」
「じゃ、ない……です」
「じゃ、どうしてほしいの」
「この、まま」
「このまま?」
「ここ、でっ」
「ここで?」
「……し、て…」
「何を」

 いつもの言葉遊び。オレと夕夏さんの、お互いを高ぶらせる大事な、言葉の前戯。
「お、か、し、て……」
 声として発声されない、ほぼ吐息の言葉を聞き取る。うん、いい感じに欲情したね?
「夕夏さん」
「は、い」
「オレ、気が変わりました」
「え?」
「講座終わってからにしましょ? うん、それがいい」
「哲彌、せんせ……ひど、い……」
「さ、昼飯行ってきます。夕夏さんも行ってきてくださいね。けど、事前打ち合わせをするから、講座の三十分前には戻ってきてください」

 ネクタイを自分の首に回してきっちりと締める。服の乱れを直すと、夕夏さんの耳元で囁いた。
「うんと、焦れといで。そしたら最高に気持ち良くしてあげる」
 夕夏さんがくずおれる。体が疼きまくっちゃったかな? オレは夕夏さんを残して、会議室を出た。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

田舎の幼馴染に囲い込まれた

兎角
恋愛
25.10/21 殴り書きの続き更新 都会に飛び出した田舎娘が渋々帰郷した田舎のムチムチ幼馴染に囲い込まれてズブズブになる予定 ※殴り書きなので改行などない状態です…そのうち直します。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...