Love affair〜ラブ アフェア〜

橘 薫

文字の大きさ
23 / 171
♠︎出会い♠︎弘田宇丈

7

しおりを挟む
 みひろさんの足の間から、溢れそうな蜜を掬い、オレの先端に擦り付けてみせる。
「欲しいよな?」
 みひろさんは決して快楽に対する欲を口に出さない。いつもは、オレが根負けして、欲を暴走させる。
 でも今日は…今日こそは。みひろさんが自分の欲を自分で認めるまで…待ちたい。

みひろさんの頬を涙が伝った。
「みひろさん?」
 動揺した。彼女は歯を軽く食いしばり、声を漏らさないように、嗚咽しないように懸命に…耐えていた。

 もう、何も我慢しなくていいのに。オレの前では、欲しいものを、欲しいって…泣きわめいて言っていいのに。

 まだ自分の欲を表現出来ない彼女は、オレを信頼してないわけではなく。心を許して、素の自分をさらけ出せる相手がいなかったから…どうしたらいいのかわからないだけなんだと思う。

「…認めろよ、楽になるよ?」
「な、に、を…?」
 彼女の口から紡がれる、とぎれとぎれの言葉。熱を帯びた視線と、涙。熱い吐息と、肌に滲む汗。全てが好きで、愛してて…。
「欲しいんだろ?我慢出来ねぇよな?こんなに濡れてんのに」

 彼女と寝るようになってから、付き合いのあった女達を切った。みひろさんとの逢瀬に、全てを注ぎたくて…自慰も控えるようになった。

みひろさんに、オレの全てを受け入れて欲しい。それにはまず、オレ自身が全てを晒さなければ。
 みひろさんは自分が本当に望んでいることを、決して口にしないだろうから。

 なのに結局は、みひろさんの頑固さがいつも勝つ。
 いや…オレが、堪え性がないのか?どんなに誘導しても、焦らしても…オレが我慢出来なくなる。今日も…散々焦らしてるつもりがオレが焦らされてて、彼女を荒々しく抱くハメになる。

 痣をつけないように。キスマークにも、香りにも気を使いながら。なのにみひろさんは、オレに…印をつける。

「…ってぇっ…」
 みひろさんは、行為の最中の声を押し殺すために、オレの肩に唇を押し当てる癖がある。
 今日はいつも以上に激しく攻めたからか…噛みつかれ、歯形をつけられた。

 痛いはずなのに、嬉しかった。この痛みは、この跡は。口にすることが叶わないみひろさんの思いの丈だけ。
 そう思いながらみひろさんの奥を激しく突き上げ、体をわななかせた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

還暦妻と若い彼 継承される情熱

MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。 しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。 母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。 同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...