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♠︎理解♠︎弘田宇丈
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二人が話し込んでるのを黙って聞いていた。
アオは、みひろさんやオレにわかりやすいよう、言葉を選んでくれてる。
「最終的には愛したい、愛されたいの欲求が満たされれば、大概は解決します」
「愛したい、愛されたい…ですか?」
「うん。まぁオレの経験値だけですけどね。どんな人間も持っている欲求で、これが行動の原動力になる。ここをベースにその後の感情や行動が生まれるんです」
「はぁ」
「真柴さんのアイデンティティがしっかりしたことで、自分の感情の源…愛し愛されるを見直す準備ができたと思います」
アオがみひろさんに言っていることを、オレなりに理解しようと注意深く聞いていた。
「真柴さん、お祖母さんと同居する前の、家族四人だけの時の家族関係はどうでした?」
「仲は良かったです。両親には愛されてたと思います。厳しかったけど、叱られても愛を感じてました。特に父は…冷たくて怖い時もありましたけど、すごく大事にされてたと思います。だからこそ、冷たいときとのギャップが嫌でした」
「うん、なるほどね。幼少期に親の愛をちゃんと受け取ってますね」
「はい…そう、ですね」
「愛された経験がある人は強い…それが無条件の、親からの愛であればなおさらです」
「でも、私…両親に、私の味方になって欲しかったです。白石の血を継いでないことがわかってから、私…ずっと孤独を感じてたんです」
「うん…それもわかります」
アオは、ビールの空き缶を握りつぶすとみひろさんに聞いた。
「真柴さんが望む愛情表現はどんなものでしょう?」
みひろさんはしばらく考え込んだ。オレも一緒に考える。愛情表現…そういえば、きちんと考えたことがない…お袋やおばあちゃんはどうだったかな…?
「かわいいかわいいと甘やかすのも一つの愛情表現ですが、それはその人のためになりますか?」
「…いいえ、ならないと思います…」
「そうですね、それに愛情表現が苦手な世代もいますよね?オレの両親もですが、真柴さんのご両親も世代的には「好き」とか「かわいい」とか抱きしめる、という行動よりも、社会に出た時に恥ずかしい思いをさせないようにきちんと育てる、躾る、叱る…そういうことが親の務め、と思われてたのではないでしょうか」
「はい…」
「もし愛されてなかったら、何をしても無視されたと思いますし、放置されたと思います。そんなことはなかったでしょう?」
「そうですね…」
「親の愛情表現と、子どもが求める愛情表現は噛み合わないことが多いんです。自分が求める愛情表現にこだわり続けるか、親は親なりの愛情表現をしてくれていた、愛してくれていた…と思えるかどうかだと思うんですよね」
アオは、みひろさんやオレにわかりやすいよう、言葉を選んでくれてる。
「最終的には愛したい、愛されたいの欲求が満たされれば、大概は解決します」
「愛したい、愛されたい…ですか?」
「うん。まぁオレの経験値だけですけどね。どんな人間も持っている欲求で、これが行動の原動力になる。ここをベースにその後の感情や行動が生まれるんです」
「はぁ」
「真柴さんのアイデンティティがしっかりしたことで、自分の感情の源…愛し愛されるを見直す準備ができたと思います」
アオがみひろさんに言っていることを、オレなりに理解しようと注意深く聞いていた。
「真柴さん、お祖母さんと同居する前の、家族四人だけの時の家族関係はどうでした?」
「仲は良かったです。両親には愛されてたと思います。厳しかったけど、叱られても愛を感じてました。特に父は…冷たくて怖い時もありましたけど、すごく大事にされてたと思います。だからこそ、冷たいときとのギャップが嫌でした」
「うん、なるほどね。幼少期に親の愛をちゃんと受け取ってますね」
「はい…そう、ですね」
「愛された経験がある人は強い…それが無条件の、親からの愛であればなおさらです」
「でも、私…両親に、私の味方になって欲しかったです。白石の血を継いでないことがわかってから、私…ずっと孤独を感じてたんです」
「うん…それもわかります」
アオは、ビールの空き缶を握りつぶすとみひろさんに聞いた。
「真柴さんが望む愛情表現はどんなものでしょう?」
みひろさんはしばらく考え込んだ。オレも一緒に考える。愛情表現…そういえば、きちんと考えたことがない…お袋やおばあちゃんはどうだったかな…?
「かわいいかわいいと甘やかすのも一つの愛情表現ですが、それはその人のためになりますか?」
「…いいえ、ならないと思います…」
「そうですね、それに愛情表現が苦手な世代もいますよね?オレの両親もですが、真柴さんのご両親も世代的には「好き」とか「かわいい」とか抱きしめる、という行動よりも、社会に出た時に恥ずかしい思いをさせないようにきちんと育てる、躾る、叱る…そういうことが親の務め、と思われてたのではないでしょうか」
「はい…」
「もし愛されてなかったら、何をしても無視されたと思いますし、放置されたと思います。そんなことはなかったでしょう?」
「そうですね…」
「親の愛情表現と、子どもが求める愛情表現は噛み合わないことが多いんです。自分が求める愛情表現にこだわり続けるか、親は親なりの愛情表現をしてくれていた、愛してくれていた…と思えるかどうかだと思うんですよね」
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