レナと耽溺の食卓

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番外編

アルベールとレナと配達屋(11)

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「おやおや、ついに気絶しちゃったみたい」
「…………また何をやっていらっしゃるんですか貴方は」

 腕の中のレナをギュッと抱き締めるアルベールを、カトルは溜め息をついて見下ろした。
 彼の端正な顔はいつもに増してしかめられており、呆れと苛立ちを隠そうともしていない。

 そう、正面玄関から庭園に来た人影の正体は、カトルであった。
 彼は今朝アルベールに、昼に屋敷の人払いをし、レナの代わりに郵便を受け取った後にアーチをくぐって庭園に来るように命じられていたのだ。
 
 主人の良からぬ企みの気配を感じつつも、カトルは命令通りに昼になるとそれを実行した。

 アルベールが紅茶を飲みにレナと執務室を出た後、屋敷の人払いを済ませて正面玄関へ行き、アランから郵便を受け取り、ゆっくりと底辺の入り口へ足を向ける。

 白い小道を抜けて天然樹木のアーチをくぐっていると、風に乗って濃密な雌の匂いが鼻を掠めた。

「ぁ……やッ……あ、ああッ……アルベール、さまぁ……ま、待って……おっ、おねが……!」

 そして、聞き覚えのある少女の熱を帯びた悩ましい声がする。更に彼女の嬌声に重なるように、いやらしい水音と、肌と肌がぶつかる激しい叩打音も聴こえてきた。

「…………」

 カトルはすぐにアルベールの不可解な命令の意図を理解した。

(アルベール様は本当に人が悪い……)

「ひあ゛ぁ゛ん゛ッ!?」 
「ほらレナ、我慢しないで、可愛い声をに聞かせてあげて?」
「あ゛ッ、あ゛ッ……!」

 足を進める毎に淫靡な匂いはより濃密になっていき、レナの嬌声も大きくなっていった。

 きっと彼女は、この足音をアランのものだと思っているのだろう。
 ……独占欲の強い主人が、自分が許した相手以外にレナの身体を見せる訳が無いのに。

「あんッ! あぁんッ!」
「あっは! 凄い締めつけ……! 声を聞かれて興奮してるんだね!」
「あ゛う゛う゛ッ……! ちっ、ちがッ……! あっ、ア゛ッー!」
「ほら、もうすぐがこっちに来るよ。レナの恥ずかしいところ、全部見られちゃうね?」
「ぁッ……!」

 茂みの間から二人の姿がチラリと見えてくる。
 レナはアルベールの膝の上に乗り上げていた。
 ガバリと大きく脚を開かされ、こちらに陰部を正面から見せ付けるような体勢だ。

 ドチュッ! ドチュッ! ドチュッ! ドチュッ!

「ん゛イ゛イ゛ィ゛イ゛ーッ!」

 レナの白い身体がアルベールの上で踊っている。
 汗と、アンモニアと、甘酸っぱい雌の香りが辺りに充満し、目眩がしそうだった。

「アッ、アッ、アッ!」
「中に出すよー」
「ら、らめッ……らめェッ……! アルベール、さまあッ! あうッ! あぅうッ!」

 口ではダメと言いつつも、レナの声は完全に淫楽に溺れているように聞こえた。こんな場所で犯されている羞恥心と、人の目に晒されるスリルが、彼女のマゾヒズムなさがを刺激しているのだろう。内心は気持ち良くて仕方が無いのが手に取るようにわかる。

 レナは根っからのどMで淫乱な娘なのだ。

「あぁあ~~~ッ!」

 カトルはずんずん歩いてゆく。
 もうすぐアーチを抜け、二人の目の前に出ることになる。

「レナ、気持ちいい時は気持ちいいって言わないとダメだって、何度も言ってるよね?」
「あっ、あっ……」
「ほら、素直になって?」
「い、い……」
「ん?」

 頭上を覆っていた天然植物のアーチが消え、カトルは庭園に一歩踏み出した。

「きもちいいれすぅうううう!!!」

 ブビュッ ビュゥウウウウ!

 同時にレナが絶叫し、水飛沫が彼の足元に降り注ぐ。

「なッ……?!」

 カトルは思わず声を上げ、レナの方を見た。
 目が合った彼女は惚けた顔でへにゃりと笑い、陰部からはまぐりのようにピュウピュウと潮を噴き上げながらすぐに気絶してしまった。 

「おやおや、ついに気絶しちゃったみたい」
「…………また何をやっていらっしゃるんですか貴方は」

 腕の中のレナを抱き締めるアルベールを、カトルは溜め息をついて見下ろした。
 アルベールはカトルの冷たい視線を気にする様子もなく、陰茎をレナから引き抜くと、自らの上着を脱いで彼女の肩に掛ける。

 とても大事そうに、宝物を扱うような優しい手つきだ。
 ……やっていることはこの上なくえげつないと言うのに。

「あの配達人の男は?」
「私に郵便を渡したらさっさと帰りましたよ」
「そう、それは良かった。雑談で何時までも屋敷に居座られても仕事の邪魔なだけだもんね。これから集配の受け付けは君に頼むことにするよ」
「……畏まりました」

 アルベールは物分りの良い従者に満足気に笑みを返した。

「それじゃ俺は仕事に戻るから、カトルはレナの身体を綺麗にしてあげて」
「はい」

 カトルは二人の元へ歩み寄ると、眠るレナの背中と膝裏に手を差し入れ、軽々とお姫様抱っこで抱え上げた。

 立ち上がったアルベールは愛しそうにレナの頬の輪郭を撫でる。

「レナもカトルも愛してるよ」
「恐悦至極に存じます」
「レナをよろしくね」

 アルベールはそう言うと踵を返して執務室のある棟の方角へ歩いていった。
 彼の背中に向かって、カトルは深深と頭を下げて見送る。

 彼がレナに触れる事を許しているのはカトルだけだ。
 カトルは主人のひん曲がった愛情の形に呆れつつも、絶大な信頼を寄せられている事に確かな喜びも感じていた。
 そして、内心そんな風に喜ぶ自分も、やはり歪んでいるのだと自嘲する。

 二人のやり取りなど露知らず、レナはスヤスヤとカトルの腕の中で気持ち良さそうに眠っていた。
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