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サバゲーに行こう!
04
しおりを挟むもう一度部屋の中を見渡して、忘れ物がないか確認。大丈夫そうなので、ドアへ向かうと、
「失礼しまーす」
「その言い方はどうだ?」
ドアがノックされて、開いた。
「あ……」
「あら、ごめんなさい」
五人の女性が入室してきた。その先頭から二番目の女性と、音羽は目が合う。
「ほら、お嬢さんが出るから、あんたたち邪魔」
「ぅえーい」
「かぁいぃこだなぁ。ねね、名前なんてぇの?」
「君いくつ? ひとり?」
「こらこら、ナンパしない! ごめんねー」
どうやらリーダー格らしい、長い黒髪の女性。もしかしたら歳は尋たちと同じくらいかもしれないが、雰囲気や余裕が違う。
背も高く、女性としての主張がしっかりした肢体。メリハリのある顔付きは少し気が強そうだが、それでも間違いなく美人だ。うっすらと化粧もしていて、余計に大人びて見えた。
彼女が自分の仲間を押しのけて、道を開けてくれた。お辞儀しながら、その道を通り抜ける。
「じゃあ、後でね。今日は楽しもうね!」
「は、はい!」
去り際に、ひらひらと手を振られた。音羽はちょっとだけ嬉しくなり、手を振り返して、尋たちのもとへ戻る。
戻ると、彼女たちはすでに準備を終えていた。
「おとチャン! 早かったネー!」
にこにこ嬉しそうな尋や、
「やはり、大きすぎたか」
わずかに眉間に力を入れたフーも、揃って装備をつけている。
ふたりとも黒いつなぎの上に、ナイロン製のベスト。ライフルの弾倉を三本入れたポーチがふたつと、拳銃の弾倉が二つ入ったものひとつ。小物が入ったものと無線機を収めたもの、口が大きく開いた大きなポーチなど、かなり重装備だ。そして尋は髪を団子にして野球帽しまい、フーは三つ編みにして首に巻きつけ、その上にスカーフを巻いている。
「重たそう……」
思わず口から出た言葉に、尋は微苦笑を浮かべる。
「体に密着シてるから、そんなに重さは感じないネー」
最後に、ふたりは膝と肘に、クッションとプラスチックの甲の付いたパットをつけた。
「さ、おとチャンにもつけちゃうヨー」
「アウト、そこに座れ」
言われるがまま、ベンチに座ると、尋にスニーカーを脱がされた。
「間違えて買っちゃったブーツが、役立つ日が来るとは思ってなかったネー?」
「取っておいて正解だった」
てきぱきとブーツを履かされた。
服を着せられているみたいで、妙に気恥ずかしいが、着ろと言われてもどうしていいかわからなくなってしまいそうだから、しかたがない。
腰に太いベルトを巻かれ、それをサスペンダーのようなもので吊るす。無線機や弾倉の入ったポーチも腰のベルトに取り付けられ、膝と肘に二人が使うのと同じ形のパットを装備してもらう。
てきぱきと装備を着せられていき、瞬く間にほぼ出来上がる。
「Hey おとチャン! スカーフどっちがイイネー?」
両手に持ったスカーフを、尋は交互に音羽の首もとにあてがう。
「えぇ、と。こっちで……」
目に付いたのは、白地に黒い星が描かれたスカーフ。
「Oh! とってもvery goodネー!」
そう言って音羽の首に巻きつけた。
髪の毛を縛り黒い野球帽をかぶせ、顔全体を覆うマスクを音羽に手渡す。
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