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全校生徒の前で服を脱ぐ運命になったJKの話

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高校2年生の夏野花蓮は、全校生徒900人の男女が見ている前で制服のブレザーのボタンに指をかけた。これから皆の前で服を脱がなければならない。
緊張で手が震えて、ボタンを外すのに時間がかかった。花蓮は一度大きな息を吐くと、ブレザーを脱いでステージの床に置いた──


夏野花蓮は、満天星高校に1年の秋に転入してきた。
入って驚いたのは、この高校の校則やルールが、女子に差別的にできていることだった。
特に服装に関するものがひどかった。
〈女子の下着の色は白に限定する〉
今どきこんな校則がまかり通るのもおかしいが、抜き打ち検査で違反が見つかった場合、ただちに着替えさせられ、着ていた下着は没収されて掲示板に晒される。
冬でも、スカートの下にジャージはおろかタイツをはくのさえ禁じている。スカートの下はナマ足と決められている。
体操服が今どきブルマーというのも驚いた。それもハイカットタイプ。体育の時間は、男子生徒や男性教諭の目が下半身に注がれているのを感じて、恥ずかしかった。
花蓮は満天星高校で水泳の授業をまだ経験していないが、学校指定の水着は、ハイレグカットの競泳水着だ。色が薄いブルーなので、体の凹凸が見えやすいのだとクラスの女子が嘆いていた。
教師に疑問をぶつけたら、こんな答えが返ってきた。
「この学校の校則は、生徒会が決めている。うちの生徒会は、高度な自治が認められているんだよ。生徒が決めている校則に、学校側は口を出さないことにしている」
男子主体の生徒会と学校が手を結んで、女子にブルマーやハイレグ水着を着せているんだな、と思った。
花蓮は、帰国子女でジェンダーの意識が高かった。このおかしな校則を変えるために自分が生徒会長になろう、と目標を定めた。

5月、生徒会長選挙の立候補届け出の受付が始まった。立候補できるのは2年生だ。
花蓮は迷わず立候補届けを出した。届け出を受理した生徒会執行部の男子は、驚いた表情で「君が立候補するの?まあ、頑張ってね」と言った。

生徒会長選挙が公示されて、立候補者が、2年C組の稲元達也と、2年F組の夏野花蓮の2人だと発表されると、生徒たちからどよめきの声が上がった。「女子が立候補したぜ!」
この学校は110年の歴史があり、元々男子校だったが、20年ほど前に共学になった。
生徒会長は昔から男子が務めてきたから、女子が立候補したのが珍しいのだろうと、花蓮は思っていた。
そうではなかった。皆が驚いた理由を、クラスメイトの女子が教えてくれた。
「花蓮は知らなかったんだよね。1年の途中から転入してきたから」
え、何のこと?
「この学校の伝統でね、生徒会長選挙で負けた方の候補者は、服を脱いで下着姿になって皆の前で〈敗北宣言〉する決まりなんだよ」
初耳だった。だから生徒会長選挙に女子が立候補することが一度もなかったのか…。
でも選挙に勝てば何の問題もないんだわ、花蓮は自分に言い聞かせたが、前途に暗雲が立ち込めた気がした。

選挙戦が始まると、花蓮は自分がどれだけ逆風の中にいるのかを思い知った。
女子の数は、全生徒の3分の1。例年の投票率は50%以下だと聞いていたので、女子生徒が全員自分に投票してくれれば、勝てると踏んでいた。
だが、対立候補の稲元は「今年の選挙は必ず参加しよう!」と男子生徒に団結を呼びかけた。全生徒の3分の2いる男子が稲元に投票したら、花蓮に勝ち目がない。
投票日は体育館で立会演説会が行われた後すぐに投票が行われる。
例年なら半分くらいの生徒しか参加しないそうだが、今年はほとんどの男子が参加する気満々になっていた。
男子の関心は、どちらが勝つか、ではなかった。
花蓮が負ける前提で、体育館のステージ上で女子が下着姿になって敗北宣言するのかどうか、で話題が盛り上がっていた。
ある男子のグループは〈満天星高校の伝統を守ろう〉という運動を起こして、プレッシャーをかけてきた。#キャミは下着ではない、という謎のタグまで拡散された。
花蓮は、男子にも公正な意識のある生徒がいるはず、と選挙運動をした。しかし、選挙に負けて下着姿を晒す花蓮の姿が見たいというのが、大多数の男子の本音だった。
そして、男子にとって重要なことは、花蓮の顔がいい、ということだった。大きな瞳、愛嬌を感じさせる鼻、品の良さがある口、それらがバランスよく並んでいた。
肩までの黒髪ストレートは清楚感があり、スタイルの良さは制服の上からでもうかがえた。
そんな花蓮がブラジャーとショーツだけになった姿が見られるとなれば、男子のテンションが上がるのも当然だった。

公示から1週間、とうとう投票日になった。
体育館には、全校生徒の男女900人以上が集まって熱気が立ち込めていた。
立ち合い演説会が始まった。
稲元達也は、当たり障りのない公約を並べて数分で演説を終えた。演説の内容がカラッポでも、勝利は決まっていると言わんばかりだった。
夏野花蓮の番になった。
花蓮は壇上に立つと、全校生徒に向かって、女子が不当な校則やルールでに縛られているのは時代錯誤だとアピールした。が、まったく手ごたえがない。
真面目に耳を傾けてくれる男子生徒はほとんどおらず、ニヤニヤ笑いながら花蓮を見ている男子が大半だった。女子生徒には諦めムードが漂っていた。
花蓮は、このままでは100%負ける、と絶望した。
ステージ上で制服を脱いで、下着姿を晒して「負けました」と言わなければいけない。
堂々と主張をぶつけ合って負けるならまだいいが、女子の下着姿が見たいという理由だけで負けるなんて納得できない。理不尽な理由で選挙に負けるのは絶対にイヤだ!
花蓮の心の中で、覚悟が弾けた。
絶対に勝ってやる!
そのためには、この方法しかない…。
「最後にもう一つ、私から公約があります!」
まだなんかあるの~、もういいよ時間のムダ、そんな声が男子から上がった。
花蓮はひと呼吸おくと、思い切って宣言した。
「もし、この選挙で、私が勝ったら…ここで服を、全部脱ぎます!」
一瞬、静まり返った。そして数秒後に体育館内は騒然となった。
誰かが叫んだ。「全部って、下着も脱ぐってことかよ!」
花蓮は「下着も、脱ぎます」と答えた。
別の男子たちも叫んだ。「本当だろうな!」「約束するのか!」
「約束します。だから、私を勝たせて!」
会場の空気が一気に変わった。
男子が口々に「俺は夏野に1票!」「みんな、夏野に入れようぜ」と騒ぎ立てた。一部の生徒からは「な つ の、な つ の」とコールが沸き起こった。
対立候補の稲元は、大騒ぎする男子生徒たちをぼう然と眺めていた。

立会演説会が終わり投票が行われた。その後ただちに開票が始まった。体育館から去る者は1人もなく、みんな開票結果を今か今かと待った。
20分後ついに、開票結果が発表された。
「稲元達也君、38票。夏野花蓮君、875票。以上の結果となりました」
会場割れんばかりの拍手と大歓声。
「さて、稲元君、敗北を認めますか?」
前生徒会長に言われて稲元はステージ中央に進み出ると、ジャケット、ネクタイ、シャツ、Tシャツ、ズボンを脱いでパンツ1枚になると、マイクに向かって「負けました」と力なく宣言した。
伝統の儀式がすんだ。全校生徒の視線は花蓮に移った。

花蓮は、おずおずとステージの中央に歩み出た。
うつむき加減の歩みは、およそ勝利した者の姿ではなかった。
近くで見ようと押し寄せた男子で、ステージ前はすし詰め状態となっていた。
花蓮は、勝ちたい気持が先走って口にしたことを少し後悔したが、自分で選んだ道、やるしかない、と自らを奮い立たせた。
ブレザーのボタンに指をかけたが、手がガタガタ震えて、ボタンを外すのにも時間がかかった。花蓮は一度ふうっと大きな息を吐くと、ブレザーを脱いで、ステージの床に置いた。
えんじ色の紐ネクタイをほどきスルリと抜いた。ブラウスの前ボタンをためらいながら外していった。白いブラジャーが見えると、男子から「おお」と声が上がった。
花蓮は、ひと呼吸おいてブラウスを背中側に下ろし袖を腕から抜いた。
上半身で身につけているのはブラジャーだけになった。
もうすでに恥ずかしくてたまらなかったが、これからもっと脱がなくてはならない。
花蓮はためらいがちにスカートのサイドのフックを外し、ファスナーを下ろした。
手が一瞬止まったが、心を決めてスカートを離した。スカートはストンと床に落ちた。
とうとう花蓮は、全校生徒の前でブラジャーとショーツだけの下着姿になった。恥ずかしくて恥ずかしくて逃げ出したかった。
本当なら、この姿で敗北宣言して選挙は終わりのはずだった。しかし勝ったら全裸になると皆の前で約束したのだ。もしここで約束を破ったら、生徒会長として信任されなくなるだろう。そうしたら、校則を変える目的も果たせなくなる。
花蓮は、全部脱ぐしかない、と覚悟を決めた。
まず、ブラジャーの背中のホックを外し、腕でしっかり前を隠して、少しずつブラジャーを引き抜く作戦に出た。
乳房を見られるのは仕方がないが、乳首だけは絶対に見せないという作戦だ。
それでもFカップはありそうな豊かな乳房は、腕でとても隠しきれなかった。
ここで花蓮は、まだ靴とソックスを脱いでいないことに気づいた。
左手は胸から離せない。足だけで片方ずつ靴を脱ぎ、右手でソックスを下げた。前かがみになると腕からおっぱいがこぼれそうになった。男子はまたも「おお」と声を上げた。
最後に残るはショーツ1枚。花蓮はアンダーヘアを見られないように後ろ向きになってショーツを脱ごうとしたが、すぐに思い直した。
男子にお尻を向けたら、ステージ下からヒップの谷間が丸見えだ。大陰唇の肉丘や肛門が見えてしまう。女の子の大事な部分を見せるわけにはいかない。
花蓮は正面に向き直り、ショーツに右手をかけた。脱ぐときにアソコの毛を見られてしまうが仕方がない。
ここまではゆっくり脱いできたが、ショーツは素早くひざ下まで下ろし、すぐに片手で股間を押さえた。16歳にしては黒々と生えそろったアンダーヘアを、男子に見られたのはほんの一瞬ですんだ。
最後に足を上下してショーツを足から抜いた。
とうとう花蓮は、全校生徒の前で一糸まとわぬ真っ裸になった。
しかし、乳首や陰毛はほぼ隠し通せたと、花蓮は思った。
これで公約は果たした。花蓮は後ずさりしながらステージ袖に下がろうとした。
そのとき進行役がマイクで会場内に響き渡るように言った。
「夏野さん、ちょっと待ってください。まだ勝利した候補者の儀式が終わっていません」
胸とアソコを必死に隠しながら、全裸の花蓮は「まだ何か?」と言った。
「わが校の伝統で、生徒会長選挙で勝った方は、みんなの前で万歳三唱をするのが決まりになっています。さあ、掛け声とともにお願いします。それで選挙はすべて終了します。掛け声は、『満高、バンザーイ』です」
「ま、まんこぅ…?」
花蓮は(これで私の青春は終わった…)と完全に観念した。
胸とアソコを手で隠したまま、ステージ中央のマイクの前に進んだ。
そして「満高、バンザーイ」という掛け声とともに、花蓮は両手を頭上に上げた。
それは3回繰り返された。600人以上の男子生徒は、花蓮のFカップ乳房とピンクの乳首、黒々とした恥毛を、たっぷりと鑑賞した。

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