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「あら、あなた。確かダリウスね」
自分が連れてきたのだから手綱ぐらい持っておけばいいのに。
シャーベットは日傘を持ちながら一人で中庭を散策していた。
スカーレットの護衛である俺の存在に気づくと嬉しそうに駆け寄って来た。
小動物の真似でもしているつもりだろうか。
世間知らずの童貞貴族供なら簡単に騙されるだろう。
庇護欲をそそる女というのは女を知らない男が引っ掛かるものだから。
「こんな所でどうしたの?もかして」
もしかしての辺りで彼女は辺りをキョロキョロして声を潜めた。
「スカーレットに苛められたの?」
思わず吹き出しそうになったのを堪えた俺を誰か誉めて欲しい。
大の男が女に苛められるって、何だそりゃ。
俺はプライドばかりが高く、いざとなればちびって逃げ出すような軟弱な貴族と同列にするな。
「あ、ねぇ、待ってよぉ」
無視して歩きだした俺を彼女は慌てて追いかけてくる。
病弱なのに今日は元気なことで。
「私、体が弱いの。少しは気遣ってよ」
スカーレットなら兎も角。この女を気遣う必要性が俺にはない。
「ああ、胸が苦しい」
胸元を僅かに開き、谷間が俺の位置から見えるように姿勢を変える女。本当に娼婦のようだと俺は思った。
そして、ふと視線を上げる。
そこにはスカーレットが現在、仕事をしているであろう執務室があった。
さて、俺の主人はこれで満足してくれただろうか。
◇◇◇
窓の外に居るダリウスと目があった。
その近くにはシャーベットがいる。
二人の姿に私は笑みを浮かべる。
「何だ。愛おしい恋人を放置して何を見ている?」
そんな冗談を言いながら浅黒い肌に癖のある黒い髪に目をした男が背後から私に近づいてきた。
「あれが例の?」
「ええ」
彼の名はアーサ。
私が商売している相手だ。
他国からの客人で彼の国は一夫多妻で私のことを恋人と言うが(もちろんそんな事実はない)既に彼は五人もの奥方を持っている。
今日は二番目の奥方の誕生日プレゼントを買いに私の所へ来たのだ。
「まるで娼婦のようだな」
胸元を開き、ダリウスに見えるような姿勢をするシャーベットに彼はそう揶揄した。
「ダリウスのあの嫌そうな顔」
くくっ。と、アーサは笑う。
「でも顔は可愛らしい方よ」
「ダリウスの好みでもなけれ私の好みでもないな」
「あなた達の好みは似ているものね」
スッと、アーサは私の髪を一房掬い口づけをする。
「酷い人だ。それを知りながら素知らぬふりをするのだから」
彼はいつもこういう冗談を言う。真に受けていたらきりがない。
自分が連れてきたのだから手綱ぐらい持っておけばいいのに。
シャーベットは日傘を持ちながら一人で中庭を散策していた。
スカーレットの護衛である俺の存在に気づくと嬉しそうに駆け寄って来た。
小動物の真似でもしているつもりだろうか。
世間知らずの童貞貴族供なら簡単に騙されるだろう。
庇護欲をそそる女というのは女を知らない男が引っ掛かるものだから。
「こんな所でどうしたの?もかして」
もしかしての辺りで彼女は辺りをキョロキョロして声を潜めた。
「スカーレットに苛められたの?」
思わず吹き出しそうになったのを堪えた俺を誰か誉めて欲しい。
大の男が女に苛められるって、何だそりゃ。
俺はプライドばかりが高く、いざとなればちびって逃げ出すような軟弱な貴族と同列にするな。
「あ、ねぇ、待ってよぉ」
無視して歩きだした俺を彼女は慌てて追いかけてくる。
病弱なのに今日は元気なことで。
「私、体が弱いの。少しは気遣ってよ」
スカーレットなら兎も角。この女を気遣う必要性が俺にはない。
「ああ、胸が苦しい」
胸元を僅かに開き、谷間が俺の位置から見えるように姿勢を変える女。本当に娼婦のようだと俺は思った。
そして、ふと視線を上げる。
そこにはスカーレットが現在、仕事をしているであろう執務室があった。
さて、俺の主人はこれで満足してくれただろうか。
◇◇◇
窓の外に居るダリウスと目があった。
その近くにはシャーベットがいる。
二人の姿に私は笑みを浮かべる。
「何だ。愛おしい恋人を放置して何を見ている?」
そんな冗談を言いながら浅黒い肌に癖のある黒い髪に目をした男が背後から私に近づいてきた。
「あれが例の?」
「ええ」
彼の名はアーサ。
私が商売している相手だ。
他国からの客人で彼の国は一夫多妻で私のことを恋人と言うが(もちろんそんな事実はない)既に彼は五人もの奥方を持っている。
今日は二番目の奥方の誕生日プレゼントを買いに私の所へ来たのだ。
「まるで娼婦のようだな」
胸元を開き、ダリウスに見えるような姿勢をするシャーベットに彼はそう揶揄した。
「ダリウスのあの嫌そうな顔」
くくっ。と、アーサは笑う。
「でも顔は可愛らしい方よ」
「ダリウスの好みでもなけれ私の好みでもないな」
「あなた達の好みは似ているものね」
スッと、アーサは私の髪を一房掬い口づけをする。
「酷い人だ。それを知りながら素知らぬふりをするのだから」
彼はいつもこういう冗談を言う。真に受けていたらきりがない。
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