どうぞお好きに

音無砂月

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10.アーサside

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私の名前はアーサ。
手広く商売をしているスカーレットとは私の第一婦人がきっかけで出会った。
第一婦人は慈善事業に力を入れており、スカーレットも同様だ。
他国であるが慈善事業に境界はなく、どのようなやり方が最も効率が良いのかを学びにやって来たスカーレットが私の第一婦人と知合い意気投合。
彼女は様々な女性向けの商売をしており、またセンスも良いので妻たちのプレゼントを買うのにもってこいだ。
そんな彼女が既に愛人を囲い、王家始まって以来のバカだと我が国でも言われている第二王子と王命により婚約したと聞いた。
愚かにも程がある。
私だったら彼女を囲いこむか、せめて敵ならならないように動くがな。
「アーサ様。招待状が来ておりますわ」
第三婦人のマーガレットが雛菊のドレスを着てやって来た。彼女が差し出して来たのはパーティーの招待状だ。封筒の差出人はスカーレットになっているが中に入っていたのはシャーベット主催のパーティーの招待状だった。
「愛人のお披露目なんて下品なパーティーね」
呆れた顔をしながらマーガレットは更に続ける。
「スカーレットは何をしているのかしら。あんな小娘を野放しにしているだけではなく好き放題させているなんて」
「好き放題させていると思うか?」
「どういう意味ですか?」
私は執務室の窓から中庭にいるシャーベットを見下ろすスカーレットの姿を思い出した。見惚れてもおかしくはない妖艶な笑みを浮かべはいたが私はその笑みを見て見惚れるどころか寒気がした。
「あれは好き放題しているようでスカーレットの手の平で踊らされているだけだ。それに気づいたところで抜け出すことはできないだろうな。彼女は逃げ道を残すようなことはしない」
それほど優しくはない。
もし逃げ道があったとしたらそれは、あったのではなくスカーレットが意図して用意したものだ。
恐ろしい女だ。でも、面白い。彼女は見ていて飽きない。
「さて、パーティーには誰が行く?」
「下らない見世物を見ることになるのでしょう。みんなで話し合いますわ」
そう言ってマーガレットは退室した。
因みにみんなとは他の私の妻たちのことだ。
誰がパーティーに行くかは基本的に決まっていない。みんなで行くこともあれば行きたい人だけで行くこともある。
本来なら第一婦人だけを連れていくものだが、私にはそれが許されている。それだけの地位にいるのだ。
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