どうぞお好きに

音無砂月

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「結構な勢いで悪評が広まっていっているな」
「そうね」
仕事の休憩中、私はダリウスを伴ってバルコニーでお茶を飲んでいた。
「自分で言うのもなんだけど、あそこまで上手くいくなんて思わなかったわ」
「面識はあったのか?」
「一方的にだけど夜会で見かけたことがあるのよ。普通、庶民が貴族が出席する夜会に出席できるわけがない。仮にできたとしても同伴者が常に傍に居るのがマナーになるのだけど、セルフ殿下がつっきちりで彼女を見張っているわけもでないし、彼女はやりたい放題だし。凄かったわね」
前々からセルフ殿下の言動は問題視されて来た。王族でも貴族を敵に回すと政治的にもやりにくいことがある。だから一番偉い王族でも貴族のご機嫌取りは必須だ。
だがセルフ殿下は貴族を貶し、自分は偉いのだと全身で語っていた。
彼は悪友と組んで犯罪に手を染めているという噂も流れ、王籍を剥奪されるのは時間の問題だと言われていた。そんな時、セルフ殿下から陛下にシャーベットとの結婚の申し出があった。
いくら要らない人間とは言っても王族の血を引いている彼が平民と結婚するなど許されるはずがない。
愛人だって最低限、貴族でないといけないのだ。しかもシャーベットはあまり評判が良くなかった。彼女の存在がセルフ殿下の王籍剥奪の決定打になったようなものだ。
「お嬢様」
お茶を飲んでいた所にセバスチャンが来た。
「シャーベット様は何者かに襲われました」
セバスチャンは重々しく、静かに告げた。

さぁ、崩壊の始まりだ。
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