18 / 31
18
しおりを挟む
「陛下は一度も王妃の元へ訪れていないのか?」
「幽閉塔ってあれだろ、罪を犯した王族が入る」
「ああ。あんなところに王妃を閉じ込めていたのか。何てことだ」
「紳士の風上にもおけないな。愛人を作ることは悪いことではないが、それなりのマナーがあるだろうに」
「平民の娘を愛人にして、平気で公の場に連れ回していると聞いたが。まさか、そこまでとはな」
「小国の出ならそのような扱いも致し方なしとなるが、相手はオレスト国の姫だろ」
「自殺行為としか言えんな。無理心中に付き合わされる民が哀れだよ」
国外の貴族はシャルロッテの言葉に呆れを滲ませ、国内の貴族は青ざめていた。
「幽閉塔だと」
「王妃の宮にいないことは知っていたが、まさかそんな所に」
「有り得ない、有り得ないわ!頭がどうかしてるんじゃないの」
トワ様とリヴィお兄様は眉間に皺を寄せ、アンネは怒りのあまり叫んでいた。本来ならはしたない行為ではあるが、こういう状況なので咎める者は居ない。寧ろ、彼女は会場に居る一部の馬鹿達を除いた貴族の心を代弁したのだ。
「クレバー陛下、あなたは我が国と戦争でもしたいのですか?」
リヴィお兄様は笑顔を完全に消し、映像を見て固まったままのクレバー陛下を睨みつけた。
「どうして直ぐそうなる?俺はお前達の為に面倒な女を引き受けてやったんだぞ?」
へぇ。そんなふうに考えていたんだ。
「どういう意味かな?」
「お前達が貿易をするのに俺の国の力が必要なんだろ。この女はその為に嫁いで来たんだろ。俺に体を売りに来るような娼婦を、生まれながらの王族であり、高貴なこの身が貰ってやったんだ。感謝されこそすれ、責められる謂れはない」
政略結婚が何かを分かっていないのか、この男は。本当に、王族か?
会場に居る貴族はもう呆れて物が言えなくなっている。
リヴィお兄様とトワ様は生憎、帯剣は赦されていないのでこの場にないが、あったら直ぐにクレバー陛下の首を飛ばしにかかっていただろう。でも、私は知っている。二人が武器を隠し持っていることを。
「娼婦?あなたは私の義妹に向かってそう言ったのかしら?」
アンネお義姉様の額に青筋が立ち、手にしている扇は折れてしまいそうなほど握りしめている。
「事実だろう」
「厭らしい王妃ね。クレバーもそう思わない?」
クスリと笑ってシャルロッテはクレバー陛下の腕に抱きつこうとしたがクレバー陛下はそれを拒んだ。
「あん。クレバーどうしたの?」
「黙れ、尻軽女。お前も、それからコブラ達も。俺を騙して陰で笑っていたんだろう」
「ち、違うわ。あれはあの女と取り巻きが仕組んだことよ」
「そうですよ、陛下。我々と彼女はそのような関係ではありません」
「信じて下さい」
「黙れ!全員、捕縛しろ。こいつらは処刑だ」
「陛下っ!」
「そんなぁ」
「こんな理不尽なこと許されるわけがない」
「そうだ。俺達の両親が黙っているわけがない」
「あら。黙っているわよ。だって、あなた達はもう貴族じゃないもの。全員、勘当されているわよ」
元婚約者だった令嬢の一言で側近達は青褪める。
まぁ、あれだけ好き放題していたら家に災いの火の粉が飛ぶ前に斬り捨てるのは当然ね。
彼らはそんなこと思いもしなかったようだけど。
「幽閉塔ってあれだろ、罪を犯した王族が入る」
「ああ。あんなところに王妃を閉じ込めていたのか。何てことだ」
「紳士の風上にもおけないな。愛人を作ることは悪いことではないが、それなりのマナーがあるだろうに」
「平民の娘を愛人にして、平気で公の場に連れ回していると聞いたが。まさか、そこまでとはな」
「小国の出ならそのような扱いも致し方なしとなるが、相手はオレスト国の姫だろ」
「自殺行為としか言えんな。無理心中に付き合わされる民が哀れだよ」
国外の貴族はシャルロッテの言葉に呆れを滲ませ、国内の貴族は青ざめていた。
「幽閉塔だと」
「王妃の宮にいないことは知っていたが、まさかそんな所に」
「有り得ない、有り得ないわ!頭がどうかしてるんじゃないの」
トワ様とリヴィお兄様は眉間に皺を寄せ、アンネは怒りのあまり叫んでいた。本来ならはしたない行為ではあるが、こういう状況なので咎める者は居ない。寧ろ、彼女は会場に居る一部の馬鹿達を除いた貴族の心を代弁したのだ。
「クレバー陛下、あなたは我が国と戦争でもしたいのですか?」
リヴィお兄様は笑顔を完全に消し、映像を見て固まったままのクレバー陛下を睨みつけた。
「どうして直ぐそうなる?俺はお前達の為に面倒な女を引き受けてやったんだぞ?」
へぇ。そんなふうに考えていたんだ。
「どういう意味かな?」
「お前達が貿易をするのに俺の国の力が必要なんだろ。この女はその為に嫁いで来たんだろ。俺に体を売りに来るような娼婦を、生まれながらの王族であり、高貴なこの身が貰ってやったんだ。感謝されこそすれ、責められる謂れはない」
政略結婚が何かを分かっていないのか、この男は。本当に、王族か?
会場に居る貴族はもう呆れて物が言えなくなっている。
リヴィお兄様とトワ様は生憎、帯剣は赦されていないのでこの場にないが、あったら直ぐにクレバー陛下の首を飛ばしにかかっていただろう。でも、私は知っている。二人が武器を隠し持っていることを。
「娼婦?あなたは私の義妹に向かってそう言ったのかしら?」
アンネお義姉様の額に青筋が立ち、手にしている扇は折れてしまいそうなほど握りしめている。
「事実だろう」
「厭らしい王妃ね。クレバーもそう思わない?」
クスリと笑ってシャルロッテはクレバー陛下の腕に抱きつこうとしたがクレバー陛下はそれを拒んだ。
「あん。クレバーどうしたの?」
「黙れ、尻軽女。お前も、それからコブラ達も。俺を騙して陰で笑っていたんだろう」
「ち、違うわ。あれはあの女と取り巻きが仕組んだことよ」
「そうですよ、陛下。我々と彼女はそのような関係ではありません」
「信じて下さい」
「黙れ!全員、捕縛しろ。こいつらは処刑だ」
「陛下っ!」
「そんなぁ」
「こんな理不尽なこと許されるわけがない」
「そうだ。俺達の両親が黙っているわけがない」
「あら。黙っているわよ。だって、あなた達はもう貴族じゃないもの。全員、勘当されているわよ」
元婚約者だった令嬢の一言で側近達は青褪める。
まぁ、あれだけ好き放題していたら家に災いの火の粉が飛ぶ前に斬り捨てるのは当然ね。
彼らはそんなこと思いもしなかったようだけど。
63
あなたにおすすめの小説
バイトの時間なのでお先に失礼します!~普通科と特進科の相互理解~
スズキアカネ
恋愛
バイト三昧の変わり者な普通科の彼女と、美形・高身長・秀才の三拍子揃った特進科の彼。
何もかもが違う、相容れないはずの彼らの学園生活をハチャメチャに描いた和風青春現代ラブコメ。
◇◆◇
作品の転載転用は禁止です。著作権は放棄しておりません。
DO NOT REPOST.
【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~
朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。
婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」
静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。
夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。
「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」
彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
花言葉は「私のものになって」
岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。)
そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。
その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。
美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。
青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。
婚約破棄を希望しておりますが、なぜかうまく行きません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のオニキスは大好きな婚約者、ブラインから冷遇されている事を気にして、婚約破棄を決意する。
意気揚々と父親に婚約破棄をお願いするが、あっさり断られるオニキス。それなら本人に、そう思いブラインに婚約破棄の話をするが
「婚約破棄は絶対にしない!」
と怒られてしまった。自分とは目も合わせない、口もろくにきかない、触れもないのに、どうして婚約破棄を承諾してもらえないのか、オニキスは理解に苦しむ。
さらに父親からも叱責され、一度は婚約破棄を諦めたオニキスだったが、前世の記憶を持つと言う伯爵令嬢、クロエに
「あなたは悪役令嬢で、私とブライン様は愛し合っている。いずれ私たちは結婚するのよ」
と聞かされる。やはり自分は愛されていなかったと確信したオニキスは、クロエに頼んでブラインとの穏便な婚約破棄の協力を依頼した。
クロエも悪役令嬢らしくないオニキスにイライラしており、自分に協力するなら、婚約破棄出来る様に協力すると約束する。
強力?な助っ人、クロエの協力を得たオニキスは、クロエの指示のもと、悪役令嬢を目指しつつ婚約破棄を目論むのだった。
一方ブラインは、ある体質のせいで大好きなオニキスに触れる事も顔を見る事も出来ずに悩んでいた。そうとは知らず婚約破棄を目指すオニキスに、ブラインは…
婚約破棄をしたい悪役令嬢?オニキスと、美しい見た目とは裏腹にド変態な王太子ブラインとのラブコメディーです。
殿下、毒殺はお断りいたします
石里 唯
恋愛
公爵令嬢エリザベスは、王太子エドワードから幼いころから熱烈に求婚され続けているが、頑なに断り続けている。
彼女には、前世、心から愛した相手と結ばれ、毒殺された記憶があり、今生の目標は、ただ穏やかな結婚と人生を全うすることなのだ。
容姿端麗、文武両道、加えて王太子という立場で国中の令嬢たちの憧れであるエドワードと結婚するなどとんでもない選択なのだ。
彼女の拒絶を全く意に介しない王太子、彼女を溺愛し生涯手元に置くと公言する兄を振り切って彼女は人生の目標を達成できるのだろうか。
「小説家になろう」サイトで完結済みです。大まかな流れに変更はありません。
「小説家になろう」サイトで番外編を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる