28 / 64
第Ⅱ章 狂気との出会い
24.入学式
「ノエルはどこにいるんだろう?」
入学式当日
少し早めに会場に入ったけど人でごった返しているのでこの中から見つけるのは至難の業だ。
諦めようかと思った時、周囲から感嘆の声が漏れた。
みんなの視線が集まっている先を見るとそこにノエルがいた。
ノエルは私にを見つけるととても嬉しそうに満面の笑みを浮かべてやって来る。
彼の笑顔を見ただけで失神者が現れた。
確かにかなりの破壊力だ。
「スカーレット、良かった。直ぐに見つけられた」
そう言って私の元に駆けよって来たノエルは私に抱き着いた。周囲から悲鳴が上がった。
「誰よあの子」
「私知っているわ。多分、悪女よ」
「どうしてそんな子が」
「決まってるだろ。体で誑し込んだんだよ」
私はノエルに抱きしめられたことで固まってしまって周囲の声は全く耳に入って来なかった。
「ノエル、困ったるだろ。放してやれ」
もう一人来た。
「ごめんね、スカーレット。嬉しくって」
「いいえ、ちょっと驚いただけです。あのそちらの方は?」
「ああ、俺は」
「知らなくていいよ。どうでもいい奴だから」
「おい」
仲が良いようだ。
「私はスカーレット・ブラッティーネよ」
「レイクロード・ラッセルだ」
全然、記憶にない。
今までの繰り返しの人生で彼らと関わった記憶がない。けれど今回に限って私の人生に登場するということは私が記憶を持っていることに起因しているのだろう。
「レイでいいぜ」
「呼ばなくていいよ」
ぶすっとした顔でノエルが言う。
何だか年下の男の子みたい。見た目格好いいけど、中身はかなり可愛いのね。
「私はスカーレットで良いわ。二人とも、今日からよろしくね」
「おう」
「うん。そうだ、スカーレット、これ記念にどうぞ」
綺麗に包装された小箱をノエルがポケットから出してきた。それを見た時、レイクロードはげんなりした顔をしていた。
「ありがとう。私、誰かにプレゼントを貰ったことがないの。嬉しいわ」
それから暫くして入学式が始まった。
今年はユージーンが入学する年でもある。
そして第二王子であるエドウィンも在籍中だ。その為、学校に二人の王族が在籍していることになる。
学校側はかなりピリピリしている。
王族に何かあれば学校側の責任問題になる為、警備もいつも以上に気を遣っているだろう。
ここは四回とも同じね。
「スカーレット、教室に行こう」
「ええ」
ノエルはとても自然な流れで私の手を取った。
私は握られた手に一度視線を向けるとノエルは「どうかした?」と首を傾げる。何だろう。笑顔だけど指摘してはいけない感じがひしひしと伝わって来る。
それに指摘する私が間違っているみたいな空気だった。ここはスルーしておこう。
「スカーレット」
教室に行こうとしたら呼び止められた。そこで、もう一人在籍中していたことを思い出した。
「‥…シャノワール」
シャノワールは私の元へ来て、一緒にいるノエルとレイクロードを見た後、再び視線をノエルに戻した。
ノエルがというよりも私とノエルが手を繋いでいることが気になるようだ。まぁ、そうだろうね。婚約する可能性のある女の子が知らない奴と手を繋いでいたら。
「ノエル・オーガストです」
「‥‥シャノワール・シクラメンだ」
「行こう、スカーレット」
「えっ」
名前だけ名乗ってノエルは私の手を引っ張って歩き出す。レイクロードは仕方がないという感じについて来る。
シャノワールは引き留めることはしなかったけどその場にフリーズしていた。
入学式当日
少し早めに会場に入ったけど人でごった返しているのでこの中から見つけるのは至難の業だ。
諦めようかと思った時、周囲から感嘆の声が漏れた。
みんなの視線が集まっている先を見るとそこにノエルがいた。
ノエルは私にを見つけるととても嬉しそうに満面の笑みを浮かべてやって来る。
彼の笑顔を見ただけで失神者が現れた。
確かにかなりの破壊力だ。
「スカーレット、良かった。直ぐに見つけられた」
そう言って私の元に駆けよって来たノエルは私に抱き着いた。周囲から悲鳴が上がった。
「誰よあの子」
「私知っているわ。多分、悪女よ」
「どうしてそんな子が」
「決まってるだろ。体で誑し込んだんだよ」
私はノエルに抱きしめられたことで固まってしまって周囲の声は全く耳に入って来なかった。
「ノエル、困ったるだろ。放してやれ」
もう一人来た。
「ごめんね、スカーレット。嬉しくって」
「いいえ、ちょっと驚いただけです。あのそちらの方は?」
「ああ、俺は」
「知らなくていいよ。どうでもいい奴だから」
「おい」
仲が良いようだ。
「私はスカーレット・ブラッティーネよ」
「レイクロード・ラッセルだ」
全然、記憶にない。
今までの繰り返しの人生で彼らと関わった記憶がない。けれど今回に限って私の人生に登場するということは私が記憶を持っていることに起因しているのだろう。
「レイでいいぜ」
「呼ばなくていいよ」
ぶすっとした顔でノエルが言う。
何だか年下の男の子みたい。見た目格好いいけど、中身はかなり可愛いのね。
「私はスカーレットで良いわ。二人とも、今日からよろしくね」
「おう」
「うん。そうだ、スカーレット、これ記念にどうぞ」
綺麗に包装された小箱をノエルがポケットから出してきた。それを見た時、レイクロードはげんなりした顔をしていた。
「ありがとう。私、誰かにプレゼントを貰ったことがないの。嬉しいわ」
それから暫くして入学式が始まった。
今年はユージーンが入学する年でもある。
そして第二王子であるエドウィンも在籍中だ。その為、学校に二人の王族が在籍していることになる。
学校側はかなりピリピリしている。
王族に何かあれば学校側の責任問題になる為、警備もいつも以上に気を遣っているだろう。
ここは四回とも同じね。
「スカーレット、教室に行こう」
「ええ」
ノエルはとても自然な流れで私の手を取った。
私は握られた手に一度視線を向けるとノエルは「どうかした?」と首を傾げる。何だろう。笑顔だけど指摘してはいけない感じがひしひしと伝わって来る。
それに指摘する私が間違っているみたいな空気だった。ここはスルーしておこう。
「スカーレット」
教室に行こうとしたら呼び止められた。そこで、もう一人在籍中していたことを思い出した。
「‥…シャノワール」
シャノワールは私の元へ来て、一緒にいるノエルとレイクロードを見た後、再び視線をノエルに戻した。
ノエルがというよりも私とノエルが手を繋いでいることが気になるようだ。まぁ、そうだろうね。婚約する可能性のある女の子が知らない奴と手を繋いでいたら。
「ノエル・オーガストです」
「‥‥シャノワール・シクラメンだ」
「行こう、スカーレット」
「えっ」
名前だけ名乗ってノエルは私の手を引っ張って歩き出す。レイクロードは仕方がないという感じについて来る。
シャノワールは引き留めることはしなかったけどその場にフリーズしていた。
あなたにおすすめの小説
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?
水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。
私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
姉の婚約者と結婚しました。
黒蜜きな粉
恋愛
花嫁が結婚式の当日に逃亡した。
式場には両家の関係者だけではなく、すでに来賓がやってきている。
今さら式を中止にするとは言えない。
そうだ、花嫁の姉の代わりに妹を結婚させてしまえばいいじゃないか!
姉の代わりに辺境伯家に嫁がされることになったソフィア。
これも貴族として生まれてきた者の務めと割り切って嫁いだが、辺境伯はソフィアに興味を示さない。
それどころか指一本触れてこない。
「嫁いだ以上はなんとしても後継ぎを生まなければ!」
ソフィアは辺境伯に振りむいて貰おうと奮闘する。
2022/4/8
番外編完結
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚
きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」
新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。
それもそのはず。
2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。
でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。
美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。
だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。
どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。
すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?
焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。