親友面した女の巻き添えで死に、転生先は親友?が希望した乙女ゲーム世界!?転生してまでヒロイン(お前)の親友なんかやってられるかっ!!

音無砂月

文字の大きさ
12 / 63
第1章

11.イベント情報

しおりを挟む
〈イベント〉
☆アイル誘拐事件→時期不明(突発的に起こるイベント)
☆モンスター襲撃事件→秋に行われる狩猟祭
☆アイル転落事件→夏合宿で崖から落ちる
☆倒壊事故→秋の文化祭準備時に屋台が倒壊

「聞き出せたのはこれだけ。しかも詳しい内容をあの馬鹿女は覚えていない」
覚えているのはヒロインを助ける攻略対象者がいかに格好いいかってことと、どんな言葉をかけてくれるのかってことばかり。
当然だけど周囲の人も殆ど聞き流しているからあまり覚えていないようだ。
「というか、これ本当にリアルで起こるわけ?ちょっとあり得なくない」
まず、アイルの誘拐事件について。
そもそもアイルは基本王宮から出ない。
乙女ゲームの舞台になっている学園に通うことになって初めて彼女は王宮を出るのだ。
だけど王族や上級貴族が通う学園の警備は厳重だし、学園の中でも彼女には常に護衛が付きまとうのだ。どうやって誘拐するの?
似なような理由から崖の転落もあり得ない。そもそもが王族や貴族の子息令嬢連れて崖のある危険な場所に行くわけがない。
「あるとすればモンスター襲撃事件と倒壊事故かな?」
だけど、屋台はプロが作る。倒壊などするとは到底思えない。
「ミキちゃん、どこに行ってたの?」
「休憩に行っておりました」
私だって食事をする時間がぐらいは欲しい。
「私、ミキちゃんがいなくて寂しかったのよ」
ぷくぅっと頬を膨らませるアイル。全然、可愛くないから。
「まぁ、いいわ。あなたに紹介したい人がいるの。アシュベルよ。前言っていた攻略対象者の一人なの。今度から一緒にお勉強することになったの」
“攻略対象者”などと訳の分からないことを言われてアシュベルは戸惑っているようだ。それにしても、乙女ゲームが始まる前にアイルとアシュベルは知り合いだったのか。
「たまたま王宮内で見かけてね、どうせ私はエンディングまで知っているからこの際多少ズルしてもいいかなって思って」
つまり、本来はまだ出会う時期ではなかったということか。
「アシュベル、彼女はミキちゃん。私の大親友なの」
冗談でしょう。
大親友という言葉を辞書で調べてから人生をリセットして来い。
‥…なんて、言えるわけないからね。
私はにっこりと笑って淑女の礼を取る。
「レイファ・ミラノです。バルトロマイ伯爵令息」
この時のアシュベルに女性恐怖症はないからまだ彼はストーカー被害に合ってはいないのだろう。
「えっと、その髪の色は?」
そう言えば彼の前では金髪だったな。いつも私が染粉を洗い流す時にだけ現れるから。
「似合ってるでしょう。ミキちゃんには金よりも茶色が似合うから私がオススメしてあげたの」
頼んでないけどね。
アシュベルがもの言いたげに私を見る。
染粉を洗い流している現場に何度も遭遇している彼だから私が好き好んでこの色にしているわけではないと理解しているのだろう。それに暗い色は身分の低い人間に多い。
その色にしろと命じることは侮辱に等しいのだ。馬鹿なアイルがそんなことを知っているわけもないけど。
「あの、“ミキちゃん”というのは愛称ですか?」
私の名前にかすりもしていないから愛称と言っていいのか分からないけど他に何と言っていいか分からずアシュベルは結局“愛称”という言葉を使って“ミキ”の意味をアイルに問う。
が、問う相手が悪かった。
「ミキちゃんは、ミキちゃんよ」
「‥…そう、ですか?」
何の説明にも答えにもなっていない。
ちらりとアシュベルが私を見てきたけど私も説明のしようがないので苦笑で留めた。するとアシュベルもアイルが私を“ミキちゃん”と呼ぶ理由が分かっていないのだと勘違いしてくれたようでこの話題はここで終了だ。
「バルトロマイ伯爵令息はよく王宮内で見かけますが、何か御用がったのことではないのですか?」
「はい。父について仕事を見ています」
へぇ。こんな子供のうちから既に父親の仕事について学んでいるのか。さすがね。
「さすが、未来の宰相様ね」とアイルは嬉しそうに笑う。
彼女にとってここは乙女ゲームの世界。彼はそこの登場人物で、自分と同じ心臓が動いて、息をしている生き物だとは思えないのだろう。
だから彼女の褒め事にはどこか白々しさがある。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】子育ては難しい~廃嫡した息子が想像の斜め上にアホだった件~

つくも茄子
ファンタジー
リオン王国には、バークロッド公爵家、アーガイル公爵家、ミルトン公爵家の三大公爵家が存在する。 三年前に起きたとある事件によって多くの貴族子息が表舞台から姿を消した。 各家の方針に従った結果である。 その事件の主犯格の一人であるバークロッド公爵家の嫡男は、身分を剥奪され、市井へと放り出されていた。 親のであるバークロッド公爵は断腸の思いで決行したのだが、とうの本人は暢気なもので、「しばらくの辛抱だろう。ほとぼりが冷めれば元に戻る。父親たちの機嫌も直る」などと考えていた。 よりにもよって、元実家に来る始末だ。 縁切りの意味が理解できていない元息子に、バークロッド公爵は頭を抱えた。 頭は良いはずの元息子は、致命的なまでに想像力が乏しかった。

悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜
恋愛
私は『花の王子様』という乙女ゲームに転生した しかも、悪役令嬢に。 いや、私の推しってさ、隠しキャラなのよね。 だから勝手にイチャついてて欲しいんだけど...... ※題名変えました。なんか話と合ってないよねってずっと思ってて

才能が開花した瞬間、婚約を破棄されました。ついでに実家も追放されました。

キョウキョウ
恋愛
ヴァーレンティア子爵家の令嬢エリアナは、一般人の半分以下という致命的な魔力不足に悩んでいた。伯爵家の跡取りである婚約者ヴィクターからは日々厳しく責められ、自分の価値を見出せずにいた。 そんな彼女が、厳しい指導を乗り越えて伝説の「古代魔法」の習得に成功した。100年以上前から使い手が現れていない、全ての魔法の根源とされる究極の力。喜び勇んで婚約者に報告しようとしたその瞬間―― 「君との婚約を破棄することが決まった」 皮肉にも、人生最高の瞬間が人生最悪の瞬間と重なってしまう。さらに実家からは除籍処分を言い渡され、身一つで屋敷から追い出される。すべてを失ったエリアナ。 だけど、彼女には頼れる師匠がいた。世界最高峰の魔法使いソリウスと共に旅立つことにしたエリアナは、古代魔法の力で次々と困難を解決し、やがて大きな名声を獲得していく。 一方、エリアナを捨てた元婚約者ヴィクターと実家は、不運が重なる厳しい現実に直面する。エリアナの大活躍を知った時には、すべてが手遅れだった。 真の実力と愛を手に入れたエリアナは、もう振り返る理由はない。 これは、自分の価値を理解してくれない者たちを結果的に見返し、厳しい時期に寄り添ってくれた人と幸せを掴む物語。

《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!

皇子(みこ)
恋愛
辺境の地でのんびり?過ごして居たのに、王都の舞踏会に参加なんて!あんな奴等のいる所なんて、ぜーたいに行きません!でブスなんて言われた幼少時の記憶は忘れないー!

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜

白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」  即位したばかりの国王が、宣言した。  真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。  だが、そこには大きな秘密があった。  王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。  この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。  そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。 第一部 貴族学園編  私の名前はレティシア。 政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。  だから、いとこの双子の姉ってことになってる。  この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。  私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。 第二部 魔法学校編  失ってしまったかけがえのない人。  復讐のために精霊王と契約する。  魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。  毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。  修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。 前半は、ほのぼのゆっくり進みます。 後半は、どろどろさくさくです。 小説家になろう様にも投稿してます。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

追放即死と思ったら転生して最強薬師、元家族に天罰を

タマ マコト
ファンタジー
名門薬師一族に生まれたエリシアは、才能なしと蔑まれ、家名を守るために追放される。 だがそれは建前で、彼女の異質な才能を恐れた家族による処刑だった。 雨の夜、毒を盛られ十七歳で命を落とした彼女は、同じ世界の片隅で赤子として転生する。 血の繋がらない治療師たちに拾われ、前世の記憶と復讐心を胸に抱いたまま、 “最強薬師”としての二度目の人生が静かに始まる。

処理中です...