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第2章 グロリアの再教育に向けて
XIX.グロリアへの警告
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「私、体調が悪いので欠席します」
お茶会は午後に行われるのでまだ時間的に余裕がある。
「グロリアはセシルとは違って体が弱いの。
無理にお茶会をさせる必要はないわ」
ベッドに潜り込んでダンゴ虫状態になったグロリア
それを庇うケバイおば・・・・失礼。お母様。
私の表情筋がヒクついています。
笑顔を作る限界を感じています。
本当にこのバカ母娘はどうしてくれようかしら。
「いいえ、体調は万全のはずですわ。
だって昨日整えるように言ってんですもの」
「言ってどうにかなるものではないわ。
健康なあなたならいざ知らず」
「朝食は完食だったそうですね。
それで、どこが体調不良なのかしら?」
「っ。た、食べた時はそうでもなかったの。
お姉様には分からないかもしれないけど、急に来るものなの」
あら。お話ができたのね。
顔も見せずに殆ど目の前のお母様が喚いているだけだから喋れないのかと思っていたわ。
「ルーシア、いい加減にしなさい。グロリアも」
「あなた」
おやおや、痺れを切らして親玉の登場ですか。
「お父様、私本当に」
「我儘はよしなさい、グロリア」
「どうして、私は本当に体調が悪いのよ!
なのにどうして我儘で片付けるのよ」
「分かった。ならお茶会には出なくていい」
父から疲れたような溜息が漏れた。
お父様、私は昨日もこれと格闘しているのよ。
「ただし、お茶会に出ないのなら修道院に行ってもらう」
「あなた、なんてこと言うの!たかがお茶会で」
「修道院何て、そうか。
やっぱりお姉様、私のせいで自分が傷物になったってお父様に報告したのね。
それで怒って、お父様は私を追い出す気なのね。
そうよね。私は可愛い娘を傷物にした悪女だものね」
はぁ?
報告してぇねし。
・・・・・・あら、失礼。
ダメね。ストレスが溜まると言葉遣いが乱暴になって。
本当にどうしてお金は簡単には溜まってくれないのにストレスはこうも簡単に溜まるのかしら。
本当、嫌になる。
「何を勘違いしているのか知らないが私にとってはグロリアも可愛い娘だよ。
ただ、度が過ぎる我儘に目を瞑ってやることはできない。
私は父であると同時にラインネット伯爵家の当主でもあるからね」
室温が急激に下降し、ちょっと肌寒いとかいうレベルではないぐらいに寒さを感じる。
ベッドの中に潜っているグロリアからも震えている。
お母様は失神寸前です。
何とか使用人が倒れ掛かっている母を抱き留めてはいますが。
「古くからある由緒正しきラインネット伯爵家の名を汚す者は誰であろうと許すことはできない。
それが最愛の妻であれ、娘であれ。
そこにグロリアだからやセシルだからという甘さは一切含まれない。
今回のお茶会にはお前の婚約者候補の3人を呼んである。
1か月前の夜会での彼ら3人に対するお前の非礼は私の耳にも入っている。
挽回して来い。
それができないのなら無能は我が家には必要ない。
家の為に嫁ぎなさい。それができないのなら家の為にできる何かを見つけて取り組め。
何もせず、結婚も嫌だ。というのであれば除籍か修道院行きだ。
私はどちらでも構わない。
ただ愛する娘であるお前には父として幸せになって欲しいとは思っている」
それだけ言うと父はきっと邪魔になるであろう母を連れて部屋から出て行った。
私はメイドに「準備をお願いします」とだけ伝えて部屋を出た。
お茶会は午後に行われるのでまだ時間的に余裕がある。
「グロリアはセシルとは違って体が弱いの。
無理にお茶会をさせる必要はないわ」
ベッドに潜り込んでダンゴ虫状態になったグロリア
それを庇うケバイおば・・・・失礼。お母様。
私の表情筋がヒクついています。
笑顔を作る限界を感じています。
本当にこのバカ母娘はどうしてくれようかしら。
「いいえ、体調は万全のはずですわ。
だって昨日整えるように言ってんですもの」
「言ってどうにかなるものではないわ。
健康なあなたならいざ知らず」
「朝食は完食だったそうですね。
それで、どこが体調不良なのかしら?」
「っ。た、食べた時はそうでもなかったの。
お姉様には分からないかもしれないけど、急に来るものなの」
あら。お話ができたのね。
顔も見せずに殆ど目の前のお母様が喚いているだけだから喋れないのかと思っていたわ。
「ルーシア、いい加減にしなさい。グロリアも」
「あなた」
おやおや、痺れを切らして親玉の登場ですか。
「お父様、私本当に」
「我儘はよしなさい、グロリア」
「どうして、私は本当に体調が悪いのよ!
なのにどうして我儘で片付けるのよ」
「分かった。ならお茶会には出なくていい」
父から疲れたような溜息が漏れた。
お父様、私は昨日もこれと格闘しているのよ。
「ただし、お茶会に出ないのなら修道院に行ってもらう」
「あなた、なんてこと言うの!たかがお茶会で」
「修道院何て、そうか。
やっぱりお姉様、私のせいで自分が傷物になったってお父様に報告したのね。
それで怒って、お父様は私を追い出す気なのね。
そうよね。私は可愛い娘を傷物にした悪女だものね」
はぁ?
報告してぇねし。
・・・・・・あら、失礼。
ダメね。ストレスが溜まると言葉遣いが乱暴になって。
本当にどうしてお金は簡単には溜まってくれないのにストレスはこうも簡単に溜まるのかしら。
本当、嫌になる。
「何を勘違いしているのか知らないが私にとってはグロリアも可愛い娘だよ。
ただ、度が過ぎる我儘に目を瞑ってやることはできない。
私は父であると同時にラインネット伯爵家の当主でもあるからね」
室温が急激に下降し、ちょっと肌寒いとかいうレベルではないぐらいに寒さを感じる。
ベッドの中に潜っているグロリアからも震えている。
お母様は失神寸前です。
何とか使用人が倒れ掛かっている母を抱き留めてはいますが。
「古くからある由緒正しきラインネット伯爵家の名を汚す者は誰であろうと許すことはできない。
それが最愛の妻であれ、娘であれ。
そこにグロリアだからやセシルだからという甘さは一切含まれない。
今回のお茶会にはお前の婚約者候補の3人を呼んである。
1か月前の夜会での彼ら3人に対するお前の非礼は私の耳にも入っている。
挽回して来い。
それができないのなら無能は我が家には必要ない。
家の為に嫁ぎなさい。それができないのなら家の為にできる何かを見つけて取り組め。
何もせず、結婚も嫌だ。というのであれば除籍か修道院行きだ。
私はどちらでも構わない。
ただ愛する娘であるお前には父として幸せになって欲しいとは思っている」
それだけ言うと父はきっと邪魔になるであろう母を連れて部屋から出て行った。
私はメイドに「準備をお願いします」とだけ伝えて部屋を出た。
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