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第3章 決着
XXXIX.領内にて
事件から一週間後、母ルーシアの元にもグロリアが修道院行きになったことが知らされた。
ガシャン
「奥様、どうか落ち着いてくださいませっ」
「落ち着け?これが落ち着いていられるものですかっ!
あなたバカなの?
私の、私の可愛いグロリアが修道院行きだなんて。
こんなことってないわ」
ガシャンッ
領内に設けられた邸の調度品はどれも値が張り、中には簡単に手に入らない物まである。
歴史的に価値のある物も多く取り揃えられているがルーシアはそれをことごとく力任せに破壊していった。
その度に使用人は青ざめていく。
使用人の中には勿論、その価値をしっかりと分かっている者もいるがルーシアのあまりにも鋭い気迫に逆らえるものはいなかった。
「奥様、いい加減にしてください」
さすがにこれ以上壊されては困るので家令が止めに入った。
床には平民なら一生遊んでくれされる物が幾つも破壊されていた。
これの修理費は幾らなのかと考えただけで家令は頭痛がした。
「馬車を出して頂戴」
「無理です」
「どうして?馬車ぐらいあるでしょう。
早く出して」
「旦那様から奥様を領内から出すなと仰せつかっております」
「私の言うことが聞けないの?」
「聞けません」
❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️
王都に居る伯爵の元に領内でのルーシアの報告が来た。
「なんてことを」
グロリアの件が片付き頭痛の種が一つ消えたと思ったらまた一つ出て来た。
伯爵には休まる暇がないのだ。
「如何いたしましょう」
聞いてくるヴァンからもさすがに労りの色が消えずに拍車の元に伝わってくる。
「セシルがまだ完全に回復したわけではないからな。
可能なら邸を離れたくはない。だが・・・・」
自分がこうしている間にも領地の邸の調度品が壊されていく恐怖にゾッとする。
更にそれらの修理費用を考えると頭が痛くなる。
伯爵もセシルも贅沢を好んでするタイプではないが邸にはそれなりに価値のある物を置いておかなければ来た客に侮られることにもなるのだ。
面倒なことに。
その為、歴史的価値のある物よ、そこそこ価値のある物などを各種そろえている。
ましてや領内にある邸は前伯爵が趣味で集め、今はもうどこにも売られていない物まである。
修理できる物は何とかなる。
だが壊され方によっては全く修理できない物だって出てくる可能性があるのだ。
これは早急に改善すべき問題である。
「ジークを呼んできてくれ」
一礼してヴァンが出て行き、ほどなくしてジークが入ってくる。
「急遽、領地へ帰らなければならなくなった。
まだセシルの傍についていてやりたいのだが、そういうわけにもいかない。
すまないが私が戻るまでセシルを頼む」
「畏まりました」
ああ、本当に頭が痛い。
❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️
伯爵が邸に戻ると、伯爵の姿を見た使用人が全員、安どの表情を浮かべる。
「お帰りなさいませ、旦那様」
領内にある邸の管理を任せていた家令のスチュワートが出迎えてくれた。
彼は確かに老齢ではあるが、それでも実年齢の倍は老け込んで見える。
それぐらい疲れが溜まっているのだろう。
邸の奥からは女のヒステリックな声が聞こえ、使用人の止める声と共に何かが破壊された音が聞こえる。
これは、かなりまずいな。
「どうにかしてください。私どもにはもう奥様を止めることなど不可能です」
伯爵は慌ててスチュワート、ヴァンを連れて音が聞こえる方へ行った。
「ルーシア、止めなさい」
ルーシアが頭の上に掲げている物は前伯爵から譲り受けた物
既に国内外には売られておらず、セリにかけたら値段がつかないほどの価値のある物だ。
これには伯爵もその価値を知るスチュワート、ヴァンも青ざめた。
「ルーシア、その手に持っているものを置きなさい」
彼女の周りには幾つもの破壊された調度品があった。
スチュワートの報告では伯爵が来る前に破壊された物は既に修理に出してはいるがそのうちに3個は修理不可能と判断された。
ルーシアは伯爵の姿を見て少し落ち着いたのか手に持っていた調度品を床に置いてくれた。
これには3人とも胸を撫で下ろした。
再び破壊に行動を移されては困るのでスチュワートの命じて急いで回収させる。
「ルーシア、自分が何をしたのか分かっているのか?」
さすがにこれだけのことをされては伯爵の眉間に青筋が幾つも浮かび上がる。
だが怒れる女に怖いものなどない。
ルーシアの周りに居た使用人達が青褪める中、ルーシアだけはふんという態度で自分の夫を見る。
「あなたこそ、ご自分が何をしたのか分かっていらして?
私の可愛い娘のグロリアを修道院送りにするなんて。
あの子は心の優しい子です。人を害そうとするはずがありません。
きっと誰かに貶められたのだわ。あの子はとても可愛い顔をしているから。
それなのに碌に調べもしないで修道院へ送るなんて。
それが父親のすることですか?私がいたらそんなことはさせなかったわ」
調べるも何も、現行犯逮捕のようなものだ。
それにルーシアが居たところで話がややこしくなって、最悪有耶無耶の状態で終わる可能性だってあったんだ。
ルーシアを早めに領地へ下がらせたのは英断だったとも言える。
それが分かっていないのは本人だけだ。
「あの子自身、認めている」
半分だけみたいな感じだけど。
詳しく説明してやったところでどうせ信じないのだからするだけ時間の無駄だ。
「そんなの嘘よ!誰かに脅されたのよ」
「お前とこれ以上会話しても無駄なだけだ。
それよりもお前がここまで破壊してくれた調度品の数々の埋め合わせを」
「あの子は体の弱い、可哀想な子なのよ」
伯爵の言葉を遮り、ルーシアは泣き崩れた。
「子供の教育は母親の役目だ。お前はグロリアの教育を間違えたのだ。
そうしてそれに気づけなかった私の落ち度でもある」
「きっと、セシルよ。あの子が悪いのよ。
あの子はいつもそう。全部、全部、セシルが、あの子が私のグロリアの幸せを奪っていく」
双子で、セシルは最初から丈夫な体を持ち、グロリアは幼い時だけ体が弱かった。それだって死に至るもの程ではなかったが。たったそれだけの違いであの子達の命運を分けてしまった。
それに気づかずにグロリアの不幸を嘆くルーシアには吐き気を覚える。
伯爵とルーシアは政略結婚だった。
それでも伯爵はルーシアを愛そうと努力はした。
だが、その結果がこれだ。
仕事ばかりの時もあったが、いつも家族を優先できるわけではない。
それでも自分のできる範囲、家族の時間を持つようにした。
今のルーシアを見ているとその全てが無駄だったような気がする。
「ルーシア、そんなにグロリアの元へ行きたいのならお前も修道院に入ればいい」
「な、何を言っているの、あなた」
「これ以上、邸の調度品を壊されてはたまらない。
私もずっとお前を監視することはできない。無論、今のお前を王都に呼びつけることもできない。
お前のセシルに対する態度は母親のものではなく、それでも妻というお前に情が全くないわけではなかったからお前を領地で幽閉させることにした。
だが、お前は何も分からない。私はこれ以上、お前には付き合えない。
離縁しよう」
「あ、あなた」
「もっと早くそうすべきだった」
「待ってください、あなた。そんなのあんまりだわ。
私はどこへ行けって言うの?」
「どこへでも好きな所へ行くがいい。
荷物を纏めて明日には出て行け」
離縁された女は良い笑いものだ。
もう若くもないルーシアに新たな縁談は難しい。
優しい家族であれば離縁された娘を受け入れてくれる可能性もあるが、そうでない可能性も大いにある。
離縁された娘など扱いに困った厄介者なのだ。
❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️
駄々をこねるルーシアを翌日、問答無用で邸から追い出した。
せめてもの情けとして彼女の実家には送り届けてやった。
彼女を送り届けた使用人は義父、義母に離縁の理由その経緯を書いた手紙を持たせた。
それを呼んだ義父、義母はルーシアに対し「自業自得だ」と言って、新たに平民の戸籍を用意させ、そこに住まわせた。
最初の1か月間だけは実家から支援金が送られたが、それ以降は自力で稼いで生きていけということになったらしい。
この後、ルーシアがどういう生活を送ることになったのか伯爵家の誰も、いや社交界でも知る者はいない。
社交界にはルーシアはグロリアの死に心を病んでいるという情報を出した。
元々、領地へ幽閉されていたので「お可哀想に」の一言ですむようなことで人関心が向けられることはなかった。
ガシャン
「奥様、どうか落ち着いてくださいませっ」
「落ち着け?これが落ち着いていられるものですかっ!
あなたバカなの?
私の、私の可愛いグロリアが修道院行きだなんて。
こんなことってないわ」
ガシャンッ
領内に設けられた邸の調度品はどれも値が張り、中には簡単に手に入らない物まである。
歴史的に価値のある物も多く取り揃えられているがルーシアはそれをことごとく力任せに破壊していった。
その度に使用人は青ざめていく。
使用人の中には勿論、その価値をしっかりと分かっている者もいるがルーシアのあまりにも鋭い気迫に逆らえるものはいなかった。
「奥様、いい加減にしてください」
さすがにこれ以上壊されては困るので家令が止めに入った。
床には平民なら一生遊んでくれされる物が幾つも破壊されていた。
これの修理費は幾らなのかと考えただけで家令は頭痛がした。
「馬車を出して頂戴」
「無理です」
「どうして?馬車ぐらいあるでしょう。
早く出して」
「旦那様から奥様を領内から出すなと仰せつかっております」
「私の言うことが聞けないの?」
「聞けません」
❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️
王都に居る伯爵の元に領内でのルーシアの報告が来た。
「なんてことを」
グロリアの件が片付き頭痛の種が一つ消えたと思ったらまた一つ出て来た。
伯爵には休まる暇がないのだ。
「如何いたしましょう」
聞いてくるヴァンからもさすがに労りの色が消えずに拍車の元に伝わってくる。
「セシルがまだ完全に回復したわけではないからな。
可能なら邸を離れたくはない。だが・・・・」
自分がこうしている間にも領地の邸の調度品が壊されていく恐怖にゾッとする。
更にそれらの修理費用を考えると頭が痛くなる。
伯爵もセシルも贅沢を好んでするタイプではないが邸にはそれなりに価値のある物を置いておかなければ来た客に侮られることにもなるのだ。
面倒なことに。
その為、歴史的価値のある物よ、そこそこ価値のある物などを各種そろえている。
ましてや領内にある邸は前伯爵が趣味で集め、今はもうどこにも売られていない物まである。
修理できる物は何とかなる。
だが壊され方によっては全く修理できない物だって出てくる可能性があるのだ。
これは早急に改善すべき問題である。
「ジークを呼んできてくれ」
一礼してヴァンが出て行き、ほどなくしてジークが入ってくる。
「急遽、領地へ帰らなければならなくなった。
まだセシルの傍についていてやりたいのだが、そういうわけにもいかない。
すまないが私が戻るまでセシルを頼む」
「畏まりました」
ああ、本当に頭が痛い。
❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️
伯爵が邸に戻ると、伯爵の姿を見た使用人が全員、安どの表情を浮かべる。
「お帰りなさいませ、旦那様」
領内にある邸の管理を任せていた家令のスチュワートが出迎えてくれた。
彼は確かに老齢ではあるが、それでも実年齢の倍は老け込んで見える。
それぐらい疲れが溜まっているのだろう。
邸の奥からは女のヒステリックな声が聞こえ、使用人の止める声と共に何かが破壊された音が聞こえる。
これは、かなりまずいな。
「どうにかしてください。私どもにはもう奥様を止めることなど不可能です」
伯爵は慌ててスチュワート、ヴァンを連れて音が聞こえる方へ行った。
「ルーシア、止めなさい」
ルーシアが頭の上に掲げている物は前伯爵から譲り受けた物
既に国内外には売られておらず、セリにかけたら値段がつかないほどの価値のある物だ。
これには伯爵もその価値を知るスチュワート、ヴァンも青ざめた。
「ルーシア、その手に持っているものを置きなさい」
彼女の周りには幾つもの破壊された調度品があった。
スチュワートの報告では伯爵が来る前に破壊された物は既に修理に出してはいるがそのうちに3個は修理不可能と判断された。
ルーシアは伯爵の姿を見て少し落ち着いたのか手に持っていた調度品を床に置いてくれた。
これには3人とも胸を撫で下ろした。
再び破壊に行動を移されては困るのでスチュワートの命じて急いで回収させる。
「ルーシア、自分が何をしたのか分かっているのか?」
さすがにこれだけのことをされては伯爵の眉間に青筋が幾つも浮かび上がる。
だが怒れる女に怖いものなどない。
ルーシアの周りに居た使用人達が青褪める中、ルーシアだけはふんという態度で自分の夫を見る。
「あなたこそ、ご自分が何をしたのか分かっていらして?
私の可愛い娘のグロリアを修道院送りにするなんて。
あの子は心の優しい子です。人を害そうとするはずがありません。
きっと誰かに貶められたのだわ。あの子はとても可愛い顔をしているから。
それなのに碌に調べもしないで修道院へ送るなんて。
それが父親のすることですか?私がいたらそんなことはさせなかったわ」
調べるも何も、現行犯逮捕のようなものだ。
それにルーシアが居たところで話がややこしくなって、最悪有耶無耶の状態で終わる可能性だってあったんだ。
ルーシアを早めに領地へ下がらせたのは英断だったとも言える。
それが分かっていないのは本人だけだ。
「あの子自身、認めている」
半分だけみたいな感じだけど。
詳しく説明してやったところでどうせ信じないのだからするだけ時間の無駄だ。
「そんなの嘘よ!誰かに脅されたのよ」
「お前とこれ以上会話しても無駄なだけだ。
それよりもお前がここまで破壊してくれた調度品の数々の埋め合わせを」
「あの子は体の弱い、可哀想な子なのよ」
伯爵の言葉を遮り、ルーシアは泣き崩れた。
「子供の教育は母親の役目だ。お前はグロリアの教育を間違えたのだ。
そうしてそれに気づけなかった私の落ち度でもある」
「きっと、セシルよ。あの子が悪いのよ。
あの子はいつもそう。全部、全部、セシルが、あの子が私のグロリアの幸せを奪っていく」
双子で、セシルは最初から丈夫な体を持ち、グロリアは幼い時だけ体が弱かった。それだって死に至るもの程ではなかったが。たったそれだけの違いであの子達の命運を分けてしまった。
それに気づかずにグロリアの不幸を嘆くルーシアには吐き気を覚える。
伯爵とルーシアは政略結婚だった。
それでも伯爵はルーシアを愛そうと努力はした。
だが、その結果がこれだ。
仕事ばかりの時もあったが、いつも家族を優先できるわけではない。
それでも自分のできる範囲、家族の時間を持つようにした。
今のルーシアを見ているとその全てが無駄だったような気がする。
「ルーシア、そんなにグロリアの元へ行きたいのならお前も修道院に入ればいい」
「な、何を言っているの、あなた」
「これ以上、邸の調度品を壊されてはたまらない。
私もずっとお前を監視することはできない。無論、今のお前を王都に呼びつけることもできない。
お前のセシルに対する態度は母親のものではなく、それでも妻というお前に情が全くないわけではなかったからお前を領地で幽閉させることにした。
だが、お前は何も分からない。私はこれ以上、お前には付き合えない。
離縁しよう」
「あ、あなた」
「もっと早くそうすべきだった」
「待ってください、あなた。そんなのあんまりだわ。
私はどこへ行けって言うの?」
「どこへでも好きな所へ行くがいい。
荷物を纏めて明日には出て行け」
離縁された女は良い笑いものだ。
もう若くもないルーシアに新たな縁談は難しい。
優しい家族であれば離縁された娘を受け入れてくれる可能性もあるが、そうでない可能性も大いにある。
離縁された娘など扱いに困った厄介者なのだ。
❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️❄️
駄々をこねるルーシアを翌日、問答無用で邸から追い出した。
せめてもの情けとして彼女の実家には送り届けてやった。
彼女を送り届けた使用人は義父、義母に離縁の理由その経緯を書いた手紙を持たせた。
それを呼んだ義父、義母はルーシアに対し「自業自得だ」と言って、新たに平民の戸籍を用意させ、そこに住まわせた。
最初の1か月間だけは実家から支援金が送られたが、それ以降は自力で稼いで生きていけということになったらしい。
この後、ルーシアがどういう生活を送ることになったのか伯爵家の誰も、いや社交界でも知る者はいない。
社交界にはルーシアはグロリアの死に心を病んでいるという情報を出した。
元々、領地へ幽閉されていたので「お可哀想に」の一言ですむようなことで人関心が向けられることはなかった。
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