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【第4話】雨宿り屋さんのお手伝い
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めいちゃんは、おばあさんの代わりにタオルを持って行ったり、荷物を運んだり、虹色ロールケーキやてるてるドリンクを持って行ってあげました。めいちゃんとおばあさんはあちこちと忙しく働きました。
なかでもめいちゃんが面白かったのは、てるてるドリンク作りです。カウンターに乗っている大きな瓶には、なんと青空が入っていて、グラスにそそぐとソーダ水になりました。その中にかたつむりハウスの屋根で集めた雨を一滴垂らすと、その雫は太陽のように輝き出すのでした。
『先程より雨はやや小ぶりになりましたが、まだしばらくは続くでしょう』
そうお天気ニュースが流れると、ずっとそわそわしていたツバメが勢いよく立ち上がりました。
「ああ、もう行かなくちゃ! 子どもたちが待っているもの! ねえおばあさん、雨具をくださいな」
「はいはい」
と返事をしましたがおばあさんはてるてるドリンク作りのまっさい中でしたので、カウンターの中にある階段を指さしてめいちゃんに言いました。
「三つ巻きの部屋から、大きい布を持ってきてくれるかい?」
めいちゃんは嬉しくて、とびきりいい声で返事をしました。
実はさっきからその階段がずっと気になっていたのです。
めいちゃんは雨宿り屋の人になった気分で、すましてカウンターの中に入ると階段を上っていきました。上りきったところには、『三つ巻き』と書いてあります。
今度はどんな部屋なのか、胸を弾ませながらドアをそろそろと開きました。
三つ巻きのお部屋は二巻きの喫茶店にくらべて、部屋はだいぶ狭く、曲がり具合も急でした。
どうしてでしょう? めいちゃんは考えてみました。そして上にいくほど小さくくるりと巻いているかたつむりの形を思い出し、納得しました。
部屋の手前には、白く透き通った糸玉がたくさん積んでありました。その向こうの机の上には糸玉と編み棒のついた作りかけのミルク色の布が乗っています。
どうやらおばあさんがこの糸を編んで、布を作っているようです。
おばあさんが言っていた大きな布はどこにあるのでしょう? めいちゃんが奥に歩いていくと、机の向こうに棚があって、ミルク色の布が大きさ別にきちんとたたまれていました。ところどころキラリと輝いています。
「あれ?」
めいちゃんは自分の足元を見ました。履いている靴下と同じ布ではありませんか。
大きな布を手に取って撫でてみると、ふわふわとした手触りは足に当たる靴下と同じでした。
めいちゃんはどうしてもやってみたくなって、そっと布に顔をつけてみました。おでこやほっぺに当たる感触は、とろけてしまいそうに柔らかでした。
ずっとそうしていたかったけれど、頼まれた布を持っていかなくてはいけません。ぱっと布から顔を上げためいちゃんは、何かを見つけて「あっ」と小さい声をあげました。棚の向こう側にめいちゃんの目が奪われます。
なんとそこにはもう一つ階段があったのです。
そしてその先には四つ巻きのお部屋があるのです。
なかでもめいちゃんが面白かったのは、てるてるドリンク作りです。カウンターに乗っている大きな瓶には、なんと青空が入っていて、グラスにそそぐとソーダ水になりました。その中にかたつむりハウスの屋根で集めた雨を一滴垂らすと、その雫は太陽のように輝き出すのでした。
『先程より雨はやや小ぶりになりましたが、まだしばらくは続くでしょう』
そうお天気ニュースが流れると、ずっとそわそわしていたツバメが勢いよく立ち上がりました。
「ああ、もう行かなくちゃ! 子どもたちが待っているもの! ねえおばあさん、雨具をくださいな」
「はいはい」
と返事をしましたがおばあさんはてるてるドリンク作りのまっさい中でしたので、カウンターの中にある階段を指さしてめいちゃんに言いました。
「三つ巻きの部屋から、大きい布を持ってきてくれるかい?」
めいちゃんは嬉しくて、とびきりいい声で返事をしました。
実はさっきからその階段がずっと気になっていたのです。
めいちゃんは雨宿り屋の人になった気分で、すましてカウンターの中に入ると階段を上っていきました。上りきったところには、『三つ巻き』と書いてあります。
今度はどんな部屋なのか、胸を弾ませながらドアをそろそろと開きました。
三つ巻きのお部屋は二巻きの喫茶店にくらべて、部屋はだいぶ狭く、曲がり具合も急でした。
どうしてでしょう? めいちゃんは考えてみました。そして上にいくほど小さくくるりと巻いているかたつむりの形を思い出し、納得しました。
部屋の手前には、白く透き通った糸玉がたくさん積んでありました。その向こうの机の上には糸玉と編み棒のついた作りかけのミルク色の布が乗っています。
どうやらおばあさんがこの糸を編んで、布を作っているようです。
おばあさんが言っていた大きな布はどこにあるのでしょう? めいちゃんが奥に歩いていくと、机の向こうに棚があって、ミルク色の布が大きさ別にきちんとたたまれていました。ところどころキラリと輝いています。
「あれ?」
めいちゃんは自分の足元を見ました。履いている靴下と同じ布ではありませんか。
大きな布を手に取って撫でてみると、ふわふわとした手触りは足に当たる靴下と同じでした。
めいちゃんはどうしてもやってみたくなって、そっと布に顔をつけてみました。おでこやほっぺに当たる感触は、とろけてしまいそうに柔らかでした。
ずっとそうしていたかったけれど、頼まれた布を持っていかなくてはいけません。ぱっと布から顔を上げためいちゃんは、何かを見つけて「あっ」と小さい声をあげました。棚の向こう側にめいちゃんの目が奪われます。
なんとそこにはもう一つ階段があったのです。
そしてその先には四つ巻きのお部屋があるのです。
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