豚侍

コウスケ

文字の大きさ
上 下
4 / 4

トン助の決意。次なる敵?

しおりを挟む
 ニャーソンを出てからトン助は泣き続けていた。
トン助「胸がいたい。こんなに辛いなんて。」
戦いは始まったばかりなのに、トン助の心が折れそうになっていた。
雨が降りだし、辺りが暗くなってきた。下を向いたままのトン助の前に青白い足が現れた。姿ははっきり見えないが、誰かがいる。それでもトン助は、顔を上げない。
青白い者「心を強く持ちなさい。辛いかも知れないが、強くなるのじゃ。」
そう言うと、青白い者は消えた。
トン助は今の言葉を聞いて、村の事を思い出した。
トン助「そうだ。島を守らなくてはいけないんだ。辛いって村長は言ってたんだ。わかってて旅に出たんだ。」
トン助は自分に言い聞かせた。
トン助「拙者は強い!こんなことで挫けない。」
トン助は再び歩き出した。
暫く歩くと雨も止み、暗くなった空に光が差し始めた。
トン助「天気が良くなってきたな。取り合えず山を越えて海に向かうかな?」
トン助は行き先を決め、進み出した。
暫く進むと茶屋があったので、休憩をすることにした。
茶屋に入ったトン助は、大好きな団子とお茶を頼んだ。
大好きな団子を一本、二本、三本と食べ続け、気がつくと二十本は食べていた。
トン助「いやー。食べすぎたかな(笑)」
店員も驚いた顔をしている。
トン助がお茶を飲んでいると店の戸が開いた。
その瞬間、物凄い力を感じた。5匹の魔物の時みたいな恐怖心はなく、強さと言うオーラがトン助にぶつかってきた。
店の中に右目に傷がある兎が入ってきた。
トン助は咄嗟に刀を構えようとしていた。
トン助「こいつ、強い!5匹の魔物に匹敵する強さを感じる。」
兎はトン助を気にすることなく団子を注文して、食べ始めた。すると兎が、
兎「おい、豚。話があるから表にでな。」
トン助「お主何者だ。」
兎「う~ん。取り合えず外に出な。」
そう言うと兎は店の外に出ていった。トン助も後を追うように出ていった。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...