浅海 夕樹の苦悩。

淡雪 理依奈

文字の大きさ
4 / 5
0章 雪車夢学園

生きる為に人を食え

しおりを挟む
彼女の脅し様な物とは裏腹に…

「へー、浅海 夕樹な!夕樹でいい?」
「おー。」
「浅海くん、勉強の成績よかったよね!すごいー!」
「ありがとうなー。」

意外と充実してないか!
みんな結構優しいし…。
人数が大所帯で50人ぐらい居るのかな?パッと見でそんぐらい絶対いるがそれ以外は何も変わらない。
脅しなのかな…と疑ってしまう、西園寺の言葉。
でも、雪咲優美。僕の幼馴染もいないと言うことを考慮すると…
「辛い事があっても逃げちゃダメですよ。
私は、そうゆうの嫌ですし…しませんし。

仕方なく、先輩の味方でいてあげます。
だから、辞めないでくださいね。」

意味が深そうな、そして意味の分からない言葉。
でも、あんだけ嘘下手くそな奴が嘘とも考えにくく頭がぐちゃぐちゃになっていく。

雪咲は…なんで、何も。
そんな事を考えている時どんっと大きな音を立ててドアが開く。

「皆様、お集まりいただきありがとうございます。
集合時間の5分前。なのですが…進行を進めてよろしいですか?」

入ってきた眼鏡の優しそうなお団子の先生。
にこにこと、しながら書類と共に教卓に立っている。
各々が、はいとかうなづいているのをみて説明とか新入云々が始まるんだろうと俺たちは待った。

「えっと、1年春組の新入生皆さん春組の普通科を担当させていただきます!鉛樹 緋色と申します。
鉛に、樹木の樹。コナンドイルの緋色の研究。の緋色で、鉛樹 緋色
これから、1年…よろしく。と言いたいところなんだけど今から簡単なゲームをします。」

少し長い名前紹介に等しい自己紹介。空気が変わるように出された紙。

「皆さん、この二つ紙どちらかを持ってるはずですねー!
紹介状と、入学案内書。
この二つを使った簡単なゲームをします。」
ぴらぴらと2枚を見せる。

「なお、強制参加ですので逃げようとしてはいけません。」

皆逃げようとこそしてはいないが空気がピリピリと言うかみんな明らかに顔つきが変わった。

「でも、きちんと商品は付きますのでねー!
勝った人には、敗者のこの入学案内書又は紹介状ゲットです。悪い話ではないでしょう?」

クスッと鉛樹先生は人の悪い笑みを浮かべる。
周りの人達もざわざわして妙に落ち着きのない様子だ。

「まぁ、一枚しかもらえないんですけどね。」

「あの!それってどうなんですかその人達にだって人け」
「ストップ」
俺には、全く彼女達の気持ちも分からずその紙をあげる事が何になるかも理解出来ずに…
それを言ったのではない。
それに
言ったのは俺ではない。



「紹介状をもらった時点で。入学案内書を受け取った時点で。
貴方達の腹はもう決まっていたでしょう?
なのに、今更ペナルティが一つ出て来ただけでぐちゃぐちゃと。

うるさいですよ。減点、付けますよ?」

そう、鉛樹先生だ。先ほどまでにこにこと自己紹介していた癖に今は地を這う虫を見る目で生徒。つまり俺たちを見つめている。

「まあ、入学してすぐだから緊張してしまったんですかね?」

さっき声を上げた生徒は一瞬で威圧で萎縮してしまった。
「まぁ、ある程度はルール説明を。でも簡単ですよ!」
「この紹介状と入学案内書。
まずは、捨てるか持っているかを決めて。捨てたら-(マイナス)
持っているなら+(プラス)。
100点させていただきます。
結果的にポイントが多かったから勝てますよー。
ちなみに、1000点とれたら問答無用で勝てます。」

大雑把な説明をしながら黒板に書いていく。

「加点は基本的に
相手がどちらかを見極める。
誰に問わず、1人の人で50点。1人ずつ積み重なる事に+10点。という感じでのルールで。
紹介状は、+10点。案内書はプラス500点という配点になるわ。」

1人+0=50点
2人+10点=110点

紹介状の場合

1人+10点+0=60点
2人+20点+10点=130点

案内書の場合

1人+500点+0=550点
2人+1000点+10点=1110点


黒板はさらさらに書きながら話は進んでいく。

「基本的に、違反はありません。イカサマ上等、
結託上等、
聞き出すなんて古風で不確かな方法使わず勿論紙をゲットしてもいいわよ。」

「減点方法は、反対に…
バレたら…


-1000点。」

「1発、失格よ。」


その時の笑顔は妖艶で美しいと言う様に形容して拝めてしまいそうだが。

そんな気持ちもなくなるぐらい、その条件にビックリしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されないと知った時、私は

yanako
恋愛
私は聞いてしまった。 彼の本心を。 私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。 父が私の結婚相手を見つけてきた。 隣の領地の次男の彼。 幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。 そう、思っていたのだ。

美人な姉と『じゃない方』の私

LIN
恋愛
私には美人な姉がいる。優しくて自慢の姉だ。 そんな姉の事は大好きなのに、偶に嫌になってしまう時がある。 みんな姉を好きになる… どうして私は『じゃない方』って呼ばれるの…? 私なんか、姉には遠く及ばない…

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

処理中です...